マルわかり!Windows 10 Mobileガイド

第61回

標準アプリの「マップ」は進化したか?

日米の機能差はいまだ埋まらず

 Windows 10 MobileはモバイルOSとしての基本的な機能を備えているだけでなく、タッチパネル搭載のWindows 10パソコンに近い操作感で利用できるのが特徴だ。本連載ではWindows 10 MobileのTipsのほか、OSを取り巻く旬の話題などを紹介する。

交通情報は表示されるが……事故情報やカメラなどは今後の課題

 スマートフォンの地図アプリは我々の行動を一変させた。初めて訪れる土地でも地図アプリを起動すれば、簡単に目的地へ向かうことができると同時に、周辺施設を把握して必要なものを購入することも容易である。

 だが、Windows 10 Mobileの標準地図アプリ「マップ」は少々残念な状況だ。本誌で既報のとおり、バージョン5.1609.2651.0では、渋滞情報の表示やテーマ切り換え機能などを新たにサポートしたが、本連載の第19回で述べた問題点は一切改善されていない。

編集部のある神保町周辺を最大限に拡大した状態。書店名や喫茶店の名前なども表示されるため、道に迷った時もひと目でわかる
「マップ」を起動すると、新機能をアピールするメッセージが現れる

 まずは新機能を試してみよう。アプリバーから[交通情報]スイッチを有効にすると、地図上に現在の混雑状況が3色で示される。

アプリバーの[マップビュー]ボタンをタップし、[交通情報]のスイッチをタップしてスイッチをONに切り換える
こちらは都内の混雑状況を示した状態。皇居周辺は全般的に混雑している
参考として「Google Map」(iOS版)の道路混雑機能も紹介する

 上図をご覧になるとおわかりのとおり、交通情報のオプションとして[事故][カメラ]の2つが用意されている。これらは項目名どおり工事などが発生している場所を示したり、交通状況を観察するカメラが提供されている箇所をライブビューできるというものだが、日本国内では確認できなかった。そこで米国を表示させてみると、工事などの情報やカメラの存在を確認できる。

こちらは米国ワシントンDC周辺の交通情報を表示させた状態。右上の辺りで工事が行われていることが示されている
カメラアイコンは米国でも多いとは言えないものの、バージニア州は川向こうの橋周辺に点在していた。図はポートマック川近くのカメラ
[…]ボタン→[交通情報]と順にタップすると、直近のカメラがひと目で確認できる。この機能自体は便利だ

 交通情報は車で移動する利用者には有益な機能だが、Microsoftの地図機能に関する日本の状況はとかく後手に回る傾向にある。たとえば3年前の開発者向けカンファレンス“Build 2013”で大々的に発表した“3Dの都市”に東京は含まれず、Windows 10 Mobileのオフラインマップ機能に関して日本は対象外。『Microsoft版ストリートビュー』に相当する“Streetside”は米国のみ。日本が『マップ機能開発途上国』であることは明らかだ。残念ながら執筆時点では、他のアプリを併用しつつ「マップ」の進化を待つ他はない。

「Build 2013」のキーノードでアピールした都市の3D表示機能。後にWindows 8.xやWindows 10 Mobileの「マップ」に搭載された
“Streetside”のスイッチを有効にすると、サポート地域のみハイライト表示される。米国もすべての地域を網羅していない
サポートしている道路を長押しすると、周辺の写真が現れる。Googleのストリートビューと同じく画像をスクロールさせて左右を見渡せるほか、ダブルタップで道路上を移動可能

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