いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】数式を完成させたのに「#NULL!」の文字が! エクセル対策ワザ

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

数式に入力されたセル範囲に共通部分がないと表示される「#NULL!」

 Excelにはセルに「#NULL!」のように表示されるエラー値が7種類ありますが、今回は、数式に入力されたセル範囲に共通部分がないときに表示されるエラー値「#NULL!」について解説します。

 「セル範囲に共通部分がない」と書かれてもピンとこないかもしれませんが、ちょっとした入力ミスで表示されやすいエラー値なのです。

「:」や「,」でなく半角スペースが入力されていると「#NULL!」が表示される

 特定の人が担当するページ数の合計を求める表の例で考えてみましょう。

 セルB10にエラー値「#NULL!」(①)が表示されています。原因を探るために、セルB10の数式を数式バー(②)で確認してみましょう。

 セルB10にはSUM関数の数式が入力されていますが、本来は「=SUM(B5:B7,E5:E7)」と入力されなければなりません。しかし、「,」を誤って半角スペースで入力してしまっています。そのため数式の解が求められずにエラー値「#NULL!」が表示されているのです。

 セルB4に「=SUM(B5:B7,E5:E7)」(③)、つまりは半角スペースではなく「,」を入力し直し、数式の誤りを正しましょう。

 セルB4(④)のエラー値「#NULL!」は表示されなくなり、数式の解が表示されます。

どうして半角スペースが入ると「#NULL!」が表示されるの?

 Excelの数式における半角スペースには「セル範囲の共通部分を返す」という意味があります。次の例では、セル範囲A5:D5(①)とC3:C7(②)の共通部分を求めるために半角スペースを入力し、田中さんの2回目の得点(③)を表示させています。

 今回「#NULL!」の例として最初に表示した数式をもう一度見てみましょう。

 セルB10の数式(④)で「B5:B7」と「E5:E7」の間に半角スペースが入っていますね。もちろん、セル範囲B5:B7(⑤)とセル範囲E5:E7(⑥)は交差しないため共通部分はありません。

 「共通部分がないセル範囲を参照している」と判断されて、エラー値「#NULL!」が表示されたというわけです。

エラー値はミスを指摘してくれるヒント! 有効に活用しよう

 エラー値は、セルに入力した内容にどんな間違いがあるかを教えてくれるヒントになります。どんなエラー値が表示されているかをきちんと把握すれば、直すべきポイントもすぐにわかるということです。

 この連載では、4回にわたって、Excelのエラー値を解説してきました。エラー値が表示されて困っている同僚や友人にアドバイスしてあげられるようになれば、これまで以上に評価もぐんとアップするかもしれませんね!