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ARM64ネイティブ対応の「PowerToys」ビルドが初めて公開

「Keyboard Manager」が最大4つの修飾キーに対応。「PowerRename」は「WinUI 3」へ移行

「PowerToys」v0.59.0が利用可能に

 米Microsoftは6月8日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新安定版v0.59.0を公開した。「PowerToys 0.59」リリースサイクルにおける目玉は、ARM64でネイティブ動作するビルドが初めて提供されたことだ。「Surface Pro X」をはじめとするARM64搭載端末でパフォーマンスの向上とバッテリー持続時間の改善が期待できる。

「PowerToys」がARM64でネイティブ動作

 ARM64版「PowerToys」はインストーラーこそx86のままだが、それ以外のモジュールはすべてARM64アーキテクチャーでネイティブ動作する。とくに右クリックメニューからファイルのリネームを行う「PowerRename」や、「エクスプローラー」のカスタムプレビューハンドラー(サムネイル画像などを表示するアドオン)を管理する「File Explorer add-on」といったシェル関係のモジュールがARM64ネイティブになったのは、安定性の向上にも役立ちそうだ。

 なお、すでにARM64環境でx64版「PowerToys」を利用している場合、ARM64版へ自動更新することはできないようだ。一旦x64版をアンインストールしてから、ARM64版をセットアップし直す必要がある。バージョンアップを重ねてARM64版の安定性が向上すれば、いずれx64版からARM64版への更新もサポートされるかもしれない。

 そのほかにも、キーの再マップ(入れ替え)・ショートカットキーの変更を行うユーティリティ「Keyboard Manager」が強化され、最大4つの修飾キーを扱えるようになった。

「Keyboard Manager」が強化され、最大4つの修飾キーを扱えるように

 また、「PowerRename」が「WinUI 3」で動作するように改善。「Windows App SDK」ランタイムはv1.1.0にアップグレードされ、UACを無効化した環境で「PowerToys」の設定ダイアログが起動しない問題が解消された。「Windows App SDK 1.1」移行の恩恵で、パフォーマンスも改善されているという。

「PowerRename」が「WinUI 3」で動作。「Windows App SDK 1.1.0」への移行も進む

 ただし、「RTSS RivaTuner Statistics」や「MSI AfterBurner」といった一部アプリとの互換性問題は残っており、設定ダイアログが起動しないことがあるようだ。

 「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZone」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」、[Windows]キーの長押しでショートカットのGUIヘルプを参照できる「Shortcut Guide」など、「OSにも標準で備わっていればいいのに」と感じられる便利な機能が多く収録されている。

 対応OSは「Windows 10 バージョン 1903」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。

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ソフトウェア情報

「PowerToys」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10 バージョン 1903以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.59.0(22/06/08)