やじうまの杜

Windows 10/11の更新プログラムには賞味期限(?)がある

コンパクトさとパフォーマンスを維持するため、ときどき整理整頓

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期限切れの更新プログラム

 Microsoftはサポート期間中にあるすべてのWindowsバージョンに対し、月に2回から3回のペースで更新プログラムを提供しています。そのため、更新プログラムの数はかなりの勢いで増えていっています。これが原因で更新パッケージのサイズも肥大化気味なのだとか。

 しかし、Windowsの更新プログラムの多くは「累積的」――つまり、今までリリースされた更新プログラムをすべて含んだものになっています。たとえば、執筆時現在最新である2021年10月のパッチを適用すれば、わざわざ9月や8月のパッチを適用する必要はありません。修正内容は最新のパッチに含まれています。そのため、古いパッチをずっと残しておく必要はあまりないでしょう。

 そこで、同社は古いパッケージを「期限切れ」(EXPIRED)にすることで「Windows Update」や「Microsoft Update Catalog」などでの提供を終了し、パッチを整理してアップデート処理のパフォーマンス向上、スキャン時間の短縮を図っているのだそうです。間違って古いパッチを適用してしまうミス――あまりないかもしれませんが、2021年10月のパッチを入れるつもりで2020年10月のパッチをインストールしてしまったり――も防げます。

 ちなみに、どの更新パッケージが期限切れになるのか(期限切れポリシー)については、「定期的に評価して十分な数の候補が見つかると期限切れにしている」としか明かされておらず、事前にどのパッチが期限切れになるのか知る方法はなさそうです。ただ、期限切れになったパッケージはサポートページに「EXPIRED」と表記されるので、検索すれば知ることはできます。また、「Windows Server Update Services」(WSUS)ならば指定した更新プログラムの有効期限が切れていると、詳細ペインの上部にバナーが表示されるとのことです。

 なお、Windows 7/8.1やWindows Server 2008/2008 R2/2012のパッチは期限切れにはなりません。これらのパッチは「累積的」ではなく、1カ月分の修正しか含まれていないためです。Windows以外の他のMicrosoft製品に関しても、パッチが期限切れになることはありません。つまり、期限切れになるのは今のところWindows 10/11のパッチのみです。

 また、最新の更新パッケージが古いパッケージに依存している場合も、古いパッケージは新しいパッケージにとってかわられるまで期限切れになることはありません。