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TARベースのシンプルなWSLフォーマットに「Kali Linux」が初めて対応、「Ubuntu」も続く

WSLファイルのダブルクリックで簡単インストール、インポート作業不要

「Kali Linux」が「tar」ベースの新しいWSLディストロアーキテクチャーに対応

 「Kali Linux」が「tar」ベースの新しいWSLディストリビューション向けアーキテクチャーに対応したとのこと。「Kali Linux」の公式ブログで1月28日、発表された。このモダンなWSLディストロアーキテクチャーに対応したのは、「Kali Linux」が初めてだという。

 「Kali Linux」は、Offensive Securityがメンテナンスしているオープンソースプロジェクト。「BackTrack」からフォーク(派生、分岐)した「Debian」ベースのLinuxディストリビューションで、Offensive Securityが情報セキュリティのトレーニングとペネトレーションテスト(外部から侵入できるかどうかを試すこと)のサービスを提供していることもあり、セキュリティテストに関連するツールが充実しているのが特徴だ。

 今回対応が発表された「tar」ベースの新しいWSLディストロアーキテクチャーは、昨年11月にMicrosoftがWSL/Linuxディストリビューションの配布とインストールを簡素化するために発表したもの。わざわざAPPXパッケージを作成しなくても、設定ファイル(ディストリビューションの名前・アイコンや初期設定コマンドのパスなど)を含めてTARファイルにまとめ、拡張子を「.tar」から「.wsl」や「.tar.wsl」へ書き換えるだけでWSLパッケージとして扱えるようになる。「wsl -import」コマンドによるインポート作業も不要で、「wsl --install」コマンドのみで手軽にインストールできるのがメリットだ。

 「Kali Linux」の開発チームは、昨年末にMicrosoftからメールでこのアーキテクチャーに関する説明を受け、WSLチームの支援を得ながら対応を進めてきた。対応作業自体は非常に簡単で、自動化への組み込みも容易だったようだ。

 新しい「Kali Linux」パッケージを試したい場合は、「ターミナル」(Windows Terminal)で以下のコマンドを実行すればよい。

# プレビュー版の「WSL」をインストール(途中でUAC昇格あり)
wsl --update --pre-release

# 「Kali Linux」パッケージをインストール
wsl.exe --install kali-linux

 プレビュー版の「WSL」をインストールした後、「Kali Linux」のダウンロードページからWSLファイルをダウンロードし、ダブルクリックでインストールしてもよい。開発チームは新しい「Kali Linux」を評価し、楽しんでほしいとしている。

プレビュー版の「WSL」をインストール

 そのほかにも、「Ubuntu」が2月6日(日本時間)に新しいWSLアーキテクチャーへの対応を表明した。

 また、「Arch Linux」でもサポートの動きがあるようで、今まで公式なWSL対応を行っていなかったディストリビューションでもWSL対応の機運が高まりつつある。