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NVIDIAのローカルAI「ChatRTX」に脆弱性 ~情報漏洩や特権昇格、データ改竄のおそれ

「NVIDIA ChatRTX 0.3」へのアップデートを

同社が公開したセキュリティ情報

 米NVIDIAは5月1日(現地時間)、AIチャットボット「NVIDIA ChatRTX」に複数の脆弱性が存在すると明らかにした。

 「NVIDIA ChatRTX」(Chat with RTX)は、「GPT」大規模言語モデル(LLM)にユーザーデータを接続し、パーソナライズできるデモアプリ。「Retrieval-Augmented Generation」(RAG)、「TensorRT-LLM」、「GeForce RTX」アクセラレーションを活用することで、カスタムチャットボットにクエリを送信し、コンテキストに関連する回答をローカルですばやく生成できる。「GeForce RTX 30」シリーズ以上かつ、8GB以上のVRAMのGPUを搭載したWindows 10/11のPCで利用できる。

 今回のアップデートで修正された脆弱性は、以下の3件。Windows版のv0.2.1およびそれ以前のバージョンに影響する(括弧内は「CVSS v3.1」のベーススコア)。

  • CVE-2024-0096:UIの脆弱性により、情報漏洩、特権の昇格、データの改竄などにつながるおそれ
  • CVE-2024-0097:UIの脆弱性により、プロセス間のプロセス間通信を悪用可能。情報漏洩、特権の昇格、データの改竄などにつながるおそれ
  • CVE-2024-0098:UIおよびバックエンドにデータスニッフィングの脆弱性があり、情報漏洩につながる可能性

 同社は「NVIDIA ChatRTX 0.3」へのアップデートを推奨している。このバージョンでは大規模言語モデル(LLM)の対応が拡充され、OpenAIの画像認識AIモデル「CLIP」、音声認識AIモデル「Whisper」などが利用できるようになった。

「NVIDIA ChatRTX」のユーザーインターフェイス