週末ゲーム
第572回
フリーの本格戦争シミュレーション「World at Arms - Wage war for your nation!」
世界秩序に挑戦する悪の枢軸“KRA”を滅ぼし、世界に自由と民主主義を回復せよ
(2014/9/19 11:00)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、Windows ストアアプリとしてリリースされているフリーの本格戦争シミュレーションゲーム「World at Arms - Wage war for your nation!」を紹介しよう。
核攻撃で破壊された基地と軍隊を再建し、世界を守れ!
本作の舞台は、世界で最も凶悪なテロリスト集団“KRA”が、自由世界の壊滅を狙ってアメリカに核戦争を仕掛けた近未来。自由と民主主義の敵を世界から一掃し、アメリカの覇権を再び確立するのが、司令官に任命されたプレイヤーのミッションだ。
プレイヤーに課せられた役割は、壊滅した基地および軍隊の再建(内政)と、その戦力を活用して敵勢力に対して勝利を収めること(戦争)の2つに大きく分けられる。以前、窓の杜でレビューした「キングダム&ロード」と基本的なシステムは同じなので、やったことがある人ならばすぐに馴染めるだろう。
バランスよく施設を建設し、戦いに備える
何はともあれ、まずは基地を再建する必要がある。基地の領域を広げ、さまざまな施設を建設し、資源を増やし、軍隊を充実させていこう。
まず最初に建設するのは、“収入施設”だ。住居や食堂、病院などの収入施設は、定期的に“コイン”を算出する。施設の上に“コイン”アイコンが現れたら、タップして回収しよう。特別な施設“税務署”を建設すると、管轄内の施設から“コイン”を一斉に、効率よく徴収できる。
この“コイン”は、本作でもっとも基本となる資源で、施設の建設やユニットの生産、基地の拡張など、ありとあらゆる局面で必要となる。収入施設から徴収する以外にも、基地内をうろうろしている戦闘車両ユニットや、上空を飛んでいる戦闘機ユニットをタップすると“コイン”や経験値が回収できることがある。また、基地に投下されるクレート(木製のコンテナ)を回収することでも入手可能。はした金だが、塵も積もれば山となる。見つけたらこまめに回収しておくとよいだろう。
十分な“コイン”を獲得できたら、“軍事施設”や“石油施設”なども建設しよう。軍事施設は軍事ユニットを生産するための施設で、石油施設は出撃に必要な“石油”を生産・備蓄するための施設だ。“石油”の回収は、収入施設から“コイン”を徴収するのと同じ要領で行えるが、備蓄量に限りがあるのが“コイン”と異なる点。“石油”の生産を行う“油井”“油田”をたくさん建設すれば燃料の回復速度は向上するが、“石油貯蔵庫”などの備蓄設備を整えておかなければ貯めておくことができず、大量に生産した石油が無駄になったり、出撃するたびに石油の備蓄を待たなければならなくなる。自分のプレイスタイルに合わせて、バランスよく建設しよう。
そしてもう一つ忘れてはならない重要な資源が“エネルギー(電力)”だ。あらゆる施設は維持に“エネルギー”が必要で、足りない場合は施設の新規建設が不可能となる。計画的に“風力発電所”や“地熱発電所”を建設して、“エネルギー”の供給量を確保しておく必要があるだろう。
