いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】データ分析の必須テクニック!エクセルでヒストグラムを作成する方法

Excelでヒストグラムを作成できる?

 Excelを使って、さまざまなグラフを作成できることは知っている人も多いと思います。「縦棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフぐらい知っていればいいんじゃないの?」なんて思っていませんか? いいえ、これだけしか使わないなんてもったいないです。Excelではこれらの基本的なグラフはもちろん、ビジネスでのデータ分析に使える統計グラフも簡単に作成できるからです。今回は、知っていると便利な統計グラフのうち、ヒストグラムの作成方法を解説します。ヒストグラムは、品質管理における7つ道具のひとつとされるほど必要性の高いツールなので、知っておくと役立ちますよ(なお、今回解説する方法でヒストグラムを作成できるのはExcel 2016以降になります)。

ヒストグラムって何?

 ヒストグラムって、どんなグラフか知っていますか? 見た目は、縦棒グラフの棒同士がくっついたような形をしており、値の分布(ばらつき)を調べる時に使用されます。データをいくつかのグループ(階級)に分けて、そのグループにどれだけのデータが存在するかを表します。例えば、営業部第一課での営業成績(契約件数)をヒストグラムに作成すると、営業部第一課全体としての営業成績の傾向を見つけることができます。

ヒストグラムを作成しよう

 では、ヒストグラムを作成してみましょう。ここでは、次の「営業成績表(月別契約件数)」のデータを使って、ヒストグラムを作成します。まず、ヒストグラムにしたいセル範囲(B2:B32)(①)を選択します(画面の都合上、すべてのデータは表示されていませんが、実際はセルB32まで値が入力されています)。続けて、[挿入]タブ(②)→[統計グラフの挿入](③)→[ヒストグラム](④)をクリックします。

 すると、シートの中央にヒストグラムが作成されます(⑤)。横軸は階級(グループ化された契約件数)を表しており、縦軸はその階級に属する人数を表しています。作成されたヒストグラムをよく見てみると、棒が4つ表示されており、横軸には、[9,15][15,21][21,27][27,33](⑥)のように数値が並んでいますね。ここでは、「9~15」「15~21」「21~27」「27~33」(厳密には、「9以上、15以下」「15より多く、21以下」「21より多く、27以下」「27より多く、33以下」)という4つのグループ(階級)に分けられたことがわかります。

 このグラフの左端の棒に注目してみましょう(⑦)。横軸の値は[9,15]、縦軸の値は「8」なので、「契約件数が9件以上、15件以下だった人は8人いる」ということを示しています。

 この横軸の階級の幅は、自動的に設定されますが、自分の好みの値に変更できます。見やすいヒストグラムになるように変更してみましょう。横軸のいずれかの値を右クリック(⑧)するとメニューが表示されるので、[軸の書式設定](⑨)を選択します。

 すると、画面の右側に[軸の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。ここで、階級の幅(棒の数)を変更できます。作り立ての状態では、[軸のオプション]の[ビン]欄は[自動](⑩)に設定されているので、これを変更します(「ビン」は「階級」を指します)。

 ここでは、ビン(階級)の幅を5に設定してみます。[軸のオプション]の[ビン]欄で、[ビンの幅](⑪)を選択し、「5」(⑫)と入力し、[Tab]キーを押します。すると、テキストボックスの値は「5.0」のように小数点第一位まで数値が補われ、設定の変更はグラフに反映されます(⑬)。階級の幅が変更され、棒の数も変わりましたね。

 次に、区切りのいい数字でグループ分けするための調整を行います。[軸のオプション]の[ビン]欄で、[ビンのオーバーフロー]のチェックマークをONにし、テキストボックスに「30」と入力します(⑭)。同様に[ビンのアンダーフロー]のチェックマークをONにし、テキストボックスに「10」と入力します(⑮)。値を入力し終えたら、[Tab]キーを押すと、変更がグラフに反映されます(⑯)。テキストボックスの値も小数点第一位まで数値が補われます。

 階級の幅が調整され、読み取り安いグラフになりました。最後にグラフタイトルを変更して、完成です(⑰)。このグラフから、営業部第一課の中で契約件数が10件以下の人は1人、10件より多く15件以下の人は7人、15件より多く20件以下の人は13人、20件より多く25件以下の人は6人、25件より多く30人以下の人は2人、30件より多い人は1人ということが読み取れますね。

Excelでヒストグラムを作成してみよう

 今回は、Excelでヒストグラムを作成する方法を解説しました。Excel 2016以降、Excelで作成できるグラフの種類が増え、ヒストグラムのような統計グラフも簡単に作成できるようになりました。ぜひ一度、試してみてくださいね。