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「Firefox 146」が正式版に ~Windows 10環境に定期バックアップ機能が導入

セキュリティ関連の修正は13件

「Firefox」v146.0

 Mozillaは12月9日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版v146.0をリリースチャネルで公開した。メジャーバージョンアップとなる「Firefox 146」では、Windows 10環境に定期バックアップ機能が導入される。パスワードで保護したうえで閲覧データが毎日デバイスに保存されるので、「Firefox」をクリーンインストールしてもすぐに以前の状態から始められる。新しいデバイスで「Firefox」をセットアップするのも簡単になるだろう。将来的には他のOSにも導入される予定だ。

Windows 10環境に定期バックアップ機能が導入

 ただし、この機能は「プログレッシブロールアウト」の対象となっている。一部の環境から段階的に提供範囲が拡大されるので、「Firefox 146」へアップデートしてもすぐに利用できるとは限らない点には注意したい。

 一方、macOS版では専用のGPUプロセスが導入された。グラフィックスコードで致命的なエラーが生じても、クラッシュするのはGPUプロセスだけで(しかもすぐ再起動する)、Webブラウザー本体には影響が及ばなくなる。これはWebGPU、WebGL、「Firefox」独自のWebレンダラーに適用される。

 また、「Firefox Labs」がすべてのデスクトップユーザーに解放される。テレメトリ(利用統計)の収集・提出を有効にしていないユーザーでも、「Firefox」の先進的な機能を体験できる。

 そのほかのおもな改善は以下の通り。

  • 一部の検索結果が検索バーに直接表示される(プログレッシブロールアウト)
    一部の検索結果が検索バーに直接表示される
  • EUや一部の国で新規タブページの気象情報を改善。ユーザーが位置情報検出を有効にするか手動で検索するかを選べるようにするオプトインワークフローを導入(プログレッシブロールアウト)
    天気情報の取得に位置情報検出を有効にするか手動で検索するかを選べる
  • Linux(Wayland)環境でフラクショナルスケーリングをサポート。レンダリングの効率が向上
  • フランス、ドイツ、イタリアの英語版「Firefox」ユーザーを対象に、アドレスバーに祝日やその他の重要な日付の英語提案を表示

 なお、Windows版「Firefox」におけるDirect2Dのサポートは終了した。まだ必要な場合は「Firefox ESR」への移行が必要だ。

セキュリティ関連の修正

 セキュリティ関連の修正は、13件。深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中2番目の「High」が5件、3番目の「Moderate」が8件となっている。サンドボックス回避などが対策されているので、できるだけ早いアップデートをお勧めする。

 また、企業向けの延長サポート版「Firefox ESR」や「Thunderbird」でもセキュリティ修正が行われているので、利用中の場合は更新を怠らないようにしたい。

 デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 10/11に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。