石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
「STRANGER THAN HEAVEN」の対応機種が「Xbox」だらけになっている理由
「Xbox on PC」、「Xbox Game Pass」、「Xbox Cloud」、「Xbox Play Anywhere」とは?
2026年4月9日 16:21
対応機種がXboxだらけでよくわからない
セガの新作ゲーム「STRANGER THAN HEAVEN」のティザーサイトが公開された。龍が如くスタジオによる完全新作で、詳細は5月7日午前8時(日本時間)から配信される「Xbox Presents: A Special Look at STRANGER THAN HEAVEN」で明かされるという。
龍が如くスタジオの作品は、以前からPCへの展開も積極的で、今回も家庭用ゲーム機だけでなくPCでも発売される。ニュースリリースにある対応機種は、このように書かれている。
対応機種:Xbox Game Pass / Xbox Series X|S / Xbox on PC / Xbox Cloud / PC(Steam)/ PlayStation 5
Xboxと名の付く機種が4つもある。もちろん家庭用ゲーム機のXbox4機種に対応しているわけではない(初代Xboxから対応していたらそれはそれで面白いが)。読者の皆様、それぞれの意味はおわかりだろうか?
「Xbox Series X|S」と「Xbox on PC」の違いは?
1つずつ確認しよう。まず「Xbox Series X|S」は、現行の家庭用ゲーム機だ。日本では苦戦が続いてはいるが、現在もれっきとしたマイクロソフトの最新型ゲーム機である。これはゲームファンなら誰でもわかるはず。
次は「Xbox on PC」だが、これは筆者も聞きなれない単語だ。「Bing」で検索してみる。
どこにも「Xbox on PC」の文字がない。まだほとんど使われていない単語のようだ。ただよく見ると、検索の第1候補にある「PC版Xbox」のWebサイトのURLに、『xbox-on-pc』という文字がある。
Webサイトにアクセスすると、やはり『PC版Xbox』の文字はあるが、『Xbox on PC』の文字はない。どういうことだろうか?
ここでピンと来た筆者。Webサイトの市場設定を「United States - English」に変更してみたところ、サイトのタイトルが「Xbox on PC」に変わった。つまり、「PC版Xbox」は「Xbox on PC」の日本語訳である。
では「Xbox on PC」とは何か。Windows 11には「Xbox」アプリが導入されており、ゲームのランチャーや購入・管理機能などを備えている。ここからアクセスできるものを「Xbox on PC」と呼んでいるようだ。
『つまりWindows向けゲームということ?』と思われたかもしれないが、半分不正解。確かにWindows PCで動くゲームではあるのだが、「Xbox」アプリで購入・管理できることが含まれる。よって「Xbox on PC」とは、『「Xbox」アプリ、およびMicrosoft Storeで売られるPCゲーム』とするのが正解だろう。
そのため「Xbox on PC」とは別に、「Steam」も対応機種として別途書かれているわけだ。対応機種という表現がよろしくないとは思うが、「Xbox on PC」と「Steam」は、どちらもPC用ゲームではあるが、配信プラットフォームが違うということだ。
プラットフォームが違っても内容は同じのはずだが、個別に変えられないこともない状態にはなる。実際、購入したプラットフォームによって、アップデート内容に差があるゲームは過去にもある。本作はマイクロソフトから強くプッシュされており、「Steam」より「Xbox on PC」で購入する方が何かしらの優遇措置がある可能性もゼロではない。
「Xbox Cloud」の内容と「Xbox Game Pass」の関係
次は「Xbox Cloud」。これはサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」に付随するストリーミングゲームサービスのこと。PCのほか、Xbox Series X|S、スマートフォン、スマートTVなどから利用できる。
「Xbox Cloud」自体はゲームを動かすハードウェア(サーバー)を貸すだけのものなので、ゲームソフトは別途必要。ただ利用の前提となる「Xbox Game Pass」にゲームの定額利用サービスが含まれるので、それらのタイトルで「Xbox Cloud」対応のものは利用できる。また「Xbox Game Pass」に含まれない、自分が「Xbox」アプリまたはMicrosoft Storeで購入済みのゲームのうち、「Xbox Cloud」に対応しているゲームも利用できる。
ただし注意点として、PC限定のサービスである「PC Game Pass」には、「Xbox Cloud」は含まれない。利用するには3つのコースがある「Xbox Game Pass」の利用が必要で、上位プランほど待ち時間が短く、高画質でプレイできる。
