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生成AIのリアルイベント「AICU Fes 2025 Summer」が東京で開催
さくらインターネットも登壇、AIアイドルもデビュー
2025年9月1日 10:45
AIと人間の創造力を結集する生成AIイベント「AICU Fes 2025 Summer」が、東京科学大学田町キャンパス内のINDESTにリアルに人を集めたオフラインイベントとして8月22日から24日まで3日間開催した。クリエイティブの熱を集めるというコンセプトで開催、AICU Japan株式会社の代表取締役 白井暁彦氏による趣旨説明からスタートした。初日の様子をレポートする。
初日は基調講演のほか、生成AIの最新活用事例や国際的に活躍する映像作家によるトークが行われ、AIが生み出すクリエイティブの可能性を探った。
2日目は「アートデイ」と題し、AIクリエイターによるピッチや看護師でアートセラピストでもある「まいまい先生」の実践紹介など、多様なバックグラウンドを持つ人材が登壇する。アニメ産業やユーザー生成コンテンツの未来を議論するセッション、AIによるLINEスタンプ制作展示なども行なわれた。
3日目は「アクトデイ」では、バイブコーディングによるゲーミングSNS制作、AIアートバトル「VAIBS@AICU」、つよつよGPU組み立てライブなど実践的な企画が展開された。
AICUは「生成AIクリエイター仕草」を提示AIを使うことで「安さ」を売りにしない
初日はAICU Japanの事業成果報告として、白井氏はクリエイティブAI時代に「つくる人をつくる」というビジョンを強調。迷惑行為や排他的な言動を禁じ、参加者同士がリスペクトをもって交流する行動規範と「生成AIクリエイター仕草」を提示した。
そこではAIを使うことで「安さ」を売りにしないとしており、白井氏は「AIによって安くなるということを推進してるわけではなく、クリエイティブなことを続けていくことに意味がある」と生成AIクリエイター仕草の意味を語った。
AICUの事業としては、メディア、教育・検定・ジョブマッチング、AIDX事業として研究などがあるが、メディアでは生成AIを用いた表現活動を発信、特に22日の当日にはAIアイドル「AiCuty」をデビューさせたことも発表した。
さくらインターネットはAIのユーザー層も広がり、さまざまなサービスを提供
続いて、さくらインターネット株式会社 AI事業推進室担当部長の竹井清恭氏が「クリエイティブAIで活用!高火力GPU(仮)」としてさくらインターネットのAI普及活動などを紹介し、GPUクラウドの「高火力GPU」のサービスの内容や種類についても説明した。
また、現在、さくらインターネットでは、DXからAXになっていく過程でユーザーの幅やカテゴリーが増えている。そのなかで、サーバーという物理層から最終的なサービス、サポートまで一気通貫していることが強みとし、ユーザーを増やし、研究開発用の高額なGPUから手頃なものまで提供する。そして、AI活用のプラットフォームを提供開始し、国産のLLM、国産のクラウド、データの預け場所の不安、学習されたくないという希望、といった需要にも応えられるようにしたという。
イヴ・ダルビエ氏と、来場者で意見を交わし合う
初日のメニューの最後は、生成AIを駆使する日本在住のフランス人映像作家イヴ・ダルビエ(Yves Dalbiez)氏による基調講演。
イヴ氏の30年の活動のなかから、AIとの関わりを時系列に、どのようなところからAIを使っていったのかを紹介。後半では参加者からの質問に答えるかたちで、AIを使い始めるきっかけや、AIに対する考え、今後のAIに進化について、参加者の質問に答えながらイヴ氏の意見が紹介された。
特にAIで作成するクオリティについては、「今まではトップ層しかクオリティが求められていなかったが、生成AIで美しい絵が簡単に出るようになり、エントリー層を含めたすべての層で高いクオリティが求められるようになった。しかし、安く人を使って安く作らせることになるのは、いちばん良くない」と指摘。ほかにも、AIに関してさまざまな将来予測や意見が交わされた。
なお、初日は午後からの短い時間の開催となったが、AICU Fesは会場でのオフライン以外にもライブ配信を行ない、ピークで同時接続数1000件を超え、オン、オフともに盛り上がった。