石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

マイクラにゴジラ襲来! 巨大なゴジラの撃退や東宝大怪獣バトルなど4つのゲームが楽しめるDLCを試す

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

「マインクラフト」のDLC「ゴジラ」

マイクラにゴジラがやってきた

 「マインクラフト」のDLC(ダウンロードコンテンツ)として、東宝の特撮怪獣映画「ゴジラ」を題材にしたワールドが公開された。1,510マインコインで販売されている。

 4つのスクリーンを持つ映画館から始まり、チケットを購入して着席すると、映画の中に入り込むような流れでゲームが始まる。4つのスクリーンは全て「ゴジラ」映画だが、それぞれ内容が異なり、1つのコンテンツに4つの遊びが含まれている。

 本DLCは東宝の監修の元、プロクラフターチーム「Team-京」とJapan Crafters Unionが企画・制作し、インプレスが販売している。今回こちらを紹介するきっかけはご想像の通り、弊誌の運営企業たるインプレスが販売しているからであるが、評価はフラットにやっていきたい。

 ということで今回評価をお願いするのは、「マインクラフト」歴2年の我が家の7歳男児。「ゴジラ」は全く知らないはずだが、PVを見せたところ「ゴジラかっこいい! やりたい!」と詳しく説明する必要もなかった。恐竜好き男子はちょろい。

Minecraft Godzilla DLC

映画館で4つのゲームを選ぶ

 本作はマルチプレイも可能なので、早速親子でプレイ。最初は映画館からスタートし、カウンターや券売機で好きなチケットを購入(無料)。スクリーンのある方に歩いて行って、矢印で示された座席に着席すると映画がスタート。各コンテンツへと進んでいく。各スクリーンの内容を見ていこう。

カウンターや券売機でチケットを買う
4つのスクリーンが用意されている
スクリーンへ移動して着席すればゲームが始まる

スクリーン1「ゴジラ」

「ゴジラ」

 街に襲来したゴジラの攻撃をかわしつつゴールを目指すという内容。巨大なゴジラの攻撃は、熱線や踏みつけなどがり、攻撃が落とされる場所には数秒前から警告マークと範囲が示される。

 つまり、警告が出た場所を避けつつ先へと進んでいくアクションゲームという感じ。基本的な操作方法は普通の「マインクラフト」と同じで、細い道や迷路っぽくなっているところもある。ゴジラの攻撃は少々食らっても大丈夫で、落ちている乾パンを食べれば回復もできる。もしやられても特にペナルティなくリトライ可能だ。

ゴジラの攻撃を避けながら進む

 さらに道中には、助けを求める市民がいる。彼らを助けなくともゴールはできるが、助けることでクリア時の最終評価が高くなる。こちらはちょっとしたパズル要素があり、世界観に沿ったストーリー性もあって、うまくゲームを盛り上げてくれる。

街の人を助けるミニゲーム的要素もある

 息子は遊び始めてすぐ、ゴジラの攻撃がうまく避けられずにやられてしまった。マルチプレイであれば、他のプレイヤーがクリックすることで、その場で復活させられる。とはいえ警告が複数出るのを避けるのが難しいようで、ゴジラ本体が見えないのにどんどん攻撃されるのが面白くないらしく、すぐに別のゲームモードに移動してしまった。

スクリーン2「GODZILLA」

「GODZILLA」

 自分自身がゴジラに変身し、街にやってきた他の怪獣と戦う。東宝の特撮映画に登場したモスラやキングギドラなどの怪獣たちが次々と現れ、それらを全て撃退するのが目標だ。

 ゴジラは通常攻撃がパンチで、ほかに再使用に時間がかかる熱線、尻尾の回転攻撃が使える。敵の怪獣には格闘ゲームのように体力ゲージがあり、攻撃して削り切れば倒せる。マルチプレイも可能で、人数分の色違いのゴジラが登場する。ただし、誰か1人でも体力が0になったらゲームオーバー。

自分がゴジラになってほかの怪獣と戦う

 敵の怪獣は複数出てきて、寄ってたかってやられると撃破するのは難しい。熱線や尻尾攻撃は敵を吹き飛ばす効果があるが連射はできない。ではどうするかというと、足元の街をどんどん破壊していくのがポイント。すると時々、体力を回復したり、敵を凍らせたりするアイテムが現れる。怪獣と戦うといっても、街や人間を守る気はないというのがゴジラらしくて面白い。

街を壊すとアイテムが出てくるので、敵と戦いつつ街を壊しまくる

 息子は予想通りこれがお気に入りで、1回クリアした後も何度もプレイさせられた。ただし大量の敵に囲まれた時には「おとーちゃん、早く助けて!」とうるさいし(こっちもほかの敵と戦っている)、探しておいた回復アイテムをどんどん奪われたりして、親はとても大変である。

スクリーン3「GODZILLA」

「GODZILLA」

 上映タイトルがスクリーン2と同じだが、タイトルロゴのデザインが異なる別の作品。街に襲来するゴジラを撃退すべく、さまざまなアイテムを駆使して戦う。巨大なゴジラを相手にするという点ではスクリーン1と同じながら、こちらは逃げるのではなく反撃するため、プレイ内容は全く異なる。

 海から上陸してくるゴジラに対し、プレイヤーは街に置かれている箱から防護柵や爆破装置といったアイテムを手に入れ、ゴジラの侵攻を阻む。画面上部にはゴジラのHPゲージがあり、これを一定量減らせれば撃退し、ゴジラは海へと戻っていく。