これらの施設やユニットの多くは、経験値を貯めてレベルを上げることで解禁され、建設や生産が可能となる。また、施設の建設やユニットの生産、基地の拡張には、完了までに一定の時間がかかるので注意。この所要時間は“勲章”を消費することで短縮することも可能。そのほかにも、特殊なユニットを手に入れたり、破壊されロストしたユニットの再生や傭兵の雇用に必要となる。“勲章”はクエストを達成した時の報酬としてもらえる場合があるが、それ以外はゲーム内課金で購入する以外に方法がない。本作は課金アイテムを購入しなくても十分楽しめるが、“勲章”に関しては入手経路が限られているので、くれぐれも慎重に使ってほしい。
また、施設の移動は[メニュー]-[編集]コマンドからいつでもコストなしで行える。施設の売却も可能なので、土地が足りなければ既存の施設を売却して、土地効率のよい施設に建て替えるとよい。
シナリオモードの戦闘に挑戦して、戦い方を学ぶ
さて、基地の整備が一段落したら[メニュー]-[チャプター]を選択し、“KRA”を追い詰めるシナリオに挑戦しよう。本作は陸戦、海戦(潜水艦戦)、空戦の3つが楽しめるが、初期のチャプターは陸戦の戦い方が学べるチュートリアルになっている。海戦・空戦も基本は同じなので、ここでしっかりマスターしておこう。
本作の戦闘は一見、部隊を編成させた後はオートバトルで結果を待つだけに見えるが、若干のアクション要素も取り入れられており、一筋縄にはいかない。
基本となるのは、もちろん相手よりも強いユニットを揃えることだ。陸戦では歩兵と装甲車が利用可能で、攻撃に秀でたもの、防御に特化したもの、バランスのよいもの、コスト重視のものが取り揃えられている。強い上級ユニットを生産するには一定のレベルが必要だが、弱いユニットでも2つを1つに“合成”することにより最大5段階まで強化することが可能。“コイン”の出費は痛いが、より強いユニットが解禁された上位レベルのプレイヤーを倒すには必要になるかもしれない。
また、ユニットにはそれぞれ適性が設けられている。適性は“ナイフ”“銃”“手榴弾”の3つ(ほかに万能の“星”がある)があり、それぞれじゃんけんのように三すくみの関係になっている。うまく敵の適性の弱点を突いた編成にすれば、多少の戦力差ならひっくり返せるかもしれない。逆に言えば、最強のユニットばかり量産するのも考え物。あらゆる状況へ柔軟に対応できるよう、各適性のユニットをまんべんなく揃えておきたい。
最大6つのユニットを戦場に配置し[Start]ボタンを押せば、いよいよ戦闘の開始だ。戦闘は基本的に自動で行われるが、敵が放つミサイルを撃ち落したり、砲弾を避けたり、味方ユニットのエネルギーが溜まったらタップして発射したりとなかなか忙しい。戦場に転がっているクレートを回収したり、ドラム缶を爆破して敵ユニットを吹っ飛ばすと戦闘を優位に進められる。
逆に、戦力が劣勢であってもすぐに絶望する必要はない。敵が使ってくるミサイルや爆弾は、プレイヤー側も利用することが可能。“兵器工場”であらかじめ開発したミサイルや爆弾、煙幕、ガス、救急箱を活用すれば、圧倒的な戦力差を覆すことも夢ではない。ここぞという時に惜しみなく投入したい。また、NPCの傭兵を雇ったり、後述する派閥の仲間や同盟プレイヤーに援軍をお願いすることで戦力差を縮めることもできる。
なお、ユニットには寿命が設定されているので注意。寿命は戦闘の終了後に10ポイント減る。もし撃破された場合はより多くのポイントを失い、もし0であったなら完全に失われる(ロスト)。入手困難なユニットは“勲章”で復活させることもできるが、たとえ優位な戦いであっても油断せず、味方の損耗を減らすためにも効率よく戦闘を進めたいものだ。
ソーシャル対戦で腕試し!
