絶対便利! 新定番の無料ツール

文章にまつわる業務の効率が猛烈アップ!多機能テキストエディター「Mery」

 メール返信、企画書や報告書の作成、アイデアのメモ……。ビジネスパーソンにとって、「文章の入力・編集」は欠かせない業務です。こうした業務を効率的にこなすには、文字の入力・編集に特化したテキストエディターが欠かせません。最近では、プログラミング用途に特化したテキストエディターが人気ですが、それらは高機能が故にアプリ自体も重量級です。

 プログラミングはせず、どちらかといえば文章入力がメイン。動作も軽いほうがいい。そんなテキストエディターをほっしている人におすすめしたいソフトが「Mery」です

文字数・行数を決めてきっちり書ける

 文字数がきっちり決まっている文章を書くときに便利なのが、文字数のカウント機能と、折り返し位置を変更する機能です。たとえば、1行の文字数を全角25文字で書きたいなら、画面上部に表示されているルーラーの“50”の位置をクリック(ルーラーの数字は半角の文字数を表示しています。半角50文字=全角25文字)。これだけで、1行を全角25文字で表示できます。

 文書全体の文字数を確認したいときは、[Ctrl]+[A]キーで全体を選択しましょう。すると、画面下部のステータスバーに、文字数と行数が表示されます。なお、気になる箇所の文字数・行数を確認するには、該当部分のテキストを選択するだけでOKです。

ルーラーの“50”をクリックすると、1行の長さが全角25文字分に設定される
文章を選択すると、ステータスバーに文字数と行数が表示される

変換機能で折り返し位置に改行を挿入

 折り返し文字数の設定と組み合わせて使いたい機能が、[選択範囲の変換]メニューの中にある[改行を挿入]コマンドです。この機能を実行すると、選択した文章の折り返し位置に改行が挿入されます。

 メールのように、一定の文字数ごとに改行を入れる文章を書くときは、この機能が重宝します。最初はなにも考えず文章を入力し、最後にこの機能で折り返し位置に改行を挿入。あとは、そのままコピーしてメール入力画面に貼り付ければ、体裁が整った文章ができあがります(もっとも、最近ではそこまでメールの体裁を気にする人はいないかもしれませんが……)。

メニューバーから[編集]→[選択範囲の変換]→[改行を挿入]の順にクリック
選択した文章の折り返し部分に改行が挿入される

 「選択範囲の変換」にはこれ以外にも、アルファベットを大文字・小文字に変換したり、全角・半角に揃えたりすることもできます。全角文字しか受け付けない入力フォームには、この機能で変換した文字をコピー&ペーストすれば、慣れない全角英数字の入力に戸惑うこともありません。

正規表現とGrepに対応する強力な検索・置換機能

 検索・置換機能も充実しています。特に注目したいのが、特殊な記号を組み合わせて、文字列のパターンを表す“正規表現”への対応です(ちょっと中・上級者向けのテクニックではありますが……めちゃくちゃ便利です!)。

 たとえば、“¥1234”という表記を“1234円”に直したいとしましょう。記載された金額がこれだけなら、たいして手間はかかりません。“¥1234”で検索し、“1234円”に置換すればいいのです。しかし、1つ1つ金額が異なる場合は、通常の検索・置換では手に負えず、手作業で修正するしかありません。

 こんなときに便利なのが正規表現です。検索する文字列に“¥(¥d,+)”、置換する文字列に“¥1円”と指定することで、“¥1234”でも“¥100”でも“¥0”でも確実に検索・置換できます。正規表現はわかりづらいところもありますが、慣れればかなり効率的に表記を修正できるようになります。

[正規表現を使用する]にチェックを入れた状態で、検索・置換文字列を入力し、[すべて置換]をクリック
“¥○○”がすべて“○○円”に変換される

 正規表現に興味のある人は、以下のサイトでどんな表記を使うのかご覧いただくと、少しイメージしやすくなるかもしれません。

 この強力な検索・置換機能を、複数ファイルをまとめて串刺しで実行できるのも、Meryの強みです。[ファイルから検索][ファイルから置換]コマンドを使えば、数百個あるテキストファイルやCSVファイルの表記を修正するのも、文字通り一瞬で完了します。

まとめ

 フリーソフトながら、テキストエディターに必要な機能を過不足なく備える「Mery」。シェアウェアの定番「秀丸エディタ」に匹敵する機能を持ちつつ、設定周りも「サクラエディタ」など歴史あるソフトと比べるとシンプルにまとめられており、自分流にカスタマイズするのも容易です。画面や操作もオーソドックスにまとめられているので、使うのに特別な知識は必要ありません。慣れてきたら、少しずつ便利な機能を使ってみればいいのです。

 個人開発ではありますが、アップデートは頻繁に行われており、バグの修正や新機能の追加にも積極的。今後Windowsがアップデートされても、安心して使い続けられそうです。

 初心者から上級者まで満足するテキストエディターの新定番「Mery」。まずはメモ帳代わりに試してみてはいかがでしょうか。