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MicrosoftがBuild 2022で「Microsoft Edge」の開発者向け新機能を紹介 ~今後の展開も
WinUI 2/UWP向け「WebView2」コンポーネントが間もなく一般公開へ
2022年5月26日 13:16
米Microsoftは5月24日(現地時間)、公式ブログ「Microsoft Edge Blog」で「What’s new for Microsoft Edge at Build 2022」と題する記事を公開した。「Chromium」に移行して2年半経った「Edge」で導入された開発者向けの機能が紹介されているほか、今後の展開にも触れられている。
WinUI 2/UWP向け「WebView2」コンポーネントが一般公開へ
「WebView2」は「Chromium」ベースの「Edge」をアプリに組み込めるようにしたコンポーネントで、Win32 C/C++向けと.NET(Windows Forms/WPF)向けがすでにリリースされている。しかし、WinUI 2/UWP向けはまだなく、「EdgeHTML」ベースの「WebView」コンポーネントを使うしかなかった。先日一般公開された「.NET MAUI」でUIを作り直せば「WebView2」へ移行することはできるが、古い資産にそこまでの工数をかけられないという顧客も少なくないだろう。
同社はこの状況を改善すべく、WinUI 2/UWP向け「WebView2」コンポーネントを今後数カ月以内にリリースするとのこと。XboxやHololensへの展開も進めていくという。
「Edge」と「WebView2」へ移行すれば、最新のWeb標準技術の恩恵を受けられるだけでなく、パフォーマンス面でも大きなメリットがある。Cerner Corporationが行った試験によると、「Internet Explorer」を用いたソリューションに比べ「Edge」と「WebView2」はレンダリング時間で85%、CPU使用率で33%、メモリ使用率で32%の改善がみられるという。
プログレッシブ Web アプリ(PWA)の発展
「プログレッシブ Web アプリ」(PWA)はWebサイトをシステムにインストールし、ローカルアプリのように使えるようにしたもので、最近急速に採用が広まっている。ローカルアプリのつもりで使っているアプリが、実はPWAであったというケースも少なくない。
こうした状況に対応するため、「Edge」ではPWA対応が継続して強化されている。プロトコルハンドラーを既定で有効化して特定のプロトコルの処理をPWAアプリに任せられるようになったり、デスクトップ通知を「Edge」からではなくPWAアプリから送信したかのようにブランディングするといった改善はその一環だ。
また、アプリを管理する画面(edge://apps)のアップデートも進められている。最新の「Edge」ではアプリの管理画面をポップアップにした「アプリ ハブ」も段階的に導入されており、PWAアプリはより身近になっている。また、デバイス間でアプリを同期する機能も導入されるとのこと。
開発者ツールの強化
同社は「GitHub」にフィードバックリポジトリを開設して「Edge」開発者ツール(Dev tools)の改善に取り組んでいるが、その成果の1つが「Focus Mode」と呼ばれる新しいユーザーインターフェイスだ。
開発者ツールは多機能だが、一方であまりに複雑で、初学者にとって高いハードルとなっていることが指摘されている。そこで、ユーザーインターフェイスを簡素化するとともに、ツールチップオーバーレイによる説明を充実させることで問題の緩和を図ったのが「Focus Mode」だ。「Focus Mode」ではメインのタブが「アクティビティ バー」に置き換えられており、より柔軟なカスタマイズが可能。便利だがあまり知られていない「ドロワー」に目を向けさせるちょっとしたUI改善も施されている。
デスクトップ版「Microsoft Edge」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー([…]アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。すぐにアップデートを受け取れない場合もあるので、その場合は時間をおいて再度試してみてほしい。