週末ゲーム

第565回

2D縦スクロールシューティングゲーム「WOLFLAME」

3種類の武器を使い分けて軍事基地を破壊せよ!

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、3種類の武器を使い分けて戦うのが楽しい硬派な2D縦スクロールシューティングゲーム「WOLFLAME」を紹介しよう。

 本作は同人ゲームとして頒布されており、執筆時現在はダウンロード販売サイトやAmazonなどの通販、委託販売店で購入可能。体験版も公開されている。

わずかな戦力で奪われた施設を取り戻す戦いに出発

硬派な2D縦スクロールシューティング。難易度は高めだ

 「WOLFLAME」は、全10ステージのクリアを目指す2D縦スクロールシューティングゲーム。数多くの硬派なシューティングゲームを手がけている同人サークルASTRO PORTの最新作で、重厚かつ殺伐とした渋さ爆発のグラフィックと雰囲気は本作でも健在だ。

 3種類の武器とボムでひたすら敵機を倒していくというわかりやすいゲーム進行ながら、地上からは戦車や砲台、空中からは大小さまざまな戦闘機が登場し、範囲の広い弾、速度の速い弾、追尾する弾など多彩な攻撃を仕掛けてくる。一度でも敵弾に当たるとミスになってしまうため、常に緊張感をもってプレイできるのが魅力だ。難易度は高めだが4段階に調整ができるほか、コンティニュー回数に制限もないため、シューティングゲームが苦手な人も楽しめるようになっている。

 舞台となるのは、地球人の住む惑星“シグ・フィルドニア”。2005年に異星人“アドリー人”の艦隊による奇襲攻撃を受けて、軌道上の“TDF(地球防衛軍)艦隊”が壊滅。アドリー人は惑星の施設を奪い、軍事基地へと変えていく。地球からの救援艦隊が撃退される中、シグ・フィルドニアの地上に残されたTDF部隊は、わずかな戦力で捨て身の反攻を開始する……というのがストーリーだ。プレイヤーはTDF部隊のプリニウス級コルベット“シーボルト”を操り、アドリー人の戦闘機や戦車と戦うことになる。この世界観はASTRO PORTの他の作品とも繋がっているので、気になる人は公式サイトをチェックしてみるといいだろう。

セーブ機能の搭載によりじっくり攻略することが可能

 本作最大の特徴と言えるのが、“サテライト”と呼ばれる3種類のオプション兵器だ。サテライトは、特定の敵(アイテムキャリア)を撃破すると出現する3色のパワーアップアイテムを獲得することで自機の左右いずれかに配置される。左右のどちらに配置されるかは、アイテムに描かれた矢印で決まる仕組み。左向きの矢印が描かれたアイテムを取れば、自機の左側にサテライトが追加されるといった具合だ。パワーアップアイテムは、獲得するほどレベルが上がっていき攻撃範囲などが強化される。

 赤のアイテムは、直線的な攻撃の機関砲と敵機を自動追尾する誘導弾のサテライト、緑のアイテムは、貫通力があり威力も高いが直線にしか飛ばないレーザーのサテライト、青のアイテムは、貫通力があり耐久力の高い敵機は破壊するまでロックオンし続ける追尾型レーザーのサテライトがそれぞれ追加される。左側はザコ敵を倒すのに便利な赤、右側は耐久力の高い大型の敵機を倒すのに有効な緑など、サテライトを組み合わせられるのが面白い。もちろん、両方同じ色のサテライトにしても構わない。

アイテムに描かれた矢印の方向にオプション兵器“サテライト”が加わる
赤のサテライトは、直線的な攻撃の機関砲と自動追尾する誘導弾を発射する
緑のサテライトは、直線にしか飛ばないが威力の高いレーザーを発射
青のサテライトは、ロックオンした敵機を破壊するまで撃ち続ける
到達したステージとその時点でのサテライトの装備状態をセーブしておける

 また、10ステージとボリュームが多いこともあり、シューティングゲームとしては珍しくセーブ機能が用意されているのも特徴。セーブは、到達したステージとその時点でのサテライトの装備状況が記録される。セーブしたステージの最初から、強い装備のまま再開できるのが大きな強み。サテライトのレベルを最大までアップさせるのは大変なだけに、とりあえずのクリアを目指すならば、ステージごとにセーブをしておきたい。

サテライトの使い分けが攻略のカギ

ボムは敵機に大ダメージを与え、敵弾も消すのでピンチの回避に役立つ
ステージの最後には大型のボスが待ち構えている

 ピンチの脱出、そしてステージの最後に待ち構える巨大なボスに対する切り札と言えるのがボムの存在だ。ボムの効果範囲は画面全体ではなく、発射した場所の周囲だけと限られているが、敵機に大きなダメージを与えるのに加えて敵弾を消す効果もある。ステージ道中では避けきれないほどの敵機と敵弾に囲まれた時の緊急回避、ボス戦ではボスの中心部にボムを投入することで攻撃を封じつつ大ダメージを与える手段として重宝する。ボムはパワーアップアイテムと同じくアイテムキャリアを倒すと出現することがあり、最大10発までストック可能だ。

 攻略のポイントになるのは、サテライトの使い分けだ。赤のサテライトはレベルがアップすると複数への方向へ機関砲を発射し誘導弾の数も増えていくため、広範囲に攻撃できるのが強みだ。しかし、後半のステージでは耐久力の高い敵機が増えてくるため緑と青のサテライトの方が敵機を倒しやすい場面が多い。バランスが一番いい赤と緑のサテライトでステージの後半まで進み、ボス戦の前で左右とも威力の高い緑のサテライトに変えるのも有効だ。

 また、特殊なアイテムとして“リカバリー”がある。本作はミスをしたときステージの特定ポイントまで戻る“戻り復活”制だが、復活した後の最初のアイテムキャリアを破壊すると“リカバリー”が出現し、回収するとミスをする前の装備に戻る。ミスによる機体の弱体化を帳消しにしてくれる便利なアイテムだが、出現回数には制限があり、ステージ1の時点ではゼロで、ステージクリアごとに1ずつ増えていく。

 難易度は“EASY”“NORMAL”“HARD”“INSANE”の4種類が用意されている。NORMALでも後半のステージはかなり難易度が高いが、弾幕系のように画面中が敵弾で埋まるようなことはないのでシビアな操作を求められる場面は少ない。敵機の出現位置と攻撃パターンさえ覚えればクリアしていけるだろう。慣れてきたら、より高い難易度に挑戦したり、コンティニューを使わないクリアを目指したり、地上物を破壊したときに登場するボーナスアイテムの回収に力を入れてハイスコアの獲得を狙うなどさまざまな楽しみ方ができる。

 本作はショットとボムだけというシンプルなシステムながら、丁寧に作り込まれたステージによって何度もプレイしたくなる完成度となっている。硬派な縦スクロールシューティングゲームが好きなら、きっと気に入るはずだ。

Amazonで購入

ソフトウェア情報

「WOLFLAME」
【著作権者】
ASTRO PORT
【対応OS】
Windows 7/8
【ソフト種別】
ダウンロード販売 1,620円(税込み)ほか
【バージョン】
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(芹澤 正芳)