「Excel」に正規表現を利用した検索・置換機能を追加するアドイン「正規表現検索」

「正規表現検索」v2.81

　「正規表現検索」は、「Microsoft Excel」で正規表現を利用した検索・置換を可能にするアドイン。「Excel 2000」以降に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1上の「Excel 2013」で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。

　業務などで大量のデータを効率よく編集するのに「Excel」の検索・置換機能は欠かせない存在だ。しかし、この検索・置換機能は正規表現をサポートしておらず、少し高度な置換を行おうとすると工夫が必要となる。たとえば“時速（数字）キロメートル”という表記を“（数字）km/h”に改めたい場合、まず“時速”を削除する置換と“キロメートル”を“km/h”へ変更する置換を2度行う必要がある。また、シートのほかの部分で“キロメートル”という表記が利用されているならば、そこに影響しないように注意を払う必要があるだろう。

　しかし、正規表現に対応する独自の検索・置換機能を「Excel」に追加する「正規表現検索」アドインがあればこうした高度な置換も一発で行える。

　本アドイン利用するにはショートカットキーが便利。右クリックメニューから利用することもできるが、［Ctrl］＋［R］キーというキーコンビネーションを覚えておくと効率を高めることができる。このキーコンビネーションはカスタマイズすることも可能だ。

　本アドインは「Excel」標準のダイアログとよく似ており、「Excel」に慣れたユーザーなら違和感なく利用できるだろう。基本的には検索ボックスに正規表現を入力して検索ボタンを押すだけでよい。ダイアログの下部にヒットする文字列の例が表示されるのが親切だ。

　そのほかにも文字装飾のあるセルだけ検索したり、ヒットしたセルに文字装飾を加えたり、検索条件を追加するといった機能も用意されており、状況に応じて表示されるサブウィンドウから利用することが可能。このサブウィンドウの挙動は少し独特だが、［閉じる］ボタンの右下にあるボタンからある程度表示方法を制御することができる。

基本的には検索ボックスに正規表現を入力して検索ボタンを押すだけ

サブウィンドウでさまざまな追加機能が提供される

　そしてもう一つ覚えておきたいのが、正規表現の生成機能だ。これは複数のキーワードを含む正規表現を簡単に生成する機能で、セルのフィルタリングなどで重宝する。

　この機能を利用するには、まず［検索］タブのなにもないところをクリックする。すると画面が正規表現の生成モードになり、黄色いテキストボックスと白いテキストボックスが表示される。黄色いテキストボックスへ改行区切りでキーワードを入力し、ダイアログの右側にある［生成］ボタンを押せば、下の白いテキストボックスに入力される仕組みになっており、［入力］ボタンを押すと生成された正規表現が検索ボックスにコピーされた状態で元の検索モードに戻る。なお、なにもせずに元の検索モードへ戻るには、［検索］タブをクリックすればよい。

複数のキーワードを含む正規表現を簡単に生成できる機能。利用するには、まず［検索］タブのなにもないところをクリックする

　そのほかにも、本アドインはGREP検索、GREP置換、シェイプ検索、抽出といった機能も備えており、タブを切り替えることで機能を切り替えることが可能。また、正規表現を利用したオリジナル関数を利用することもできる。