いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】隠しコマンド!?の「フォーム」機能でデータ入力の効率をアップしよう

データを連続して入力する時に役立つ「フォーム」

データベース形式の入力に「フォーム」が便利

 名簿作成など、同じデータを連続して入力する作業は時間がかかります。表の形を整えてあっても、エクセルはデータベースソフトではありません。例えば、一度カーソルキーでアクティブセルを移動していると、[Enter]キーを押したら下のセルに移動しますし、右端で1行の入力が終わっても、アクティブセルは次の先頭には移動しません。[←]キーや[Home]キーをして、アクティブセルを行の先頭に移動して、続きのデータを入力する操作の繰り返しです。

エクセルの表ではカーソルキーでアクティブセルを移動すると、行の末尾で[Enter]キーを押しても、次の行の先頭は選択されず、下のセル(①)が選択されます

 同じ形式のデータを大量に入力する時はテンポ良く作業したいですよね。今回はとっておきの機能「フォーム」を紹介します。1件のデータに必要な項目をカード状のフォームに入力すると表に反映されます。

カード状に表示された項目(②)にデータを入力すると、表の1行に反映(③)されます

 実は「フォーム」の機能は旧来のバージョンからある機能で、長年エクセルを利用している人は見付からなくなって不便に感じているかも知れません。2007以降のバージョンではリボンから呼び出せなくなり、現在では隠しコマンドのような扱いです。しかし、データを次々と入力するデータベース形式の表には有効なテクニックです。まずはクイックアクセスツールバーにボタンを登録してはじめましょう。

[フォーム]機能をクイックアクセスツールバーに登録する

 前述の通り、[フォーム]機能はリボンから呼び出せません。まずはクイックアクセスツールバーに[フォーム]機能を呼び出すボタンを追加しましょう。

[クイックアクセスツールバーのユーザー設定](④)をクリックして[その他のコマンド](⑤)を選択します
[リボンにないコマンド](⑥)をから[フォーム](⑦)を選択し、[追加](⑧)をクリックします。リストは五十音順で並んでいるので、頭文字の「フ」を探すと見つけやすいと思います
[フォーム]が右側のリストに移動した(⑨)ことを確認して[OK](⑩)をクリックします
[フォーム]機能のボタンがクイックアクセスツールバーに追加されました(⑪)

最初の1行は入力しておく

 あらかじめ、最初の1行にはデータを入力しておいてください。表を「テーブル」に変換していない場合、どの項目を「フォーム」とするのか不明というエラーが表示されてしまいます。

1行もデータが入力されていないとエラーメッセージが表示されます。[OK](⑫)をクリックしてメッセージを閉じ、1件目のデータを入力してから操作してください

 1行目のデータの先頭にアクティブセルを移動した状態で操作します。先ほどクイックアクセスツールバーに登録した[フォーム]をクリックします。

1行目のデータの先頭にアクティブセルを移動した状態で操作します。クイックアクセスツールバーに登録した[フォーム](⑬)をクリックします
フォームの画面(⑭)が表示されました
シート名がフォームの画面左上の名称(⑮)として表示されます。入力済みの1行目のデータが表示されています。右上の「1/1」の表示(⑯)は、1件中1件目という意味です

マウスを使わずに快適入力

 入力済みの1行目のデータが表示された状態で「フォーム」の画面が開きます。このまま[Enter]キーを押すと、何も入力されていない項目が表示されます。新しいレコード(行)の項目を入力できる状態です。各項目は[Tab]キーで移動、確定は[Enter]キーです。マウスに触れずに連続してデータを入力できるのは快適ですよね?

1件目のデータが表示されています。[Enter]キーを押します(⑰)
新しいレコード(行)に入力できる状態です。「新しいレコード」と表示(⑱)されていますね
引き続きデータを入力(⑲)して、[Enter]キーを押します(⑳)
入力項目は[Tab]キーで移動できます。入力しない項目があっても[Enter]キーで次のレコード(行)へ移動可能です。ここでは、いったん[閉じる](㉑)をクリックして入力を終了します
あっという間にデータを入力できました

 [新規]のボタンはレコード(行)の新規登録、データの一部を入力して「検索」なども可能です。なお、[Esc]キーを押して入力を中断できますが、その場合は入力途中のレコード(行)もキャンセルされます。新規登録の何も入力されていない画面を表示してから[Esc]キーを押すと確実です。

テーブル機能などとあわせての利用もオススメ

 データベース形式の表を作成する場合、データの絞り込みや並べ替えが便利な「テーブル」に変換することも多いと思います。「フォーム」の機能はテーブルでも利用できるので、あわせて活用してみてはいかがでしょうか。