特集
窓の杜特選!Androidアプリコレクション 第4回
地図や辞書、電子書籍ビューワーなど趣味や生活に役立つアプリを12本紹介
(10/01/29)
スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”用アプリを紹介する本特集。最終回となる今回は、位置情報を活用する地図系アプリや、辞書アプリ、電子書籍ビューワーやカメラアプリなど、趣味や生活に役立つアプリを紹介しよう。
「クーポンマップ」で最寄りの飲食店を探してクーポンもゲット!
外出先の街でちょっと休憩したいときや、飲み会の店探しに便利なアプリが「クーポンマップ」だ。GPSで取得した現在地または指定した地点の付近にある飲食店を“ぐるなび”掲載店から検索し、地図上にアイコンで表示してくれる。このとき、携帯電話で利用できるクーポンがある店をアイコンで区別できるのもうれしい。また、地図の上部にアイコンの一覧を店名・ジャンルつきで表示することも可能。
アイコンをタップすると営業時間や定休日、店の写真といった情報をポップアップ表示できるほか、電話機能を呼び出して店に電話をかけたり、Google マップでルート検索ができる。さらに、内蔵のWebブラウザーで“ぐるなび”の携帯電話向けサイトを開けるので、ここからクーポンも利用できるというわけだ。
なお、設定により“ホットペッパー”のレストラン・ヘアサロン検索も利用できる。ただし、ホットペッパーの携帯電話版はAndroidに対応していないため、クーポンを利用できないほか情報画面から電話をかけることもできない。
「クーポンマップ」
- 【著作権者】
- (株)ビー
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0.10
「モバイルGoogleマップ」を最新版にアップデートしてさらに便利に
HT-03Aには「モバイルGoogleマップ」がプリインストールされているが、Android マーケットに掲載されている最新版へのアップデーターを導入すると、さらに便利に使えるようになる。
なかでも便利なのが“レイヤ”機能だ。路線図や、位置に関連するWikipediaの情報などを地図上に表示できるが、とくにGoogle マップのWebサービス側で作成した“マイマップ”を表示できるのが便利。PC上で旅行先などの情報をマイマップに登録しておき、現地で利用するといった連携がスムーズに行えるわけだ。
そのほか、開発中の実験的な機能を試せる“Labs”機能も搭載されており、“Labs”機能の一覧画面から任意の機能を選んで有効化できる。執筆時現在は、地図の縮尺を画面左下に表示する“スケールバー”、地形を立体的に表示する“地形レイヤ”、コンパスを利用して地図上に向いている方向を表示できる“コンパスの矢印”といった機能が用意されている。
「モバイルGoogleマップ」
- 【著作権者】
- Google Inc.
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 3.3.1
- 「Google Earth」のAndroid版は?
HT-03Aには「Google Earth」は搭載されていないが、Googleが1月に発表した“Nexus One”には搭載されている。OSのバージョンアップなどにより、HT-03Aでも利用可能になることを期待したい。
夜空の星探しに「Google Sky Map」
星空の観測をするならぜひ入れておきたいアプリが、「Google Sky Map」だ。現在地または指定した任意の地点から見える星空を表示できる星図アプリだが、端末のコンパス機能を利用して、端末を向けた方向に見える星が表示されるように星図を自動スクロールしてくれるのが特長。端末上の画面で観測したい星をみつけたら、その向こうにある本当の星空を眺めるというユニークな趣向だ。
さらに、星や星座の名前から位置を検索する機能も備えており、この際も画面上の矢印に従って端末を傾ければ、観測したい星の位置をみつけられる仕組み。本ソフトは英語版で日本語による検索には対応していないが、サジェスト機能があるため正確なスペルがわからなくても何とかなることが多い。
また、星の名前や星座、惑星といった各種情報は個別に表示をON/OFF可能。また、モニターの光が観測の邪魔にならないように、画面を黒背景に赤一色で表示するモードも搭載している。そのほか、コンパスを利用せず手動で星図をスクロールすることも可能だ。
なお、一般的に位置情報を利用するアプリは端末のGPS機能を利用することが多いが、本アプリは標準設定ではGPSを利用せず、携帯電話の基地局の情報から現在地を取得する仕組み。そのため、利用のためにGPSをONにする必要はない。何しろ相手は宇宙なので、多少の誤差は問題にならないだろう。
「Google Sky Map」
- 【著作権者】
- Google Inc.
