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「Gemini 3」の新ファミリー「Gemini 3 Flash」登場、日常用に最適な性能・コストバランス

「Gemini」アプリの既定モデルに。前代旗艦モデル「Gemini 2.5 Pro」より3倍高速かつ安価

Google、「Gemini 3 Flash」を発表

 米Googleは12月17日(現地時間)、「Gemini 3」ファミリーの新しいモデル 「Gemini 3 Flash」 を発表した。高速かつ低コストで、効率性に特化した設計となっている。

 「Gemini 3 Flash」の魅力は、十分な性能に低い応答レイテンシ(スピード)、コストパフォーマンスにある。前世代のフラグシップモデル「Gemini 2.5 Pro」と比べ3倍高速で、コストは「Gemini 2.5 Pro」よりも安く、100万トークンあたり入力は0.50米ドル(オーディオ入力は引き続き1米ドルのまま)、出力は3米ドルに過ぎない。

 それでいて、各種ベンチマークでも優秀な成績を叩き出している。とくに大学レベルの問題でマルチモーダル性能を評価するベンチマーク「MMMU Pro」では81.2%というスコアを記録しており、現行のフラグシップモデル「Gemini 3 Pro」に迫る性能を発揮しているのがわかる。マルチモーダル(テキスト・画像・音声・動画)能力に関しては十分に高い性能を持つと考えていいだろう。

各種ベンチマークでも優秀な成績

 また、推論能力も優れている。「Gemini 3 Flash」は推論の際の思考量を調整できるため、複雑なタスクでは思考時間を要するものの、典型的な例では「Gemini 2.5 Pro」よりも平均で30%少ないトークンで済む。日常的なタスクに最適なモデルというわけだ。

能力とコストのバランスに優れ、日常的なタスクに最適

 「Gemini 3 Flash」は、「Gemini」アプリですでにデフォルトモデルとして展開が開始されている。「「Google 検索」の「AI モード」にも導入されるので、検索エクスペリエンスの改善が期待できる。

「Gemini」アプリの既定モデルは「Gemini 3 Flash」(高速モードと思考モードともに)。「Gemini 3 Pro」も選べる

 企業向けには「Vertex AI」や「Gemini Enterprise」を通じて提供される。「Google AI Studio」や「Gemini CLI」などからも利用可能だ。