石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

Amazonプライム会員はNEOGEOのゲームが遊べる! ただし……

すでに配信は終了。プライム加入時には特典ゲームの入手をお忘れなく

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

「Prime Gaming」用のアプリ「Amazon Games」

Amazonプライムの特典「Prime Gaming」

 3月4日現在、Amazonでは新生活SALEと銘打ったセールが開催されている。筆者も日用品をあれこれ注文したところだ。特に「by Amazon カルビー フルグラ 950g×6袋」は安くて美味しいのでオススメ。これでも以前よりかなり値上がりしてしまったのだが……。

 Amazonのセールでは、一定金額以上購入するとボーナスポイントがもらえる。特にAmazonプライムに加入するとボーナスが増額されるので、欲しいものがセールで出た時だけAmazonプライムに加入するという方もいると思う。

 それだけでも十分にお得なのだが、Amazonプライムにはさまざまなサービスが付帯する。その1つが「Prime Gaming」だ。ここでは無料のPCゲームや、PCゲームのゲーム内アイテムなどが特典として配布されている。プライム会員向けのサービスで、追加料金は不要だ。

 「Prime Gaming」は数年前から提供されていて、特典として提供されるゲームの多くは海外製だ。しかしその中に、なぜかSNKのタイトルが割とたくさん入っていた。「100メガショック!」でオッサンゲーマーにはおなじみのNEOGEO向けタイトルや、その前後のアーケードゲームの移植作品が、特典として配布されてきた。

NEOGEOの起動画面も拝める(「餓狼伝説SPECIAL」より)

NEOGEOを含むSNKのゲームが多数遊べる

 特典タイトルの中で筆者が一番嬉しかったのは「月華の剣士」。1997年にアーケード版が登場した対戦格闘で、当時人気だった「サムライスピリッツ」シリーズをスマートにした感じの剣劇アクションだ。

 この頃の対戦格闘ゲームは、複雑化しすぎたコマンド入力が見直され始め、いわゆる超必殺技が比較的簡易なコマンド入力に変わってきた頃でもある。本作も比較的マシなコマンド入力になっており、筆者もさほど抵抗感なくプレイできたという印象がある。とても人気の出たタイトルだった、という記憶は全然ないのだが……。

 あと単純に和風の映像が美しく、モーションもスタイリッシュでよかった。1年後には2作目も登場。こちらも特典として配布されている。

筆者のお気に入りキャラの李は、炎を使う攻撃が美しい。コマンドも割と簡単な方
試合開始前の映像が和風でやたら格好よくて好き

 本家?の「真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変」も配布された。こちらは人間離れした派手な技の数々や、距離に応じてズームされる映像で、見た目の迫力がすごい作品。筆者はあまりやりこんでいないが、他人がプレイしているのを見ていて面白いという意味ではとても印象的だ。

どのキャラもクセが強く、見ている分には楽しいが、ゲームとしては結構難しい

 まだまだある。1990年代の対戦格闘では決して外せない「餓狼伝説SPECIAL」も配布済み。キムの超必殺技「鳳凰脚」の乱舞が格好よすぎて、みんなコマンド入力の練習をしていたし、これを連打しているだけでめちゃくちゃ強かった。なお久々のプレイでCPU相手に試したら、超反応ライン移動で回避された。そういうゲームだったのか……。

キムの「鳳凰脚」は今見てもやっぱり格好いい
大容量で知られるNEOGEO作品だが、本作の必要容量は約40MB。時代の流れを感じる

 もう少し後の時代だと「THE KING OF FIGHTERS 2002」がある。筆者はシリーズ初期の数作しかまともにプレイしていないが、本作は今プレイしてもモーションやエフェクトがとても洗練されていて美しい。多数のキャラクターが居るのに、見た目もアクションも個性が潰れていないのも見事だ。シリーズ屈指の名作と言われるだけのことはある。

シリーズの中でも正統派でお祭り感のある作品で、過去シリーズの経験があれば遊びやすい

 もちろん格闘ゲーム以外の作品もある。「メタルスラッグ」シリーズはアーケードでも人気が高かったし、SNK初期のタイトルを集めた「SNK 40th ANNIVERSARY COLLECTION」も配布されている。さらにADKのタイトルの版権をSNKが引き継いだことから、「ティンクルスタースプライツ」もSNKタイトルとして提供された。

横スクロールアクション「メタルスラッグ」。デフォルメされたキャラクターのモーションが滑らかで、見た目以上に本格的な作品
「SNK 40th ANNIVERSARY COLLECTION」より「アテナ」。1986年の作品だが、完成度がとても高い
対戦型シューティング「ティンクルスタースプライツ」もSNKが版権を持っていることから提供された

実はSNKのタイトルは……

 これらSNKソフトの注意点としては、いずれのタイトルも海外版が提供されており、元々の日本語版とはタイトル名が異なるものがある。「月華の剣士」は「THE LAST BLADE」、「餓狼伝説」は「FATAL FURY」だ。もしかするとゲーム内容も一部異なる可能性もあるが、そこまで細かい部分までは確認できていない。

 また一部のタイトルでは、ディスプレイのリフレッシュレートにゲームの進行速度がリンクしてしまい、ハイリフレッシュレートのディスプレイではゲームが超高速で動くという問題もある。リフレッシュレートを60Hz辺りにすると概ね問題なく動作するようだが、サウンド周りで若干の不具合も見られる。

 さて、ここまで長々と語っておきながら、とても悲しい事実をお伝えせねばならない。「Prime Gaming」の特典として配布されていたSNKのタイトルは、昨年で既に配布を終了している。今からAmazonプライムに加入しても、現時点ではもう入手できないのである。もっと早く紹介しておけばよかったのだが、他の話題を優先して「そのうち紹介しよう」とネタを温めているうちに、気づいたら配布が終わっていた。

 「もしや以前入手したゲームも期限切れで使えなくなっているのでは?」と気になって試してみたところ、新規ダウンロードも可能なことが確認できた。しかもAmazonプライム未加入の状態でも大丈夫だ。既に入手済みの方はご安心いただきたい(ただし今後も永続的に使えるかどうかは未確認)。

 今後、SNKのタイトルがまた戻ってくることがあるかはわからない。今回お伝えしたかったことは、Amazonプライムに加入したら「Prime Gaming」のことを思い出して、ゲームやゲーム内アイテムなどの特典を入手できることを覚えておいて欲しい、ということだ。

現在も特典として配布されている無料ゲームはある。Amazonプライムに加入したらチェックをお忘れなく

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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