ニュース

ターミナルで画像表示が可能に ~「Visual Studio Code」2023年6月更新(v1.80)

アクセシビリティ改善に引き続き注力、Windows 8/8.1対応は打ち切り

「Visual Studio Code」v1.80

 米Microsoftは7月7日(日本時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2023年6月アップデート(v1.80)を正式公開した。本バージョンでは、引き続きアクセシビリティの向上に注力され、新しいコマンドが2つ追加された。

 1つ目は、[Alt]+[F1]キーで呼び出せるアクセシビリティヘルプ(Accessibility Help)。現在のところエディター、ターミナル、ノートブック、チャットパネル、インラインチャットで利用可能で、スクリーンリーダーを考慮したわかりやすいテキストヘルプを選択中のオブジェクトに応じて表示できる。

コマンドパレットでアクセシビリティヘルプを利用

 2つ目はアクセシブルビュー(Accessible View)で、[Alt]+[F2]キーで利用可能。ホバーまたはチャットパネルのレスポンスがフォーカスされているときに利用すると、スクリーンリーダーでコンテンツを一文字ずつ、一行ずつ調べることができる。

 そのほかにも、「GitHub Copilot」向けのオーディオキューなどを追加。設定エディターの代替テキストが拡充され、スクリーンリーダーを利用する際のユーザーエクスペリエンスが大きく改善されている。

 ワークベンチでは固定幅タブの最小幅を設定できるようになったほか、エディターグループの分割モードの規定値が「自動」になった。エディターでは、テキスト選択の拡大・縮小(Expand/Shrink Selection)ではサブワードの選択という概念を導入。たとえば、サブワードの選択が有効化されている場合(既定)、“Co|deEditor”(|がキャレット位置)の選択範囲拡大はキャメルケースを考慮してまず“[Code]Editor”、“[CodeEditor]”と行われる。無効であれば、1回の選択拡大で“[CodeEditor]”となる。

エディターグループの分割モードの規定値が「自動」に

 ターミナルにおける変更のハイライトは、画像の表示がデフォルトで有効化されたこと。これは「libsixel」や「iTerm2」が主導してきた「Inline Images Protocol」で実現されているという。

ターミナルで画像表示が可能に

 さらに、リモート接続ではトンネルを利用してリモートマシン上のWSLインスタンスに接続する機能が安定版となった。プレビューとして「GitHub Copilot」でワークスペースとノートブックの作成がサポートされた点にも注目したい。C#ドキュメントも「C# Dev Kit」拡張機能の利用を前提としたものへ書き換えられた。

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。Web標準技術で構築されており、Webブラウザーでも動作する。強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー(Language Server)対応の拡張機能を追加することで幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴だ。

 現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。また、「ストア」アプリ(Microsoft Store)からもインストールできる。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。

 なお、本バージョンからWindows 8/8.1、Windows Server 2012/2012 R2のサポートが打ち切られているので注意。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.80(23/07/07)