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「AMD ROCm」が「WSL 2」にベータ対応 ~NVIDIAでいうところの「CUDA」に相当

マルチGPU、「Tensorflow」もサポート

「AMD ROCm」が「WSL 2」にベータ対応。マルチGPU、「Tensorflow」もサポート

 米AMDは6月18日(現地時間)、「AMD ROCm 6.1.3」を公開した。互換性、アクセシビリティおよびスケーラビリティの向上に重点を置いたアップデートとなっている。

 「ROCm」は、GPUコンピューティングのために設計されたオープンソースのソフトウェアスタック(ライセンスは「MIT license」)。ドライバー、開発ツール、APIのコレクションで構成されており、特定のニーズに合わせてGPUソフトウェアをカスタマイズできる。GPUアクセラレーションによるハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、人工知能(AI)、科学計算、コンピューター支援設計(CAD)などに適しており、NVIDIAでいうところの「CUDA」に相当するものといえる。

NVIDIAでいうところの「CUDA」に相当する「AMD ROCm」

 「AMD ROCm 6.1.3」はマルチGPUをサポートしており、対応する「Radeon RX」および「Radeon PRO」シリーズのGPUを最大4つまでを並列構成できるようになった。

対応する「Radeon RX」および「Radeon PRO」シリーズのGPUを最大4つまでを並列構成

 また、ベータレベルながら「Windows Subsystem for Linux」(WSL 2)へ対応したのも大きな改善。専用のLinux環境をわざわざ用意したり、デュアルブート環境を構築する必要がなくなり、WindowsでAI開発環境を整えるのが容易になる。

 そのほかにも、「Tensorflow」フレームワークがサポートされた。「PyTorch」と「ONNX」にはすでに対応している。