石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
「レゴ フォートナイト」は無料! マルチプレイ可能な冒険重視のクラフトゲーム
本編と異なりCERO A(全年齢対象)なので小学生のプレイも安心
2024年2月23日 06:55
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。
この画面を見て、何のゲームだと思われるだろうか?
答えは「フォートナイト」。ただし通常のバトルロイヤルゲームではなく、新たなゲームモードの1つとしてプレイできる「レゴ フォートナイト」だ。
筆者は初めて本作の画面を見た時、「マインクラフト」っぽい何かだとは思ったが、まさか「フォートナイト」だとは思わなかった。確かに「フォートナイト」は素材を集めて壁や階段を作ったりするので、システムを応用してレゴとコラボしたコンテンツを作ると言われれば納得できる。
「レゴ」の世界で遊べるクラフトゲーム
「レゴ フォートナイト」のゲーム内容は本家「フォートナイト」とは全く違う、クラフトアドベンチャーゲームになっている。「マインクラフト」っぽいゲーム、と説明して差し支えない内容だ。プレイ人数も最大8人でのマルチプレイに対応。ワールドデータはEpic Games側のサーバーに保存され、自分を含む友達8人が好きな時に出入りできるワールドも作れる。
「レゴ フォートナイト」のプレイには「フォートナイト」本体が必要になるが、いずれも無料で利用できる。「フォートナイト」のプレイ経験に関わらず、誰でも無料で遊べるのである。何とも太っ腹だ。しかも期間限定のコンテンツというわけではなく、今後も継続的にアップデートしていくという。
早速本作をプレイしていくが、1点だけ注意。本作をプレイするには、「フォートナイト」本体が必要になる。インストール時には数十GBのダウンロードが必要になるので、あらかじめダウンロードを済ませておくといい。
素材を集めて村を大きくしていく
「レゴ フォートナイト」の世界は、いろいろな素材を集めてアイテムをクラフトし、より広い世界を冒険するのが目的となる。最初は草原のような穏やかな世界で、木や石を拾い集め、焚き火や家、ベッドなどをクラフトして生活基盤を整えていく。
ゲームの遊び方は、近くにいるNPCに話しかけると教えてくれる。筆者の場合はピンクのクマちゃんだった。「フォートナイト」のマスコットキャラ的な存在だ。
まずは近くに落ちている木や石を拾い集める。木は細いものなら素手で叩くと折れるが、太いものは無理。また大きな岩も手では壊せない。これらを手に入れるには、クラフトベンチという作業台を作成し、斧やツルハシを作る必要がある。
また村の広場というオブジェクトを設置すると、NPCが尋ねてくるようになる。村の広場は素材を追加するとアップグレードでき、村のレベルが上がる。村のレベルが上がると、尋ねてきた村人を住人として迎え入れ、クラフト作業を頼んだり、一緒に冒険に出たりできる。
さらに家などの建築も可能。レゴをベースにした本作にはさまざまな形状のブロックがあり、組み合わせて設置することで家を建てられる。また最初から形が決まった建築物も用意されており、設置場所を定めた後、指定された位置に素材を組み入れることで建築できる。基本的にはこのテンプレート建築を使うと便利だ。
家は必ずしも必要ではないが、クラフトベンチを始めとした作業工具は、雨に当たると使えなくなるため、屋根のある場所に置く必要がある。結果的に何らかの家があった方が重宝する。
この流れで素材を集め、村のレベルを上げながら、いろいろな建築物を建てていく。石や木はしばらくすると生えてくるので、取り尽くしてしまうかもという心配は不要だ。
新たなアイテムをクラフトするため、新たな場所へ冒険に出る
草原を歩き回っていると、近くに洞窟を発見できる。中に入ると、これまで見慣れない白っぽい岩や、ツルのように巻かれた木があるのがわかる。試しに斧やツルハシを振ってみるが、0ダメージと表示されて破壊できない。
これらを入手するには、クラフトベンチのアップグレードが必要。村の広場のレベルアップと同じ要領で、指示された素材を持ってくると、クラフトできるアイテムが増える。アップグレードすることで、新たな斧やツルハシが作成できるようになる。このうちツルハシは素材が足りないが、斧は近場の素材で作成できる。
この斧で洞窟にあった巻かれた木を叩くと破壊でき、「ノットルート」という木材が手に入る。これを村に持ち帰って加工することで、新しいツルハシを作れる。再び洞窟に行き、新しいツルハシで白い岩を叩くと、これまた破壊できて「大理石」を入手。
これらの素材でクラフトベンチのアップグレードができ、より強力な斧やツルハシのレシピが手に入る。ただそれらを作るための素材はまだ見つけていないので、別の場所へと冒険に出ることになる。
こうして冒険の範囲を広げていき、どんどん強いアイテムをクラフトしていく……というのが本作の流れになっている。「マインクラフト」と比べると、クラフトの種類が少なく、明確な手順や目的がある。クラフトして自由に暮らすというよりも、冒険を楽しむという方向性のゲームになっている。
とはいえ冒険に期限があるわけではなく、ひたすら素材を集めて村を豪華にしていくという遊び方でも問題はない。レゴブロック状の素材を組み合わせれば好きに家を建てられるので、とんでもない高層タワーを建ててみるなど、好きに遊べるのも魅力ではある。
「フォートナイト」未プレイでも、子供でもOK
本作のもう1つの嬉しいポイントとして、子供でも遊べる点を挙げておきたい。
本作を含む「フォートナイト」の追加ゲームモードの中には、個別にCEROレーティングを取得しているものがある。「フォートナイト」本編は「CERO C(15歳以上対象)」なのだが、「レゴ フォートナイト」に関しては「CERO A(全年齢対象)」となっている。というわけで小学生以下の子供が遊んでもCERO的にはOKな内容だ(むしろ本編が15歳以上対象ということに驚く)。
ゲームプレイに必要なEpicアカウントは、13歳未満の場合は保護者のメールアドレスが追加で必要になるが、ゲームの利用自体に支障はない。実際に遊び始めてしまえば、その後は特に面倒な手続きもない。
また本作はワールド作成時に難易度調整が可能だ。本作には空腹や気温(暑さや寒さでダメージを受ける)、ダッシュなどの行動で消費するスタミナの概念があるのだが、それぞれ設定で無効化することで難易度を下げられる。
敵にやられた時などには手持ちのアイテムを全て落としてしまうが、これも落とさず持ったまま復活する設定もある。さらに敵を出なくする設定や、敵にやられなくなる設定もあるが、ゲーム内容への影響が大きいので注意が必要だ。
筆者は7歳の息子と遊ぶ際に、空腹と気温、スタミナは影響なしとした。気温の概念は本作のユニークなところだが、装備品や食べ物で適切な対策が必要となると頭を使うことになるので、カジュアルに遊びたいならこの設定でいいと思う。これなら息子も難なく遊べており、どんどん遠方へと冒険に出ていく。
数日遊んだくらいではまだまだ序盤という印象で、無料のコンテンツとは思えないボリュームがある。「マインクラフト」とは質の違う内容ながら、クラフトゲームとして遊びやすく新鮮味がある。「フォートナイト」本編を知らなくても何ら問題ないので、気楽に挑戦してみて欲しい。
なお、今回本作をプレイするにあたり、GeForce RTX 4060を搭載したマウスコンピューター製ノートPC「G-Tune E4」を使用した。求められるグラフィックス処理は「フォートナイト」と同等で、本機のスペックであれば高画質設定でも十分快適にプレイできる。
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/