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画像からテキストを抽出 ~「PowerToys」に簡易OCR・物差しなど3つの新ツール
「PowerToys 0.62.0」が公開
2022年9月7日 11:05
米Microsoftは9月7日(日本時間)、「Microsoft PowerToys」の最新安定版v0.62.0を公開した。「PowerToys 0.62」リリースサイクルでは、3つの新機能が導入されている。
スクリーン ルーラー(Screen Ruler)
「スクリーン ルーラー」は、デスクトップで気軽に使える物差し(Ruler)だ。古くからある「Rooler」というツールにインスピレーションを得て開発されたという。
この機能は初期状態で有効化されており、[Windows]+[Shift]+[M]キーでアクティブにできる。アクティブになるとデスクトップ上部中央に小さなツールバーが表示され、選択ツールを選ぶことが可能。
執筆時現在、用意されているツールは以下の4つ。「Bounds」以外のツールはデスクトップをキャプチャーし、その色の変化からマウスポインターのある領域の「端」をリアルタイムで検出する。「タスクバーの高さ」や「ボタンの幅」などが簡単に測定できて面白い。
- Bounds:選択領域の高さ・幅を計算する
- Spacing:検出された領域の高さ・幅を算出
- Horizontal spacing:検出された領域の垂直方向の長さを測定
- Vertical spacing:検出された領域の水平方向の長さを測定
なお、細かい挙動や補助線の色などは設定画面でカスタマイズが可能だ。
Quick Accent
「Quick Accent」は、アクセント記号付き文字の入力を補助するユーティリティだ。たとえば「à」といった文字を入力したい場合、キーボードの[A]キーを長押した状態でアクティブ化キーを押す。すると、デスクトップ上部中央に入力候補ツールバーが表示され、選択した文字がテキスト入力エリアに挿入される。
なお、この機能は初期状態で無効化されている。利用するには設定画面で明示的に有効化する必要がある。日本語入力とはあまり相性がよくないようなので、デフォルト無効化は正しい選択だといえる。
機能をアクティブ化するキー(翻訳ミスで設定画面などでは「ライセンス認証キー」と表記されていることがある)やキーを長押しする時間、ツールバーの表示位置なども、この設定画面で変更が可能だ。
Text Extractor
エラーダイアログのメッセージをクリップボードにコピーしたいが選択できない。画像のテキストを書き写すのが面倒。――そんな経験をしたことはないだろうか。今回導入された「Text Extractor」は、そうした場合に活躍する簡易的なOCRツールだ。
使い方は簡単で、[Windows]+[Shift]+[T]キーを押すだけ。Windows 10/11のスクリーンショット機能「Snipping Tool」のようにデスクトップ全体が暗転するので、マウスでテキストの範囲を選択すると、認識されたテキストがクリップボードに格納される。
「Text Extractor」は初期状態で有効だが、無効化したり、キーボードショートカットを変更することもできる。
「PowerToys」は、パワーユーザー向けに提供されているMicrosoft公式のシステムユーティリティ群。Windows 95/XP時代盛んに行われていた取り組みをWindows 10/11で、しかもオープンソースで復活させたものだ。ウィンドウを決まった位置にすばやく配置できる「FancyZone」、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」、[Windows]キーの長押しでショートカットのGUIヘルプを参照できる「Shortcut Guide」など、「OSにも標準で備わっていればいいのに」と感じられる便利な機能が多く収録されている。
対応OSは「Windows 10 バージョン 1903」以降で、現在「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロード可能。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」からも入手できる。すでに利用中の場合は、アプリ内蔵のアップデーターで更新可能だ。
ソフトウェア情報
- 「PowerToys」
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- Windows 10 バージョン 1903以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.62.0(22/09/07)