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Microsoft、「Visual Studio Code」向け「.NET MAUI」拡張機能を発表
Windows、macOS、Linuxでデスクトップ・モバイルアプリ開発
2023年7月14日 08:15
米Microsoftは7月12日(日本時間)、「Visual Studio Code」用の「.NET MAUI」拡張機能を発表した。先日リリースされた「C# Dev Kit」を含んでおり、クロスプラットフォーム対応のデスクトップ・モバイルアプリをWindows、macOS、Linuxで開発するためのツール一式がこれだけで整う。
「.NET MAUI」(.NET Multi-platform App UI)は、2024年5月のサポート終了が予定されている「Xamarin」の後継。デスクトップとモバイルの両方をカバーし、単一のプロジェクト、単一のコードでそれぞれのプラットフォーム(Windows、macOS、iOS、Android)でネイティブ動作するアプリを構築できる。
「.NET MAUI」アプリの開発には「Visual Studio」(Windows/Mac)を用いるのが基本だが、本拡張機能を導入すれば「.NET MAUI」開発に必要なコンポーネントをステップバイステップで導入し、「Visual Studio Code」でも開発が行えるようになる。「Visual Studio」よりも「Visual Studio Code」に慣れた開発者はもちろん、「Visual Studio」がないLinux環境でとくに重宝しそうだ。
「.NET MAUI」拡張機能のC#編集機能はアップデートされた新しい「C#」拡張機能に支えられており、「IntelliSense」による強力なコード補完が利用可能。「C# Dev Kit」が提供するソリューションエクスプローラーとネイティブテストエクスプローラー、「IntelliCode for C# Dev Kit」による開発支援AIの恩恵を得ることもできる。
加えて、今回のプレビューでは以下に挙げるデバッグのターゲットデバイスが追加される。
- Windows:ローカルのWindowsマシン、Androidエミュレーター、Androidデバイスでデバッグ
- macOS:Macローカル、iOSシミュレーターまたはデバイス、Androidエミュレータまたはデバイスでデバッグ
- Linux:Androidエミュレーターおよびデバイスでデバッグ
ただし、iOSおよび「Xcode」ベータ版ではまだ完全にテストされていないとのことなので注意したい。そのほかにも、XAMLと.NETホット リロードがまだサポートされていないなど、プレビュー版ゆえの制限がいくつかある。
なお、「C# Dev Kit」と「.NET MAUI」拡張機能は一部機能が「Visual Studio」と同じ基盤の上に構築されているため、「Visual Studio」と同じライセンスモデルが採用されている。個人開発、教育用途、オープンソース開発ならば「Visual Studio Community」と同様、無償で利用できる。ただし、エンタープライズ組織(PCが250台超または年間収入が100万米ドル超)は「Pro」「Enterprise」などの有償ライセンスや「GitHub Codespaces」ライセンスが必要となる。
ソフトウェア情報
- 「.NET MAUI」プレビュー版
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- (編集部にてむWindows 11で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.1.34(23/07/12)