どれ使う?プログラミング教育ツール

順次処理・繰り返し・分岐を学べる無料のプログラミングパズルゲーム「アルゴロジック」

 子ども向けのプログラミングツールには、ゲーム感覚で課題に挑戦してプログラミングの基礎になる考え方に親しむ「ステージクリア型」と、自由な発想でプログラミングで作品作りをする「クリエイティブ型」があります(→詳しくはこちら)。

 今回紹介する「アルゴロジック」は「ステージクリア型」。プログラムの基本となる3つの考え方「順次処理」「繰り返し処理」「分岐処理」にゲーム感覚で慣れることができます。

キャラクターをプログラムで動かして旗を取るのがミッション

 「アルゴロジック」はWebブラウザー上で動作する無料のツールです。現在公開されているのは2020年7月にリニューアルされた新バージョンですが、旧バージョンは、プログラミングツールとしてはかなり早い時代から存在していたので実はけっこうな老舗系ツールです。一般社団法人電子情報技術産業協会が開発していて、旧版はFlashで作られていたためFlashの対応終了に合わせて現在のHTML5版がリリースされました。

アルゴロジックにアクセスしたところ。「アルゴロジック1」と「アルゴロジック2」がある

 「アルゴロジック1」を開くとジュニア問題とチャレンジ問題にわかれていて、それぞれたくさんの問題が並んでいます。最初はとても簡単ですが、少しずつレベルアップしていきます。慣れている人は適当に選んでやってみて、簡単だったら飛ばしながら挑戦してもいいですね!

ジュニア問題の一覧。星マークでレベルがわかる。解いた問題には赤丸のマークがつく。最も少ないプログラム工程でクリアできると二重丸がつく

 これがゲーム画面。キャラクターが旗を取るのがミッションです。右側の矢印などのブロックをドラッグして並べてキャラクターの動きをプログラミング! STARTボタンを押してキャラクターを動かしてみて、無事に旗を取ることができればクリアです。

一番最初の問題。「前進」ブロックを3個置けばクリア! しかしこれだと最短工程ではない。「前進」ブロックを1個だけおいて数字を3にすると最短工程工程でクリアできる。画面下部のヒントをチェックしよう

斜めに動けるなど独特な動かし方のルール

 「アルゴロジック1」は、キャラクターを動かすプログラムのルールがちょっと独特な部分もありますが、ルールはツールごとに違うものなので、すぐに慣れるでしょう。他の「ステージクリア型」のツールに慣れている人ほど一瞬戸惑うかもしれません。

軌跡は線で示される。手順が少し独特で、向きを変えてから前進ではなく、矢印の向きに絶対的に進む
斜めに動かすことができるのがちょっとトリッキー。向きを変える回転ブロックを使うこともできるし、「前進2」「右に進む2」とブロックを横方向に並べて組み合わせると斜めに進む

「アルゴロジック1」では「順次処理」と「繰り返し処理」を学べる

 「アルゴロジック1」では「順次処理」と「繰り返し処理」を使う問題が出てきます。「繰り返し処理」はいかに効率よく繰り返すパターンを見つけるかが勝負。

繰り返しも記号だけで表現。文字は出てこない

「アルゴロジック2」では「分岐処理」の問題も!

 「アルゴロジック2」は、「順次処理」と「繰り返し処理」に加え「分岐処理」も扱います。ブロックのスタイルが「アルゴロジック1」とは違い、ブロックの役割が文字で表現されています。また、キャラクターを動かすプログラムのルールも、より一般的で斜め移動などはできません。

「アルゴロジック2」の「分岐処理」を使う問題

 紹介したのは簡単な問題ばかりですが、だんだんレベルアップしていくので頭をひねって挑戦する問題が増えていきます。いったんクリアできても、最短工程にするために再チャレンジしたくなることも。パズル感覚で、プログラミング頭のウォーミングアップになるでしょう。気軽に試せますから、隙間時間にチャレンジしてみては?

 2020年度から小学校でプログラミング教育が実施されています。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。