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画像からテキストを抽出 ~「PowerToys」に簡易OCR・物差しなど3つの新ツール

「PowerToys 0.62.0」が公開

「PowerToys」v0.62.0が利用可能に

 米Microsoftは9月7日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新安定版v0.62.0を公開した。「PowerToys 0.62」リリースサイクルでは、3つの新機能が導入されている。

スクリーン ルーラー(Screen Ruler)

デスクトップで気軽に使える物差し「スクリーン ルーラー」

 「スクリーン ルーラー」は、デスクトップで気軽に使える物差し(Ruler)だ。古くからある「Rooler」というツールにインスピレーションを得て開発されたという。

 この機能は初期状態で有効化されており、[Windows]+[Shift]+[M]キーでアクティブにできる。アクティブになるとデスクトップ上部中央に小さなツールバーが表示され、選択ツールを選ぶことが可能。

4種のルーラーで、デスクトップのさまざまな領域の幅や高さを計測

 執筆時現在、用意されているツールは以下の4つ。「Bounds」以外のツールはデスクトップをキャプチャーし、その色の変化からマウスポインターのある領域の「端」をリアルタイムで検出する。「タスクバーの高さ」や「ボタンの幅」などが簡単に測定できて面白い。

  • Bounds:選択領域の高さ・幅を計算する
  • Spacing:検出された領域の高さ・幅を算出
  • Horizontal spacing:検出された領域の垂直方向の長さを測定
  • Vertical spacing:検出された領域の水平方向の長さを測定

 なお、細かい挙動や補助線の色などは設定画面でカスタマイズが可能だ。

設定画面

Quick Accent

アクセント記号付き文字の入力を補助するユーティリティ「Quick Accent」

 「Quick Accent」は、アクセント記号付き文字の入力を補助するユーティリティだ。たとえば「à」といった文字を入力したい場合、キーボードの[A]キーを長押した状態でアクティブ化キーを押す。すると、デスクトップ上部中央に入力候補ツールバーが表示され、選択した文字がテキスト入力エリアに挿入される。

デスクトップ上部中央に入力候補ツールバーが表示される

 なお、この機能は初期状態で無効化されている。利用するには設定画面で明示的に有効化する必要がある。日本語入力とはあまり相性がよくないようなので、デフォルト無効化は正しい選択だといえる。

 機能をアクティブ化するキー(翻訳ミスで設定画面などでは「ライセンス認証キー」と表記されていることがある)やキーを長押しする時間、ツールバーの表示位置なども、この設定画面で変更が可能だ。

設定画面

Text Extractor

簡易的なデスクトップOCRツール「Text Extractor」

 エラーダイアログのメッセージをクリップボードにコピーしたいが選択できない。画像のテキストを書き写すのが面倒。――そんな経験をしたことはないだろうか。今回導入された「Text Extractor」は、そうした場合に活躍する簡易的なOCRツールだ。

 使い方は簡単で、[Windows]+[Shift]+[T]キーを押すだけ。Windows 10/11のスクリーンショット機能「Snipping Tool」のようにデスクトップ全体が暗転するので、マウスでテキストの範囲を選択すると、認識されたテキストがクリップボードに格納される。

[Windows]+[Shift]+[T]キーを押すと、デスクトップ全体が暗転して矩形選択モードに
認識されたテキストがクリップボードに格納

 「Text Extractor」は初期状態で有効だが、無効化したり、キーボードショートカットを変更することもできる。

設定画面

 「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZone」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」、[Windows]キーの長押しでショートカットのGUIヘルプを参照できる「Shortcut Guide」など、「OSにも標準で備わっていればいいのに」と感じられる便利な機能が多く収録されている。

 対応OSは「Windows 10 バージョン 1903」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。

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ソフトウェア情報

「PowerToys」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10 バージョン 1903以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.62.0(22/09/07)