#モリトーク

嘘から始まった“いもうと”の歴史

(12/04/24)

架空の「いもうとデスクトップ」架空の「いもうとデスクトップ」

 事の始まりは、“ツンデレ”が流行り出した2006年のエイプリルフール。窓の杜のエイプリルフール企画である“窓の社(まどのやしろ)”にて、リモートデスクトップにかけた「いもうとデスクトップ」という架空のソフトを紹介した。記事の内容は、ツンデレの妹キャラがリモート操作を手伝ってくれるという、まったくの嘘であったものの、実際に存在してもおかしくないほどのリアリティもあったため、企画史上最大の注目を集めた。

現実化した「いもうとデスクトップ」v1.02現実化した「いもうとデスクトップ」v1.02

 それから3年後、有志の手により、「いもうとデスクトップ」が現実化することになる。機能はほぼエイプリルフール企画の記事に書かれていた通りになっており、その完成度の高さは発起人である窓の杜編集部でさえも目を疑ったほどだ。しかも、公開日が2009年4月1日のエイプリルフールであったため、同年のエイプリルフール企画と重なり、戸惑った読者も少なくなかっただろう。両記事を見比べてほしいが、有志への敬意を込めて、タイトルから本文まで、可能な限り記事も再現している。なお、現実化後の「いもうとデスクトップ」は一定の役割を終え、2009年6月のバージョンアップを最後に開発が停止している。

「いもうとランチャー」v1.81「いもうとランチャー」v1.81

 それからさらに2年半後のこと、今度は「いもうとデスクトップ」のオマージュソフトである「いもうとランチャー」が登場する。「いもうとデスクトップ」はあくまでも“ネタ”であったが、「いもうとランチャー」はコンセプトを継承しつつも、実用性のあるランチャーソフトだ。開発も活発で、最新版が先週公開されるなど、定期的にバージョンアップしているほか、派生版や補助ツールも公開されている。ちなみに、窓の杜が同じく先週に取り上げた「妹フォント」は両ソフトと関連性はない。

 窓の杜はオンラインソフトを紹介するWebサイトであり、オンラインソフトの開発に関わることは基本的になく、今回取り上げた話も窓の杜は関与していない。しかし、こうしてオンラインソフト文化の一端を担えることは、窓の杜に関わる者の一人として、この上ない喜びを感じる。

(中井 浩晶)