#モリトーク

第121話

「Kinza」のユーザー志向を追う

「Kinza」v1.0.0

 前回の第120話では、ユーザー志向なオンラインソフトの代表例として「Kinza」を紹介した。そこで、「Kinza」が採用したユーザーの要望、つまり実装された機能を振り返ってみたい。

 「Kinza」が初公開されたのは2014年5月であり、RSSリーダー機能を搭載していたものの、“ほぼChrome”という印象だった。それ以降、公式サイトに設置された掲示板で要望を募りながら、月1回ペースのバージョンアップを継続している。

「Kinza」v1.3.0

 大きく進化した最初のバージョンアップは2014年7月公開のv1.2.0。『マウスドラッグによるWeb検索』という要望に応え、“スーパードラッグ”機能が実装された。このとき、その誤動作を防止する仕組みも要望通りに盛り込まれている。

 続く2014年8月に公開されたv1.3.0では同じく要望に応え、マウスジェスチャー機能が追加された。実装するアクションの種類もユーザーと相談しながら決めたようだ。「Kinza」の存在が広く知られ始めたのはこの時期あたりかもしれない。

「Kinza」v1.6.0

 注目すべきは、新機能を実装してもそこで終わらないことであり、実装後も意見を募って改良する。たとえばv1.6.0では、RSSリーダー機能がリニューアル・大幅強化されたほか、マウスジェスチャー機能の動作にはマウスホイールも加わった。さらにv1.7.0では、ロッカージェスチャーも実装されている。

 掲示板の書き込み数から推測すれば、次に追加されそうな新機能はブックマーク用のサイドバーだろうか。初公開から8カ月ほどでここまで進化した「Kinza」には、Webブラウザーとしてだけでなく、ユーザー志向のプロジェクトとしても活躍を期待したい。

(中井 浩晶)