週末ゲーム

和風対戦格闘ゲーム「妖~あやかし~第二幕 完全版」

対戦の駆け引きや作り込まれたストーリーが楽しい格闘ゲーム

(09/08/21)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、妖怪同士が戦う和風の対戦格闘ゲーム「妖~あやかし~第二幕 完全版」を紹介しよう。

緊迫感のある駆け引きを楽しめる対戦格闘ゲーム

攻撃を受け流して即座に反撃できる“見切り”が楽しい攻撃を受け流して即座に反撃できる“見切り”が楽しい

操作できる妖怪は猫又や鬼、カラクリ人形など5キャラクター操作できる妖怪は猫又や鬼、カラクリ人形など5キャラクター

 「妖~あやかし~第二幕 完全版」は、真横から見た2Dのフィールドで、“猫また”や“鬼”など人型のあやかし(妖怪)を操作して1対1の戦いを繰り広げる対戦格闘ゲーム。受け身、投げ抜け、見切りなど、相手の攻撃を受け流すようなシステムが充実しており、緊迫感のある駆け引きを楽しめる。

 本作は、2005年に公開された「妖~あやかし~」の続編で、一部のキャラクターが引き継がれている。舞台は大正時代から現代へと移り変わり、新たな事件が描かれるのだ。ちなみに、前作はマルチエンディングだったが、続編制作にあたり1つの物語へとまとめられている。そのためキャラクターによっては前作のストーリーの一部展開が変更されたことになっており、変更点は作者のWebサイトでフォローされているので、前作からのファンはチェックしておこう。

 プレイヤーが操作できるのは、前作で伝説の大妖“九尾の狐”を倒した猫又の“神田コマ”、鬼の一族“塚山市丸”、前作では土蜘蛛だったがコマに倒され、カラクリ人形として復活した“銀糸(しろがねいと)”、鵺(ぬえ)と呼ばれる大妖だが見た目は可愛い女の子の“椛(もみじ)”、人間の手によって家族を失った悲劇のあやかし“閑(しずま)”の5人。

 ゲームモードはCPUと対戦する1人用モードと対人対戦が用意されており、1人プレイでは物語を進めながら対戦していく“物語”モードと、ひたすら全キャラクターと戦うモードを選択可能。基本ルールはオーソドックスで、2勝すると敵を倒したことになり、次の対戦へ進むことができる。プレイヤーが2敗するとゲームオーバーだが、コンティニューは無制限に可能なので、何度でも挑戦が可能だ。

5人のあやかしたちが織りなすストーリーにも注目

“物語”モードのストーリー展開も大きな見どころだ“物語”モードのストーリー展開も大きな見どころだ

 メインとなるは、1人用の“物語”モード。ユニークなのは、1人のキャラクターをずっと操作するのではなく、ストーリーに沿って使用するキャラが変化していくこと。たとえば、第一話、第二話は神田コマ、第三話、第四話は塚山市丸を使って戦っていく。椛はなぜ狙われているのか、塚山市丸が背負った使命とは、など段々と明らかになっていく各キャラの事情が面白い。なお、セーブ機能は搭載されていないが、ストーリーの合間に物語を途中から再開するためのパスワードが表示されるので、それをメモしておけばOKだ。

 操作はキーボードのほかゲームパッドにも対応しており、それぞれ割り当てを自由にカスタマイズできる。操作内容は格闘ゲームとして基本的なもので、左右移動とジャンプ・しゃがみ、パンチ・キック・強攻撃という3タイプの攻撃、相手と逆方向へ移動ボタンを入れてガード、移動ボタンの連続押しで前後へのステップ移動など。このほか、相手に密着して左右の移動ボタンとパンチ、キックボタンを同時に押すと投げになる。

 各キャラには特定の操作で繰り出せる“丙種必殺技”が用意されている。必殺技は、飛び道具や投げ技、ワープなど実に多彩だ。とはいえ、発動時にスキができる技も多いため、通常技とうまく組み合わせることが大切。このほか、相手に攻撃を当てることで増えていく“妖気ゲージ”を消費することで、威力の非常に高い“乙種奥義”や“甲種最終奥義”を繰り出せる。

必殺技は飛び道具に投げ技、ワープなど実に多彩必殺技は飛び道具に投げ技、ワープなど実に多彩

一発逆転が狙える“甲種最終奥義”はどれもド派手一発逆転が狙える“甲種最終奥義”はどれもド派手

 さらに、妖気ゲージの消費によって、必殺技の威力を高めたり攻撃力を2倍にする代わりに受けるダメージが1.5倍となる“妖気開放”を発動できる。戦いを進める上で非常に重要となるゲージなので、溜まり具合は定期的にチェックしておこう。

駆け引きを熱くする“見切り”システム

ギリギリの見切りで発生する“逢魔が刻”を狙おうギリギリの見切りで発生する“逢魔が刻”を狙おう

 このゲーム最大の特色であり対戦の楽しさにつながっているシステムが“見切り”だ。これは、見切り用のボタンを相手の攻撃に合わせてタイミングよく押すことで、攻撃をさばいて即反撃できるテクニック。腰から上の攻撃に対して有効な“上段見切り”と、ローキックなど腰から下の攻撃に有効な“下段見切り”があるほか、見切りをギリギリで行うことで周囲の時間の流れが遅くなる“逢魔が刻”が発生。背景が赤く染まり、相手の動きが遅くなるため、奥義などを当てやすくなる。発生中は、必殺技と奥義の威力がアップするオマケつきだ。

 自分がダウンし、身体が白く光ったときに発動できる“受け身”も覚えておきたい。方向キーと見切りボタンを押すことで、方向キーを押した方向へ身体を回転させて移動する“移動起き上がり”、見切りのボタンを単独で押すことで真上に飛び上がって体勢を整える“反撃起き上がり”の2種類がある。相手の位置や状況に合わせて使い分けよう。

 攻撃面のシステムも充実している。まず、便利なのが各キャラに設定されている“ロジカルコンボ”。キャラによってコマンドの入力方法は異なるが、どれも手軽に連続技を出せるというもの。一発目がガードされずに決まったら、バシバシと攻撃が入るので爽快感がある。大ダメージを与えられるので積極的に使おう。このほか、必殺技や投げのなかには起き上がり時やジャンプからの着地時に発生するスキをキャンセルできるテクニック“リバーサル”を発動できるものがある。敵の追撃を防ぐのに重要なので、各キャラのリバーサル可能な技を把握しておきたい。

“反撃起き上がり”などダウン後の動作も勝利には重要“反撃起き上がり”などダウン後の動作も勝利には重要

“ロジカルコンボ”を使えば手軽に連続攻撃が決まる“ロジカルコンボ”を使えば手軽に連続攻撃が決まる

 本作は、戦いの駆け引きが非常に楽しい対戦格闘ゲームだ。ミドルキックなど、出が早くリーチの長い攻撃で相手を牽制したり、攻め込んでくる相手を見切りで反撃したりと、リアルな格闘技のような気分が味わえる。もちろん、あやかし同士の戦いなので独特の必殺技の応酬も面白いが、それ以上にいかに相手の攻撃を潰し、かわして反撃していくかを考えるほうが楽しく、そして戦いを有利に進められると感じた。派手さとコンボばかりの格闘ゲームに飽き気味という人にピッタリではないだろうか。ストーリーも練り込まれており、じっくりと遊びたい1本だ。

【著作権者】
物怪工房
【対応OS】
Windows 95/98/Me/2000(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.000(09/07/22)
【ファイルサイズ】
257MB

(芹澤 正芳)