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国産Webブラウザー「Kinza」が開発終了 ~新規のダウンロードは今年末まで

独自機能を実装したコードは無償で公開される

開発が終了した「Kinza」

 Dayz(株)は7月9日、「Kinza」の開発終了を発表した。「Kinza」は「Google Chrome」や「Microsoft Edge」のベースとなっている「Chromium」をもとに、独自のカスタマイズを施した国産のWebブラウザー。RSSリーダー機能を標準搭載しているのが特徴で、2014年5月にv1.0をリリースして以降、スーパードラッグマウスジェスチャーサイドバーBoss Keyといったユニークな機能を拡充させてきた。

 同社によると、開発終了の直接のきっかけは「Google アカウント」と同期するAPIが「Chromium」派生ブラウザーからアクセスできなくなったことだ。これにより「Kinza」の利便性が著しく低下したが、根本的な対策は難しく、このままでは普段使いのWebブラウザーとして成立しないと判断したという。収益面での課題も残されていたとのことで、このタイミングでの開発終了はやむを得ないだろう。

RSSリーダー機能
サイドバーと独自機能の設定画面

 なお、「Kinza」の提供終了は下記のスケジュールで行われる。独自機能を実装したコード(パッチ)は後日無償で公開されるとのこと。開発を受け継ぐ有志がいれば、プロジェクトが継続される可能性もまだ残されている。

  • 2021年7月9日:開発終了のアナウンス発表
  • 2021年7月16日:フォーラムの新規投稿終了
  • 2021年8月31日:Kinzaにて利用しているパッチファイル公開
  • 2021年12月31日:新規ダウンロードの終了、サイトのクローズ

 執筆時現在のバージョンは、5月にリリースされたv6.9.0(Chromium 89.0.4389.128)。それ以降、「Chromium」のセキュリティアップデートが反映されていないので、一般ユーザーの利用は推奨できない。

執筆時現在のバージョンは、5月にリリースされたv6.9.0

ソフトウェア情報

「Kinza」Windows版
【著作権者】
Dayz(株)
【対応OS】
Windows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
6.9.0(21/05/10)