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Microsoft、「.NET MAUI」を正式リリース ~デスクトップ・モバイルのネイティブUIを単一コードで

アプリ開発はプレビュー版「Visual Studio 2022」で

Microsoft、「.NET MAUI」を正式リリース

 米Microsoftは5月23日(現地時間)、「.NET MAUI」を正式リリースした。同社が取り組んでいる.NETプラットフォーム統一事業の新たなマイルストーンとなる。

 「.NET MAUI」(.NET Multi-platform App UI)は、デスクトップとモバイルの両方をカバーするアプリケーションUIフレームワーク。「Xamarin.Forms」を発展させたもので、単一のプロジェクト、単一のコードでそれぞれのプラットフォーム (Windows、macOS、iOS、Android)ネイティブのUIを構築できる。JavaScriptの代わりにC#でWebアプリを開発できる「Blazor」も統合されており、既存のBlazor Web UIコンポーネントをネイティブのモバイルアプリとデスクトップアプリで直接再利用することもできる。

「.NET MAUI」の概念図

 加えて、「.NET MAUI」は各プラットフォームのサービスや機能にアクセスするためのシンプルなAPIも備えており、加速センサー、アプリアクション、ファイルシステム、通知などをアプリに組み込むことが可能。アクセシビリティに配慮したアプリを開発できるのも利点といえる。

アプリアクションを利用。各プラットフォームに合わせた動作をする

 パフォーマンス面にも抜かりはない。UIのレンダリングやレイアウトを簡素化・効率化するため設計に工夫を凝らしたほか、「.NET 6」への移行で高速化とアプリサイズの縮小が図られており、とくにAndroidではアプリケーションの起動がかなり早くなっている。同社によると、一般リリース(GA)の時点で「.NET MAUI」で34.9%、「.NET for Android」で39.4%もの改善が見られるとのこと。

 「.NET MAUI」のサポートは、次のメジャーリリースが出てから少なくとも6カ月間継続される。サービスリリース(不具合やセキュリティのアップデート提供)は、.NETと同じく月次で実施される。

 「.NET MAUI」によるアプリ開発は、以下の環境で行える。

  • Windows:「Visual Studio 2022」v17.3 Preview 1.1
  • Mac:「Visual Studio 2022 for Mac」v17.3 Preview

 製品版の「Visual Studio 2022」で「.NET MAUI」ツールがサポートされるのは今年後半になる見込みだ。

Windows環境の「Visual Studio 2022」v17.3 Preview 1.1で「.NET Multi-platform App UI development」のワークロードをインストール
「.NET MAUI」のプロジェクトテンプレート