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「GitHub Copilot X」が発表 ~AIの力をデバッグやプルリク、ドキュメント整備などにも

モデルは「GPT-4」ベース

GitHub、「GitHub Copilot X」を発表

 米GitHubは3月22日(現地時間)、「GitHub Copilot X」を発表した。同社のコーディング支援AI「GitHub Copilot」にチャットや音声インターフェイスを導入し、プルリクエストのサポート、ドキュメントへの質問回答などを加えたもので、よりパーソナライズされた開発者体験を実現するとしている。

 「GitHub Copilot」は、人工知能(AI)技術を活用したコーディング支援機能。コメントや関数の特徴的な性質から文脈を読み取り、プログラマーがこれから書こうとする実装を予測して、それを代わりに書いてくれる。機長が副操縦士(co-pilot)の操縦をチェック・指導するように、開発者はAIが書いたソースコードを受け入れ、必要があれば手直しするだけでコーディングを完了できる。

 同社の調査によると、「GitHub Copilot」を利用すれば全言語平均でコードの46%を代わりに書いてもらえる。Javaであれば、この割合は61%にも達する。利用者からはおおむね好評で、企業向けの「GitHub Copilot for Business」も先月より提供が開始されている。

 「GitHub Copilot X」はこの「GitHub Copilot」を発展させたもの。機械学習モデルが「GPT-4」へアップデートされたほか、コード補完以外の開発シーンでもAIが積極的に関与するようになっている。

 たとえば、「GitHub Copilot Chat」は「ChatGPT」のような対話機能を「Visual Studio」や「Visual Studio Code」に追加したものだが、これはIDEに深く統合されており、開発者がどんなコードを入力したか、どんなエラーメッセージが表示されたかも認識している。そのため、コードブロックが何を意図しているのかを分析して説明したり、ユニットテストを生成したり、バグに対する修正案を得ることもできる。

 この機能はOpenAIとMicrosoftが「ChatGPT」や新しい「Bing」で行ってきた作業をベースにしているが、いずれは「GitHub Copilot Voice」と呼ばれるVoice-to-Code AI技術拡張にも対応し、口頭でプロンプトを与えることもできるようになる予定。「GitHub Copilot Chat」は現在、テクニカルプレビューへの参加を受け付け中だ。

 また、「GitHub Copilot X」はプルリクエストを作成する際にも使える(Copilot for PRs)。これまでは開発者が書いていた説明文やタグ付けも、これからはAIが自動で生成することが可能。開発者は提案をチェックし、必要があれば修正するだけだ。

 この機能も現在、「GitHub Next」から申し込みが可能。将来的にはプルリクエストが十分にテストされていない場合に、開発者へ自動で警告を発する機能なども計画されているという。

 そのほかにも、開発ドキュメントのアップデートやパーソナライズを行う「Copilot for Docs」や、コマンドラインツールの利用を補助する「GitHub Copilot CLI」といったツールが用意されるという。