Windows 10移行相談室

自作PCをWindows 10にしたら安定しない!

ハードウェアの経年劣化の可能性も

 Windows 10への無償アップグレード期間も残すところあと1カ月ほど。すでに、Windows 10に移行した読者も多いのではないだろうか。しかし、Windows 10にしてみたものの、Windows 7/8.1では何気なくできた“アレ”ができないといったことがあるかもしれない。本連載では、Windows 10に移行した際に発生しがちなトラブルの解決方法をお伝えする。

Windows 10へアップグレードしたらシステムが不安定になった気がする……

 そもそも、そのPCはWindows 7/8.1でも安定していたのだろうか。これは筆者が実際にやってしまった失敗談だが、UEFIの設定を変更するとOSが起動せず、マザーボード上のエラーランプ点灯→リセットを繰り返すのである。UEFIの設定をあれこれと変更し、試行錯誤しているとようやく原因が判明した。VGAに割り当てるメモリ容量を変更すると100%起動しないのである。つまりマザーボードとメモリの相性問題だった。

 言い訳すれば、PCパーツを注文する前は原稿の〆切が立て込んでおり、そのストレスも相まってか1時間もかけずに注文を終え、相性確認は一切行っていない。筆者はハードウェア系に明るくないものの、初代Pentium時代から自作PCに携わっていただけにお恥ずかしい話だ。前述のようにメモリ周りが問題となるため、スリープ復帰時もリセットする有様。今は騙し騙し使いながら、PCパーツが安くなるタイミングを狙って、メモリを換装する予定だ。

筆者が使用しているMSI製マザーボードのパーツ互換表。上図ではADATAのAX4U2800W4G17やAX4U3000316G16の4枚差しは未サポートとなっている

 これだけでは“単なる相性問題でWindows 10とは関係ない”と思われる読者もおられるだろう。現在Windows 10への移行を考える方に知ってほしいのが経年劣化である。こちらも筆者の体験談だが、数年ほど使い込んでいたテレビ録画などを行うサブPCを、デバイスドライバー類が安定動作する情報を確認してWindows 10にアップグレードした。

 サブPCはファイルサーバーも兼ねていたため、基本は24時間運用だが、3年ぐらい連続稼働させていただろうか(もちろん月1程度はシャットダウンし、掃除をはじめとするメンテナンスは行っていた)。突然リセットするようになってしまったのである。これが録画中に発生しては目も当てられない。そこで「Memtest86+」を試したところエラーの嵐。写真を残していなかったのは悔やまれるが、8GBのメモリ4枚中2枚はもう使用不可能だった。もちろんサブPCのメモリは換装済みで、今現在も問題なく動作している。

「信頼性モニター」を起動することで、PCの安定性を大まかに確認できる。正直UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリは頻繁にハングアップするため“Windowsエラー”に注目しよう

 このようにWindows 10が不安定な場合、そもそもハードウェアは正しく動作しているか、という根本的な問題に立ち返る必要があるのだ。特に古いPCをWindows 10にアップグレードするということは、使い込んできた時間が長ければ長いほど、PCパーツが劣化している可能性がある。“問題の切り分け”を明確にしつつ、安定したWindows 10環境を目指してほしい。