REVIEW(12/11/22)
物理メモリがシステムによってどのように利用されているかを分析できる「RAMMap」
開発者や管理者、システムをより深く理解したいユーザーなどにとって有用
「RAMMap」は、物理メモリがシステムによってどのように割り当てられているかを分析できる“Windows Sysinternals”製のユーティリティソフト。Windows Vista/Server 2008以降に対応するフリーソフトで、編集部でWindows 7で動作を確認した。“Windows Sysinternals”のWebサイトからダウンロードできる。
本ソフトを利用すると、“物理メモリ”に関するさまざまな情報をグラフィカルに表示することが可能。一般的なユーザーには必要のないソフトだが、開発者や管理者、システムをより深く理解したいユーザーなどにとっては有用だろう。なお、“仮想メモリ”について詳しく知りたい場合は、同じく“Windows Sysinternals”製の「VMMap」が利用できる。
本ソフトの画面はいくつかのタブに分割されているが、メインとなるのは[Use Counts]タブとなる。ここでは、物理メモリの状態と用途がリストビュー形式で表示されている。
リストビューの上側と左側には帯グラフが表示されているが、上側がアクティブ、スタンバイといったメモリの状態をグラフ化したもので、左側がプロセスのプライベートメモリ、マップトファイル(メモリへ配置された実行イメージやリソースDLL)といったメモリの用途をグラフ化したものとなる。前者は「リソース モニタ」でもチェックできるが、後者は「RAMMap」でしか確認できない。
そのほかのタブで確認できる情報は以下のとおり。
- [Process]タブ:物理メモリの利用状況をプロセス単位でリスト表示
- [Priority Summary]タブ:“Stanby”状態の物理メモリを割り当て優先度順に表示
- [Physical Pages]タブ:物理メモリの利用状況をページ単位でリスト表示
- [Physical Ranges]タブ:物理メモリアドレスの有効範囲を表示
- [File Summary]タブ:物理メモリにマップされたファイルのパスを一覧表示
- [File Details]タブ:マップトファイルを一覧。ツリー形式になっており、展開するとマップされたページがリスト表示される
なお、「RAMMap」は取得したメモリ情報を自動では更新しない。メモリ情報は[File]メニューからスナップショットとしてファイルへ保存できる。また、既存のスナップショットを読み込んで情報を閲覧することも可能。メモリ情報を更新したい場合は、[F5]キーを押す。
さらに[Empty]メニューからは、ワーキングセットやページリストの消去を試みることが可能。一度ワーキングセットをクリアした状態でスナップショットを保存し、デバッグ対象のアプリケーションを動作させてから再びスナップショットをとって比較すれば、当該アプリケーションが物理メモリに与えた影響を分析することができる。
- 【著作権者】
- Mark Russinovich 氏、Bryce Cogswell 氏
- 【対応OS】
- Windows Vista/Server 2008以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.21