高橋忍のにゃんともWindows

もはやパワポは万能ツール! 「PowerPoint」でラベル印刷する方法

 自宅でラベル印刷をするために、「Microsoft Office」アプリのラベル印刷機能を調べてみました。ラベル印刷のための専用機能を持っているアプリとして、「Microsoft Office」の中では前回紹介した「Word」と「Publisher」があります。

 「Word」は文書作成を主としたアプリだけあって、宛名印刷のための機能が用意されています。ラベルをデザインするよりもテキストで印刷しやすい機能です。住所録などを読み込んで宛名ラベルを作るケースでは「Word」の機能は強力です。

 「Publisher」はDTPソフトだけ合って、雛形をベースにしたページデザインをするのには最適です。1つずつデザインして、複数のラベルを作り、例えば1シートずつ印刷したり、規定の枚数ずつ印刷するといった印刷用の便利な機能が多いです。家庭用で途中まで使ったラベルシートの続きを使って印刷する指定もできるので、家庭で使うにも良いアプリです。

「PowerPoint」でラベル印刷

 今回は「PowerPoint」でラベル印刷をするための方法を紹介します。といっても「PowerPoint」には特別なラベル印刷機能はありません。なので、本当にラベルシートを「PowerPoint」で再現して、印刷するというシンプルな方法でチャレンジします。

用紙を作る

 はじめに「PowerPoint」で新しいプレゼンテーションを作成します。「PowerPoint」標準のプレゼンテーションはどちらかというとPCの画面に合わせた16:9のサイズです。そこでスライドのサイズをA4に合わせます。

 [デザイン]メニューを選択して、リボンの右の方にある[スライドのサイズ]ボタンを押して、さらに[ユーザー設定のスライドのサイズ]を選択します。

 [スライドのサイズ]ダイアログで用紙サイズを指定します。用紙サイズのプリセットにはA4も含まれていますが、このプリセットを使うと正確なA4サイズではなく余白が削除されたサイズになっています。しかしラベル印刷には正確にA4の用紙が必要なので手動でA4のサイズ(21cm×29.7cm)を入力します。

 続くダイアログは最大化でもどちらでもOKです。これで縦長のA4の用紙ができました。画面にあるタイトルやサブタイトルのテキストボックスはいらないので削除してしまいましょう。

テンプレートを作成する

 ではラベルを作るためのガイドとなるテンプレートを作ります。今回も使用するラベルはA4サイズの95面のラベルシートを題材にします(もう少し少ないやつにすればよかった……)。

 [表示]メニューから[スライド マスター]を選択して表示します。

 スライドマスターのページに来ました。これはいわば「PowerPoint」のスライドの下敷きです。左側には様々な形式のテンプレートが予め用意されていて、一番上は基本デザインとなるマスターテンプレートが有り、その下に多数のテンプレートが並んでいます。はじめのテンプレートが選択されているので、これをラベル用に使います。なのではじめにタイトルやページなど全て不要なので削除してしまいましょう。

 ついで2つ目のテンプレートも選択して内容を削除してしまいましょう。2つ空白のテンプレートができたら、残りは不要なのですべて選択して削除してしまいましょう。

 余分なテンプレートがなくなってスッキリしたので、また1つ目のテンプレートを選んで、ここからラベルデザインに入ります。

レイアウトのための基本技

 寸法どおりにラベルのデザインを配置するには、3つの操作を使えるようにして下さい。もちろん図形を作る、色を変える、と言った操作はソレ以前にマスターしておきましょう。

  1. 図形サイズの数値指定
    図形を配置したら、[図形の書式]メニューを選んで、サイズをcm(もしくはmm)単位で指定します。


  2. スナップして並べる
    図形を移動すると、赤いガイドラインが表示され、同じ高さに揃えたり、接するように配置することができます。


  3. グループ化と解除

     複数の図形を選択して、1つのグループとしてまとめます。選択した図形を右クリックしてコンテキストメニューの[グループ化]を選ぶか、[Ctrl]+[G]キーを押してグループ化します。解除する場合はやはりコンテキストメニューから[グループ化解除]を選ぶか、[Ctrl]+[Shift]+[G]キーを押します。


ラベルシートのデザイン

 はじめは左余白と上余白のためのガイドとなる四角を作ります。[挿入]→[図形]→[直方体]を選択肢、画面上で適当なサイズの四角を作ります。これを前述したサイズの数値指定方法で1.35×1.65cmにしてページの左上にスナップし、配置します。

 続けてラベルです。角丸四角形を作りラベルのサイズに合わせて、1.2×3.5cmのサイズに変更して、角においた四角の右下にスナップするように配置します。

 続けて余白です。余白用の四角を作り、0.2×0.2cmにして同じ様に、角丸四角形のラベルの右下にスナップするように配置します。

 ラベルと余白を選択して、グループ化しておきましょう。

 グループ化したラベルと余白を選択してコピー&ペーストで1つ増やします。増やしたラベルグループは元のラベルの右横に接するように配置します。

 同じことを5回繰り返します。

 5つ並べたらすべて選択してグループ化しておきましょう。

 今度は、グループ化した5つのラベルをコピーして、元のラベルグループの下にスナップするように配置します。

 これを縦方向に18段分コピーしてトータル19段のラベルを作ります。実際には18個をコピペして揃えるのはしんどいので、2つ並べたら2段分をコピーして貼り付けて位置調整。続けて4つコピーして貼り付けて位置調整、というようにすると簡単に増やせます。

 最後に、すべて選択([Ctrl]+[A]キー)して、図形の塗りつぶしは[無し]に、枠線は灰色に設定しておきましょう。

 変更が終わったら、[スライドマスター]メニューを選び、リボンの右端[マスター表示を閉じる]でテンプレート作成画面から離脱します。

ラベルのデザイン

 元の画面に戻ってきたら、好きな場所にラベルをデザインします。背景の塗りつぶしや画像などを乗せる場合は、ラベルよりも少しはみ出す様に配置すると印刷時のズレの影響を軽減できます。

 写真などはトリミングをしてサイズを調整し、ラベルの枠と位置合わせをするときは一時的に透明度を増やしておくと合わせやすいです(合わせたら不透明に戻すのを忘れずに)

印刷する

 ラベルを印刷するときには、このラベル枠は必要ありません。なので、テンプレートを2つ目のテンプレートに変更しておきます。左のページプレビューを右クリックして[レイアウト]から2つ目の空白のレイアウトに変更します。

 枠が消えたらいよいよ印刷です。[印刷]メニュー(もしくは[Ctrl]+[P]キー)を表示します。印刷設定のポイントは印刷方法設定のところで、[用紙に合わせて拡大/縮小]にチェックが入っていないことを確かめます。

 あとはプリンターにラベル用紙を入れて印刷するだけです。この様に「PowerPoint」のテンプレートを印刷用のデザインのガイドラインにすることで色々な定形フォーマットの印刷を行うことができます。

ニャンとも ~1つできれば何でもできる

 にゃんこたちにも知っておくと応用できるテクニックがたくさんあります。例えば尻尾の付け根の腰の部分を叩いてやると何故か腰を上げてくるとか、口の枠の方をワシャワシャやってやると喜ぶとか。

 でも、キャットカフェではやってはダメですよ。我が家の猫は触り放題ですがw。