週末ゲーム

水彩イラストが印象的な3DダンジョンRPG「ロマンピースを探して」

お手軽ながらほどよい戦略性も。自由に選んだ仲間と冒険しよう

(12/02/24)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、水彩風のグラフィックが印象的な3DダンジョンRPG「ロマンピースを探して」を紹介しよう。

ロマンピースの欠片を求める女冒険家の物語

財宝を求めて冒険する3DダンジョンRPG財宝を求めて冒険する3DダンジョンRPG

主人公ドレスが求めるのは魔法の絵“ロマングラム”の欠片である“ロマンピース”主人公ドレスが求めるのは魔法の絵“ロマングラム”の欠片である“ロマンピース”

 「ロマンピースを探して」は、剣術が得意な女冒険家“ドレス”となり、魔法の絵の欠片“ロマンピース”を求めて冒険するファンタジー3DダンジョンRPG。若くして亡くなったドレスの父親から譲り受けたロマンスピースは、7つ集めると“ロマングラム”という1枚の絵になるという。その完成を目指すのが最大の目的だが、冒険を進める中では護衛や人捜しなどさまざまシナリオ(クエスト)が発生。一緒に冒険する仲間を自由に選べる点や、テンポよく展開するシナリオでプレイヤーを飽きさせないのが魅力だ。キャラクターや背景が水彩風のグラフィックなのも特徴となっている。

 仲間にできるのは、出生に謎がある魔法使いの少女“シャーロット”、ドレスと仲良しで弓の扱いに長けた女性“ローズマリー”、ドレスの幼なじみの青年で考古学好きの魔法使い“リード”、騎士になるのが夢の熱血漢“ジョー”、氷の魔法も使える少年剣士“オリオン”など多彩なメンバーとなっている。能力がそれぞれ異なる以外に、シナリオをこなしていく中でのセリフに性格が反映されているのが見どころ。たとえばローズマリーはイケメン好きなので容姿についてのコメントが多く、正義感が強いジョーは男らしいコメントが中心となる。

連れて行く仲間は街などで自由に入れ替えが可能だ連れて行く仲間は街などで自由に入れ替えが可能だ

連れている仲間によってコメントが変化するのも楽しい連れている仲間によってコメントが変化するのも楽しい

 ゲームの画面は、ワールドマップは地図上で移動場所を選択する方式、街はアドベンチャーゲームのようにメニューで場所移動や会話などをする方式となっている。ゲームの流れは、街にいる人々に話を聞くとシナリオが発生し、シナリオに設定された目的をクリアしていくというもので、シナリオの内容は悪魔の退治、護衛、遺跡の探索などさまざまだ。

 そして、シナリオが発生すると地図画面に新たなダンジョンが加わり、そこに移動すると3Dダンジョン画面へと切り替わる。内容が悪魔の退治なら、奥深くにいる悪魔を倒せばシナリオクリアだ。シナリオの多くは報酬がもらえるので、それを元に新たな武器や防具が買えるというわけだ。

地図画面にはダンジョンの難易度が星印で表示されるのでわかりやすい地図画面にはダンジョンの難易度が星印で表示されるのでわかりやすい

 面白いのは、シナリオが発生してもすぐにクリアする必要はないこと。どのシナリオからクリアするかはプレイヤーが決められる。面白そうな内容のものからこなしていくのもいいだろう。ちなみに、地図画面ではダンジョンの難易度が星の数で示される。レベルが低いうちは星の数が多いダンジョンを避けるのも手だ。なお、強制的にダンジョンへ連れて行かれ、戦闘になるシナリオも存在している。

 ダンジョン探索で重要となるのが“カード”の存在だ。カードは体力の回復、敵全体へのダメージ、敵との遭遇の回避といった便利な効果をもつ消費アイテムで、街のお店で買ったり、ダンジョンで拾ったり、敵を倒すことで入手できる。序盤では、ダンジョン内で手に入れたカードを売ってお金を稼ぎ、武器や防具を買うというのも定石だ。

1回の探索でカードが使えるのはたったの5回

一度通った場所は自動でマッピングされる一度通った場所は自動でマッピングされる

 ダンジョンは移動すると自動的にマッピングされ、一度移動した場所はいつでも確認できる。また、ダンジョンではいつでもセーブでき、どの場所からも脱出が可能。ダンジョンから脱出すれば体力は全快するので、ピンチを感じたら脱出し、再チャレンジも簡単にできる。その一方で、手軽に脱出できるだけにダンジョンでは大きな制約もある。それは、カードは1回の探検で5回までしか使えないという点だ。

 体力の回復は原則的としてカードに頼るしかなく、仲間の体力は全体的に少なめ。カードの使用回数がゼロになったらダンジョンを脱出したほうが賢明だ。なお、ダンジョンによっては体力とカードの利用回数が回復する場所が用意されている。

戦闘はコマンド選択型のターン制。行動順は数字で示される戦闘はコマンド選択型のターン制。行動順は数字で示される

 戦闘はランダムエンカウント方式。コマンド選択型のターン制で、行動順は毎ターンごとに決められる。行動順にはキャラクターごとに設定されたすばやさのステータスが影響し、敵・味方が入り交じった順番になる仕組み。行動順はキャラクターごとに常に数字で表示されるのでわかりやすい。敵に行動順が回る前に倒すなど、行動順をからめた駆け引きが楽しめる。

 戦闘で重要となるのが力を溜める“チャージ”だ。チャージを行うと防御力が上昇、攻撃や魔法といったアクションが必ず敵に命中、チャージ状態でしか使えない強力な技を出せるといったメリットがある一方で、行動順が遅くなるというデメリットをもつ。チャージ状態でチャージするとさらに行動順は遅くなるが、この状態でのみ使用できる超強力な技も存在する。

 このほか大切なのは隊列。前衛と後衛があり、剣などの近接攻撃は前衛からしか敵に届かない。これは敵も同じことで、近接攻撃のほとんどは前衛にしか届かない。そのため、前衛には防御力の高いキャラクターを配置するのが基本だ。後衛は敵から近接攻撃が届かない代わりに、攻撃手段が魔法や弓などに限られる。

 面白いのが“クリティカル”と“スタン”だ。クリティカルは与えるダメージを大きくするもので、行動順が1番目と7番目のキャラクターには発生する確率が高くなるボーナスがつく。敵・味方ともクリティカルを受けた場合、必ずそのターンは動けなくなるスタン状態となるのもポイント。さらに、スタン状態で攻撃を受けると高確率でクリティカルとなる。つまり、まずは攻撃力が低くてもいいのですばやさが高いキャラクターで強敵にクリティカルを当ててスタン。あとは攻撃力の高いキャラクターでさらにクリティカルを狙う、という戦術が戦闘では有効になる。スタンを発生させる技もあるので有効活用していきたい。

選択肢によってシナリオの展開が変化することも選択肢によってシナリオの展開が変化することも

 クリアまで6~8時間程度とボリュームは多くないが、シナリオの展開がテンポよく仲間の入れ替えも簡単にできるので、連れていくキャラクターを変えて何度もプレイし、会話の変化などを試したくなる。ダンジョンの攻略もいつでも脱出できるので、それほど難易度は高くない。お手軽に冒険気分が味わえる良作だ。

【著作権者】
ノリ 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(12/01/21)

(芹澤 正芳)