さて、本作のもうひとつの大きな楽しみはソーシャル対戦だ。他のプレイヤーに勝負を挑み、腕試しをすることができる。戦闘に勝利し、相手の基地を略奪できれば“コイン”を稼ぐことも可能。他の基地を侵略するのは多少心苦しいが、悪の枢軸を駆逐し、自由と民主主義を回復するためならば致し方ない。心を鬼にして、敵の施設から“コイン”をがっぽり巻き上げよう。また、ソーシャル対戦では一部ユニットの生産に必要な“ハート”が得られる。“KRA”との戦いを優位に進めるためにも、ソーシャル対戦は避けて通れない。
ソーシャル対戦を行うためには、ホーム(基地)画面の[FIGHT!]ボタンを押す。すると世界地図が現れ、対戦相手を選択できるようになる。対戦相手の中には賞金がかけられた賞金首もいる。どうせ戦うならば、高い賞金のついた相手が狙い目だ。
このソーシャル対戦では初期のシナリオモードには登場しない、空戦や海戦も解禁される。空戦や海戦も、陸戦と仕組みはほぼ一緒。陸海空、相手の苦手な戦いを選択し、戦闘を優位に進めよう。とくに序盤は空戦・海戦に対する備えがまだできていないプレイヤーが多い。早めに戦闘機や潜水艦を揃えれば、連戦連勝は間違いなしだろう。
戦闘に勝利すると、“石油”を追加消費することで相手の基地を略奪できる。多くの“コイン”を生産する施設ほどより多くの“コイン”を略奪できるので、施設にカーソルを合わせて収益を確認しながら優先的に狙っていこう。万単位で“コイン”を入手できる場合も少なくないので、ちまちまと“収入施設”のアガリを待つよりもこちらの方が手っ取り早く稼げる。
ただし、あんまり調子に乗っていると、他のプレイヤーに目を付けられて逆に基地を攻撃されたり、懸賞金をかけられてしまうこともあるので注意しよう。“シールド”を購入すれば、一定時間略奪を防止することができる。
こうしてプレイヤー相手に勝利を重ね、“栄誉”ポイントを稼いでいくと、階級と“ディビジョン”が上がっていく。“ディビジョン”は上がれば上がるほど、もらえる報酬も増えるので、1つでも上の“ディビジョン”を狙いたい。
派閥に潜り込んで、美味しいイベント報酬をゲットしよう
先ほど早いレベルで強力な航空ユニットや潜水艦ユニットを入手できれば戦闘を優位に進められると紹介したが、実際にはどのようにすればいいのだろうか。まず“ショップ”で“勲章”を消費し、ユニットを手に入れるという手が考えられる。しかし、あまり課金アイテムを購入せずに楽しみたい場合には避けたい手段だ。
お勧めは、イベントに参加してその報酬としてユニットをゲットすることだろう。イベントにはソロで参加できるソロイベントと、派閥単位で参加する派閥イベントの2種類があるが、派閥イベントの方が報酬がよく、また自分の基地が非力でも、派閥全体の活躍で報酬が得られる可能性がある。
派閥にはクローズ、承認、招待、オープンの4種類がある。筆者は見ず知らずの人とのコミュニケーションが苦手なので、まずは誰でも入れるオープン派閥に潜り込んだ。そこで援軍を送り込んだり、戦闘に参加しているうちに、運よくイベントの報酬で強力な潜水艦ユニットをゲット。海戦ユニットの揃っていないプレイヤーを狙い撃ちすることでかなりの“コイン”を獲得し、派閥のナンバー2にまで上り詰めることができた。現在は、とある中堅派閥からの参加招待を受けたので、これまで所属していた派閥を裏切り、その招待制派閥に参加している。より大規模で活発な派閥に参加する方が、より魅力的なイベント報酬にありつける。
どこかで見たことがあるような人型決戦兵器“プロメテウス”
また、“勲章”を100個貯めて“プロメテウス”を解放するのも有力な手段だ。
“プロメテウス”は陸戦と空戦で活躍できる人型兵器で、1回の戦闘につき1回だけ、破壊力抜群のナパーム弾を発射することができる。また、“プロメテウス”に寿命は設定されておらず、ロストすることがない。さらに“プロメテウス”は“コイン”と“ハート”でグレードアップさせていくことが可能。これさえあれば“プロメテウス”を持たないプレイヤーに対してかなり優位に立つことができる。
ただし、“プロメテウス”の運用には通常戦力とは桁違いの“石油”が必要となるので注意しよう。
注意点
なお、編集部にて試用したところ、一部環境でローディングが22%で停止してしまうことが多々あった。これはアプリケーションを一度完全に終了し(キーボードの場合は[Alt]+[F4]キー、タッチやマウス操作の場合はアプリケーションを画面上端から画面下端へドラッグし、画面の回転エフェクトが出たら放す)、再度起動を試みるとよいようだ。
また、本作のファイルサイズは1GB近くになる(筆者環境では926MB)。空き容量不足には注意しよう。
ソフトウェア情報
- 「World at Arms - Wage war for your nation!」
- 【著作権者】
- Gameloft
- 【対応OS】
- Windows(x86, x64, ARM)(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(アプリ内課金あり)
- 【バージョン】
- 2.1.0y