巨大なゴジラが海からやってくる

 ゴジラは防護柵を通過するだけで徐々にHPを減らしていくが、一度撃退に成功してもパワーアップして再び街へやってくる。ただしその間には準備時間が設けられており、街中にアイテムの入った箱が追加される。なるべく多くのアイテムを集め、時には街の人の力も借りながら、対ゴジラ作戦を進めていく。

巨大なゴジラの足元にいろんな装置を仕掛けていく

 なおゴジラの撃退に失敗すると、指令室のような場所に移動させられる。ここではスタッフから攻略のヒントが得られる。再びゴジラと戦う際は最初からやり直しになるが、ヒントを得れば一気に攻略が楽になることもある。

撃退に失敗すると来られる指令室ではNPCから攻略のヒントを聞ける

 息子にはちょっと難しいかなと思ったが、意外にもこれが一番気に入ったらしい。アイテムを探し回る準備時間も楽しそうだし、巨大なゴジラを相手にありったけのアイテムを注ぎ込むのも大喜びでやっていた。ちなみにゴジラの攻撃でやられたり、落下したりしてやられてしまっても、初期地点からすぐさま復活するようになっている。これも息子としては怖さがなくて良かったようだ。

スクリーン4「GODZILLA VS. KONG」

「GODZILLA VS. KONG」

 こちらはコングとゴジラが戦う場面にHEAV(空飛ぶ船)で向かい、彼らの生態を詳しく調査すべく写真に収めるという内容。HEAVは自動操縦のようで、プレイヤーは写真撮影に専念する。

 ゲームがスタートすると、HEAVから巨大なコングやゴジラの様子を間近に見られる。しばらくすると、コングやゴジラの近くに赤いターゲットマークが出るので、マウスカーソルを合わせて素早くクリック。これで撮影完了となる。全3ステージ構成で、各ステージには20回のシャッターチャンスがある。

コングの姿を間近で見られる

 ターゲットが消える前にクリックし、全てクリックに成功すればゲームクリアという内容だ。怪獣達の戦いに巻き込まれるのではないかと思うほど近づいていくが、自分が撃墜される心配はないので、戦いの様子を存分に楽しみつつも写真撮影をしっかりこなしていく。

赤いターゲットをクリックすると撮影成功

 操作はマウスだけでいいので、息子も簡単に遊べる。複数人でプレイするとHEAVも2機で出撃し、それぞれ視点が変わるので、何回か遊んでみると戦いをいろんな角度で見られるので面白い。なお息子は3回目辺りから「カメラ投げちゃった」と言い、早々に撮影不能になったりしたが、大怪獣バトルを眺めているだけで楽しそうなので良しとする。

オマケ要素

 上記4つのスクリーンでゲームをプレイすると、結果に応じてガチャコインがもらえる。映画館内にあるショップに行くと巨大なガチャガチャマシンがあり、コインを投入すると、ゴジラなどの怪獣のフィギュアや写真などが入手できる。

巨大なガチャガチャマシン

 手に入れたアイテムは、映画館内にあるコレクションルームで閲覧できる。怪獣の姿を閲覧できるほか、ゴジラシリーズの映画のポスターなども張り出されており(解像度は低いが)、最終的にはシリーズの歴史を楽しめるミュージアムができあがる。

最終的にはコレクションルームもにぎやかになる

子供と一緒に遊ぶのにちょうどよく、クオリティも高い

 以上で本作の内容はひととおり網羅したわけだが、本作は思ったより楽しめたというのが正直な感想だ。息子はゴジラを知らなかったが、筆者もシリーズ作品を見た記憶はほとんどなく、特撮や怪獣にはさほど興味はない。

 それでもゴジラをマインクラフトの世界で見事に再現しているのはわかるし、圧倒的に巨大な怪獣を見上げながら遊べる大迫力のアトラクションは、ゴジラの知識の有無に関わらず、ゲームとしてとてもよくできている。

巨大なゴジラは大迫力

 さらに1本のタイトルに内容が全く異なる4つのコンテンツを収録しているのもポイント。実際の映画館を模したフィールドを用意し、4つのスクリーンで見せるという映画作品ならではの演出はアイデア賞ものだ。ただ作品を選んで遊ぶのではなく、映画館でスクリーンを選ぶというワンステップを挟むことで、没入感がぐっと高まる。

映画館に来た感じがとてもよく出ている

 ゲームとしての難易度は比較的低く、親子で気軽に楽しめるのもよかった。これくらいの内容なら、マインクラフトの経験が浅い人でも十分体験できるので、怪獣映画のファンにもぜひ楽しんでもらいたい。

 あまり褒めすぎると提灯記事だと言われそうだが、息子は夢中で遊んでいたし、筆者も十分に楽しめたことは嘘偽りない。価格はDLCとしてはやや高めの設定ではあるが、親子で数日遊べるコンテンツだし、怪獣や建築物のクオリティも非常に高く、十分納得できる。ぜひ多くの方に体験してもらいたいと思う。

【今回使用したPC】
マウスコンピューターG-Tune E4
スペックはCPUがCore i7-12650H、GPUがGeForce RTX 4060(GDDR6 8GB)、メモリが16GB DDR4-3200、ストレージがSSD 500GB(M.2 NVMe PCIe 4.0 x4)、ディスプレイが14型非光沢液晶(1,920×1,080ドット、144Hz)、OSがWindows 11 Home。重量は約1.8kgで、価格は199,800円

 なお、今回本作をプレイするにあたり、GeForce RTX 4060を搭載したマウスコンピューター製ノートPC「G-Tune E4」を使用した。マインクラフトのDLCなので動作は十分軽快。内容的にもそれほど広い範囲を描画する必要がないので、ロースペックなPCでも快適にプレイできるだろう

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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