石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
「マイクラ」に「どこでもドア」や「お墓」が登場? 冒険が楽になるアドオン3選
2024年3月1日 06:55
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。
アドオンで冒険を楽にしよう
「マインクラフト」のマーケットプレイスにて、アドオンの提供が始まった。従来からあるワールドデータ型のコンテンツとは違い、標準スタイルのワールドに新たな要素を追加する仕組みだ。
2月26日時点では、全部で15種類のアドオンが登録されている。このうち7つは無料で提供されており、誰でも利用できる。
今回はこの中から、冒険を楽にしてくれる3つのアドオンを紹介する。筆者は7歳の息子と2年ほど本作を遊んでいるが、まだまだ難度の高い冒険は難しく、気分次第であちこち行き来することも多い。そんな自分の負担を少しでも減らしたい……というのが本音だ。
なおアドオンを適用した世界では、実績の解除はできなくなる。本来ないものを使うという一種のチートなので、その点は理解した上で利用の可否を判断して欲しい。
墓石(無料)
本作ではキャラクターが死亡すると、手持ちのアイテムを周辺にばら撒く仕様になっている。しかし「墓石」のアドオンを使用すると、死亡した場所に即座に墓石が建てられ、全てのアイテムが収められる。
これによるメリットは2つある。1つは墓石には消滅期限がないこと。死亡時にばら撒かれたアイテムは、5分後には消滅してしまうのだが、墓石はブロック等のオブジェクトと同じ扱いになるため、いつまでもワールドに残り続ける。
もう1つは、アイテムを消失する心配が減ること。死亡した場所が溶岩の近くだと、溶岩の方に飛んで行ったアイテムは消滅する。また流れのある水だとアイテムが運ばれていってしまうこともある。墓石であればその場に全て納められるので、そういった心配もない。
さらにリスポーン時には、「墓石ファインダー」というアイテムを手にしている。これを使用すると、墓石のある場所がどの方向に何マスかを教えてくれる。どこで死んだかわからなくても安心だ。
肝心の墓石だが、チェストのようなアイテムボックスではない。墓石を破壊することで、その場に全てのアイテムが放たれるという仕組みだ。墓石は素手でも簡単に壊せるので、道具を用意して向かう必要もない。もし墓石がクリーパーなどの爆発に巻き込まれたらどうなるかは確かめていないが、アイテムをまき散らした状態で爆発されるよりはマシな結果になるだろう。
ちなみにチートの設定で、死亡時にインベントリを保持することも可能なのだが、さすがにそこまでやっては風情がないと思われる方にオススメ。
スパーク ポータル アドオン(660マインコイン)
ネザーに渡るためのネザーゲートと同じ要領で、自由にポータルを作り出せるもの。ポータルを2つ以上作ることで、ポータル間を相互に、瞬時に移動できるようになる。
使用するのはネザーゲートで使う黒曜石ではなく、黒曜石に染色を施した「ポータル フレーム」。黒曜石4つと好きな染料4つ、エンダーパールで作成できる。
これをネザーゲートと同様、幅4つ、高さ5つの枠型に積み上げて、火打石と打ち金などで着火。するとポータルが開き、名前を付けられる。
さらに別の場所に移動し、もう1つポータルを作成して名前を付ける。するとポータルに入った時、どこに移動するかがリストになって表示される。あとは移動したい場所を選ぶだけで、そのポータルの場所へ移動できるという仕組みだ。
ポータルは2つではなく、3つ、4つと複数作成することで、リストの項目が足されていき、相互に移動が可能になる。冒険の先で複数の拠点を作成したとしても、その都度ポータルを作っていけば、どの拠点にもすぐさま移動できるわけだ。拠点間にトロッコ列車を引いたり、危険なネザー経由でショートカットしたりする必要はなくなる。
さらにポータルは染色した色ごとに行き先が別管理される。白いポータルは拠点間移動、赤いポータルは狩り場といった感じで分ければ、行き先が増えても管理しやすくなる。ポータルはオーバーワールドに限らず、ネザーなどでも作成できる。説明によると、最大で160個のポータルを作成できるそうだ。
ハイカーの友達(無料)
「このゲーム、冒険に出るにしては装備が手薄だな」と思ったらこのアドオン。ハイカー装備を整えれば、冒険がぐっと楽になる。
このアドオンでは5つのアイテムが追加される。まず3本の棒で作成できる「杖」は、装備中、歩行速度と跳躍力がアップする。2段分のブロックをジャンプして上がれるようになるので、山岳地帯の移動がとても楽になる。また「杖」自体に攻撃力が7あるのが便利。
棒1本、金のインゴット1つ、鉄のインゴット2つで作成できる「アイス ピック」は、壁に向かって使用すると、壁に張り付いた状態で停止できる。垂直な高い壁に対して上を向いて連打すると、どんどん上に登れてしまう。「アイス ピック」という名前ながら、土や岩など素材を問わず使用可能だ。
ベッド1つで作成できる「寝袋」は、単に見た目が変わっただけの睡眠道具……ではない。試しに昼間に使ってみると、ベッドとは違って眠れる。そして目覚めた時は夕方になっていた。さらにそのまま眠ると、今度は真夜中。もう1度眠ると朝になった。あえて夜にしたいという時に使える便利機能だ。
他には本当に座れる「キャンプ チェア」と、手持ちで使える「ハイカーのランタン」が用意されている。冒険をキャンプ気分にさせてくれるアイテムだ。
今回は冒険を楽にするという視点から3つのアドオンを紹介したが、これ以外にもいくつものアドオンが用意されている。多数の野生動物を追加するものや、ドラゴンが登場するもの、凶悪なミュータントを追加するものなど、普段の冒険をがらりと変えてくれるものが揃っているので、普通の冒険に物足りなくなっている方はぜひお試しいただきたい。
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/