そして「Xbox Game Pass」。既に述べたとおり、ゲームの定額利用サービスである。「Essential」、「Premium」、「Ultimate」、「PC Game Pass」と4つのコースがあり、高価なプランほど遊べるゲーム作品の数が増える。
また「Ultimate」と「PC Game Pass」に限り、新作ゲームを発売初日からプレイできるとされている。「STRANGER THAN HEAVEN」が発売初日からどのプランに提供されるかは今のところ不明だが、「Ultimate」か「PC Game Pass」ならば発売初日から遊べるはずだ。
これもややこしいところで、対応機種に「Xbox Game Pass」とあるなら、最も安価な「Essential」でも遊べるのではないかと思ってもおかしくない。実際どうなるかはタイトルによって異なるので、本作に関しては今後の発表を見るしかない。この点も注意が必要だ。
「Xbox Play Anywhere」でプラットフォームの垣根を超える
「STRANGER THAN HEAVEN」についてもう少し見ていこう。ティザーサイトの下の方を見ると、対応プラットフォームのロゴが貼られている。左上から順に、「Xbox Series X|S」、「Xbox on PC」、「Xbox Cloud」、「Xbox Play Anywhere」、「Xbox Game Pass」、「PlayStation 5」、「Steam」となっている。
こちらもXboxが並んでおり、マイクロソフトの影響が大きいタイトルなのだとわかる。それはさておき、先述のニュースリリースの対応機種になかった「Xbox Play Anywhere」が増えている。
「Xbox Play Anywhere」とは、「Xbox」アプリまたはMicrosoft Storeから購入したダウンロード版のゲームに対して、Xboxの家庭用ゲーム機とWindows PCで相互にプレイ可能にする仕組みのこと。利用できるのは対応するソフトに限られ、ストアの表示に「Xbox Play Anywhere」のバッジがつけられる。
「Xbox Play Anywhere」のゲームを購入すると、Xboxの家庭用ゲーム機とPCの両方でプレイ可能になる。セーブデータもオンライン経由で同期されるので、遊ぶたびに異なる本体を用いても構わないようになっている。これが「Play Anywhere」という意味だ。ただし複数台の本体から同時にプレイはできない。
Xboxの家庭用ゲーム機を持っていない方にはあまり関係ないかもしれないが、クラウドセーブ機能に対応していることを示すものでもあるので、PCを変えても続けて遊べるのはメリットになるだろう。例えば「ROG Xbox Ally」のようなポータブルゲーミングPCを併用する方には価値がある。
Xboxは“マイクロソフトのゲーム事業”の意
最初の問いについて答えよう。
「STRANGER THAN HEAVEN」は、「Xbox Series X|S」と「Xbox on PC(PC版Xbox)」で発売される(「Steam」と「PS5」でも)。「Xbox Play Anywhere」対応なので、1本買えばWindows PCでも「Xbox Series X|S」でも遊べる。サブスクリプションサービスの「Xbox Game Pass」のいずれかのプランにも投入される。クラウドゲーミングサービスの「Xbox Cloud」にも対応し、スマートフォンなどでもプレイ可能。
以上のようになる。1つずつ理解していくと、全部書きたい気持ちもわかるが、もうちょっと何とかならなかったのか、と笑ってしまう。
ひととおり説明しておいてこう言うのも何なのだが、Xboxという言葉の意味が広すぎて、なかなか理解が難しい。ひとまず“Xboxはもはや家庭用ゲーム機を指す言葉ではない”ということだけは理解しておく方がいい。
“Xbox”だけだと、マイクロソフトのゲーム事業の何か、という意味にしかならない。そこに何が付随するのかを見るのが重要だ。「Xbox on PC」ならWindows PC用ゲームのこと、「Xbox Cloud」ならマイクロソフトが提供するゲーミングクラウドサービスのこと……と、何となくイメージは掴めるようになる。
個人的な意見を言わせていただければ、「Steam」のプラットフォーム戦略に対抗するための「Xbox on PC」というネーミングなのだとしたら、「PC版Xbox」という日本語訳を使わず「Xbox on PC」にした方が良いのではないかと思う。そもそも「Xbox on PC」がイメージ戦略としてわかりやすいネーミングかどうかも疑問は残るのだが。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。



























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