レビュー
フォルダーやファイル単位で断片化を診断・修正できるデフラグツール「WinContig」
“クイック”と“スマート”の2モードを搭載。プロファイルやフィルター機能も完備
2018年3月22日 06:00
「WinContig」は、フォルダーやファイル単位でデフラグが行えるツール。Windows XP/Vista/7/8/10に対応するフリーソフトで、個人利用だけでなく商用でも無償で利用可能。作者のWebサイトからダウンロードできる。
HDDの大容量化に伴い、ディスクドライブ全体を対象としたデフラグには時間がかかるようになった。また、過度なデフラグはディスクドライブを痛める恐れがあるとの見方から、最近は避けられる傾向にある。
そうした事情を背景に、デフラグツールの中には特定のフォルダーやファイルのみのデフラグを行う機能を搭載するものが増えてきた。「WinContig」はその先駆けともいえるソフトで、この手のツールとしては老舗の部類に入るだろう。インストール不要のポータブルアプリになっており気軽に使える点や、イタリア製のソフトながら日本語へのローカライズにも対応している点も魅力と言える。
本ソフトを利用するには、まずデフラグの対象とするフォルダーやファイルを登録する必要がある。アイテムの登録には、ツールバーの[追加]ボタンを押すと現れる選択ダイアログで指定する方法と、画面上部にあるリストビューにドラッグ&ドロップする方法の2つが利用できる。
アイテムの登録が済んだら、ツールバーにある[分析]ボタンをクリックしよう。すると、登録されたアイテムが断片化されているかどうかの調査が開始される。断片化したアイテムの一覧は、画面下の[断片化したファイル]タブで確認可能。また、ツールバーの[断片化情報]ボタンを押せば、リストビューで選択されているアイテムの状況をチェックすることもできる。
次に、ツールバーの[デフラグ処理]メニューからデフラグを実施する。本ソフトでは断片化のひどいファイルのみを選択してデフラグを行うことができるため、デフラグにかかる時間やディスクに対する負荷を最小限に抑えることができる。
また、デフラグを実行する際にディスクチェックとディスククリーンアップを実施することも可能。これらの処理をあらかじめ行っておくとデフラグを効率よく実施できるが、面倒であればスキップしてもよいだろう。また、デフラグをするたびにダイアログが現れるのを抑止したい場合は、[オプション]メニューから機能を無効化することもできる。
なお、デフラグ処理の進捗状況はメイン画面下の[一般]タブで確認可能。万が一エラーが発生した場合は、[エラー]タブでその内容をまとめてチェックできる。
ちなみに、本ソフトでは“クイック”と“スマート”という2つのデフラグモードを備えており、[オプション]メニューから好きな方を選択できる。“クイック”モードははじめに見つけた空き領域をそのままデフラグに利用するが、“スマート”モードは一度ディスク全体の利用状況を把握した上で、全体の断片化ができるだけ少なくなるようにデフラグを行う。通常は初期設定の“クイック”のままでよいが、ディスクの空き領域の少ない環境で、時間がかかっても少しでも断片化を減らしたい場合は“スマート”モードを選択してもよいだろう。そのほかにも[オプション]メニューにはデフラグの完了時に行うアクションや、断片化された項目の強調表示の設定などが行える。
さて、以上が基本的な使い方の流れだが、もし特定のフォルダーやファイルを頻繁にデフラグする必要があるならば、現在の設定を“プロファイル”として保存しておくとよいだろう。一度保存したプロファイルは、ツールバーの[プロファイル読込]メニューから簡単にアクセスできる。たとえば、仮想マシンのパフォーマンスを保つためにディスクイメージを定期的にデフラグしておきたいといったシチュエーションで役立つ。
また、本ソフトはフィルター機能が充実しており、特定の条件に合致するファイルのみをデフラグしたり、逆に条件にマッチするファイルをデフラグから除外することも可能。登録したフォルダー内の特定ファイルのみをデフラグしたいといった場合に活用したい。
ソフトウェア情報
- 「WinContig」
- 【著作権者】
- Marco D'Amato 氏
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7/8/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 2.2.0.0