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クリエイターの負担を軽減! Copilot+ PC×DirectMLを活用した先進AIを搭載するアプリ

「Adobe Premiere Pro」、「Capture One」、「Affinity Photo 2」のAI機能を紹介

公式ブログ「Windows Developer Blog」

 AI処理を高速化するプロセッサー「NPU」を搭載した「Copilot+ PC」デバイス、ハードウェアを問わずAI処理を統一的に扱えるようにするライブラリ「DirectML」の登場により、Windows環境でAIを活用したアプリを開発する環境は急速に整いつつある。実際に先進的なAI機能を備えたアプリもすでにいくつかリリースされているとのこと。米Microsoftは11月12日(現地時間)、公式ブログ「Windows Developer Blog」でその一部を紹介している。

Adobe Premiere Pro

 ビデオ編集アプリ「Adobe Premiere Pro」は、「Intel Core Ultra」に搭載されているNPU「AI Boost」と「DirectML」へいち早く対応しており、「Audio Category Tagger」と呼ばれる新しいAI機能をベータ版として実装している。

 この機能はオーディオクリップの内容を認識して効果音、音楽、ダイアログ、アンビエンスといった分類を行い、自動でタグをつけるものだ。タグが付けられたクリップにはカテゴリを表すエッセンシャルサウンドバッジが付与され、そのバッジを選ぶとそのカテゴリに必要なオーディオツールへアクセスするためのパネルを開ける。

オーディオクリップの内容を認識して分類し、自動でタグをつける「Audio Category Tagger」

Capture One

 「Capture One」は、ファッションやeコマースといった業界の商業スタジオでフォトグラファーに支持されている画像処理アプリだ。Qualcommのイベント「Snapdragon Summit」では、この「Capture One」に搭載された2つのAI機能が紹介されている。

 1つ目は「Match Look」と呼ばれている機能で、写真のスタイルをワンクリックで他の写真と合わせることが可能。過去の写真や映画のスチル写真、ムードボードなど、お気に入りの写真の“画風”を手軽にまねしたり、合成するときになじみやすくする。

写真のスタイルをワンクリックで他の写真と合わせる「Match Look」

 もう1つはAIクロップで、ある写真に行ったクロップ(切り抜き)処理を他の写真へ簡単に適用できる。たとえばチームメンバーのプロフィール画像を作成したくても、寄せられた顔写真が揃っていることはまずない。しかし、AIクロップ機能ならば写真を1枚だけちゃんとクロップすれば、そのマージンや配置をAIが認識し、他の写真も同じ感じに切り取ることができる。

大量の写真も統一感を持たせて切り取れるAIクロップ

Affinity Photo 2

 世界で数百万人のデジタルクリエイターに愛用されている画像編集アプリ「Affinity Photo 2」でも、Qualcommの「Snapdragon X Elite」に搭載されている「Hexagon」と「DirectML」を組み合わせたAI機能が積極的に導入されている。

 新たに発表されたオブジェクト選択もその1つで、写真から被写体を瞬時に認識し、レイヤーマスクを手動で作成する手間を省く。従来は難しかった“煙が立ち込めるなか走る車”からクルマだけを選択するといった処理も、「Affinity Photo 2」ならばワンアクションだ。

写真から被写体を瞬時に認識し、レイヤーマスクを手動で作成する手間を省くオブジェクト選択