いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】エクセルのメモ機能は意外に便利!テレワークでのコミュニケーションにも活用できます

Excelの「メモ」機能は意外に便利! 使い方を工夫しよう

 昨今の状況の中で、リモートで仕事をすることが増えたという人は少なくないのではないでしょうか。離れた場所にいる相手とExcelの資料をやり取りする際、意思の伝達がうまくいかずにもどかしく感じることは少なからずあると思います。相手のそばで直接説明できない時は、Excelのメモ機能を使ってやり取りを円滑化してみませんか。

 紙の資料で、注意事項やメモを残したい時、付箋を使って相手に伝えたりしますよね。それと同じ感覚で、Excelにもシートにメモを付けられる機能があります。まさに付箋のような見た目のこの機能は、従来のバージョンでは「コメント」と呼ばれていましたが、Microsoft 365では、「メモ」という名前に変わりました(①)。

 Excelの「メモ」は、機能としてはとてもシンプルですが、使い方次第で案外便利に使えます。今回は、Excelのメモ機能の基本的な使い方と、便利な利用シーンを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

シートにメモを付けよう

 ではまず、「登山同好会 新規メンバー登録フォーム」の例を使って、シートにメモを付けてみましょう。メモを付けたいセルを選択(①)して、[校閲]タブ(②)→[メモ](③)をクリックして表示されるメニューから[新しいメモ](④)を選択します。

 付箋のような形をしたメモ枠が表示されるので、メモの内容を入力します(⑤)。メモの枠はメモを付けたセルと矢印でつながっており、メモが付いているセルの右上には赤い三角形(⑥)が表示されます。

 これで、メモを作成できました。以降の項では、どんな時にメモ機能を使うと便利なのかを見ていきましょう。

【基本編】表内には入れないが、重要なメモを残したい時に便利

 Excelの「メモ」は、表内には入れないけれど残しておきたい重要なメモを入れる場合に使うと便利です。大量にメモを付けてしまうとかえって見づらくなるので、厳選することが重要です。

 では、次の「店舗別集計表」(①)の例を使ってやってみましょう。この表の「前年同期比」を計算する数式をメモとして入力したいという場合を考えてみます。ここでの目的は、業務を担当したばかりの新人にきちんと伝わるようにしたいというものだとします。前年同期比を計算する式は、「売上合計÷前年同期」となり、「前年同期比」列のそれぞれのセルを選択すれば、実際に入力されている数式を確認できますが、メモとして表示されていればより明確で、見逃すリスクも減りますよね。特に今回の例では、目に留まる方がベターなので、メモを作成して式を入力します。

 ではやっていきます。「前年同期比」列の見出しセル(セルH3)(②)にメモを作成して、「売上合計÷前年同期」という式を入力してみましょう。

 先ほどと同様の手順で、メモを作成します。メモを付けたいセル(セルH3)(③)を選択して、[校閲]タブ(④)→[メモ](⑤)をクリックして表示されるメニューから[新しいメモ](⑥)を選択します。

 メモの枠が表示されるので、「【式】売上合計÷前年同期」と入力しましょう(⑦)。

 表の一部がメモで隠れてしまっているので、メモの位置をずらします。メモの枠線上にマウスポインターを合わせるとマウスポインターの形が変わるので、そのまま何も入力されていないエリアにドラッグ(⑧)します。

 これで表の内容を遮ることなくメモを付けられました。シートをパッと見ただけでどのような式が入力されているのかを把握できるので便利ですね。数式の入力されたセルをいちいち選択して確認しなくてもよいので、慣れない新人でも作業がスムーズに進みそうです。

【実は意外と使える編】印刷されたくないものを入力すると便利

 わざわざメモを作成しなくても、備考欄など作成して必要な情報を入力すればいいと思う人もいるかもしれませんが、メモの便利な点は、メモとして入力した情報は、既定の設定だと印刷されないことです。書き留めておきたいけれど、印刷物には反映したくないという時に使うと非常に便利です。

 次の「会員名簿」では、セルH8にメモが付いています(①)が、このメモの内容は既定の設定だと印刷されません。本当に印刷されないかどうか、印刷プレビューを表示して確認してみましょう。

 [ファイル]タブ→[印刷]をクリックして、[印刷]画面を表示してみます。シート上にあったメモは表示されていませんね(②)。このまま[印刷]ボタンを押しても、印刷物にメモは印字されません。

 もちろん、設定を変えればメモも印刷できます。シートに戻り、[ページレイアウト]タブ(③)の[シートオプション]グループの右下にある矢印ボタン(④)をクリックします。

 [ページ設定]ダイアログボックスが表示されるので、[シート]タブ(⑤)が選択されていることを確認します。既定の状態では、[コメントとメモ]欄のリストで[なし](⑥)が選択されています。リストの右横の矢印をクリックして[シートの末尾]か[画面表示イメージ(メモのみ)](⑦)のいずれかを選択します。

 [印刷プレビュー]をクリックして印刷イメージを確認したら、印刷してみましょう。メモの内容も印字されることが確認できます。

Excelの「メモ」を活用して業務を円滑化しよう

 今回は、Excelのメモ機能の基本的な使い方と、便利な利用シーンを解説しました。メモ機能はあまり使い道がない……とスルーしてはいませんでしたか。使い方次第で、仕事が少しラクになりますよ。ぜひ試してみてくださいね。