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.3
経路検索をはじめ公共交通機関の情報を網羅した「乗換案内」
鉄道・空路の経路検索には、ジョルダン(株)が公開している「乗換案内」がお勧め。経路検索以外にも、時刻表や運行情報の閲覧が可能だ。
経路検索の際は経由地を指定できるほか、GPSで取得した現在地から最寄り駅を出発地に選ぶことも可能。また、指定した出発時刻や到着時刻をもとに各経路の発着時刻を表示できる。そのほか複数の検索結果を前後に送って見比べることが可能で、この際移動時間と運賃、乗り換え回数に加えて、移動時間が最速なら“早”、乗り換えが一番少なければ“楽”といった文字アイコンも表示されるため比較がしやすい。出発地・目的地などを履歴から再入力する機能も便利だ。
「乗換案内」
- 【著作権者】
- ジョルダン(株)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1.0
辞書を引くなら「デ辞蔵」「DroidWing FREE」
簡単な辞書引きならWebブラウザーでオンラインの辞書を検索するという手もあるが、本格的に辞書を利用したいならイースト(株)が提供している「デ辞蔵」がお勧め。アプリ自体は無償だが、辞書データは有償販売となっており、執筆時現在は「ジーニアス英和・和英辞典MX + 明鏡国語辞典MX」(1,800円)などが提供されている。辞書をローカルにインストールするだけあって検索は高速で表示も軽快だ。
また、同社がネット上に用意した辞書を検索する機能もあり、執筆時現在は同社が一部手を加えたWikipediaのデータが提供されている。ローカル・ネット合わせて串刺し検索することも可能だ。
一方、すでに市販の辞書CDなど、EPWING形式の辞書を持っている場合は、「DroidWing FREE」がお勧め。SDカードに入れた辞書を検索でき、写真の表示や音声の再生にも対応する。検索した項目にコメントを記入したりブックマークへ登録できるほか、検索履歴も用意されているなど使い勝手がよい。さらに、「Google 音声検索」がインストールされていると検索語を音声入力できる。
「デ辞蔵」
- 【著作権者】
- イースト(株)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.2.3
「DroidWing FREE」
- 【著作権者】
- aokabi.com 氏
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.9.4
- “Donate”版を購入して気に入ったアプリへ手軽に貢献
「DroidWing FREE」には、有償版の「DroidWing」も用意されているが、違いは“アイコンの色”だけ。マーケットの説明によると『気に入っていただけたなら、ぜひ購入してください』とのことで、実質的には寄付歓迎のフリーソフトと考えてよいだろう。
このように、機能は全く同じ有償版をマーケットに登録しているケースは結構あり、この場合は有償版のアプリ名に“Donate”といった表記が含まれていることが多い。また、「DroidWing」のようにアプリの紹介文から“Donate”版に類するものであるとわかる場合もある。
ユーザーは“Donate”版を購入することで、作者のWebサイトなどから送金するよりも手軽に寄付ができるというわけだ。愛用のアプリにもし“Donate”版が用意されていたら、開発を支援するために購入してみるのもいいだろう。
「青空プロバイダ」+「縦書きビューワ」で青空文庫を読もう
著作権の消滅した文学作品を中心に、多数の電子化されたテキストを公開している“青空文庫”。「青空プロバイダ」と「縦書きビューワ」を利用すれば、この青空文庫からテキストをダウンロードして、ルビつきの縦組み表示で読むことができる。文庫本を持ち歩かなくても、たくさんの作品を手軽に楽しめるのは魅力的だ。
「青空プロバイダ」は、青空文庫のテキストを、作家別または作品別のインデックスから選んでダウンロードできるアプリ。インデックス内の特定の作家または作品をブックマークすることもできるので、お気に入りの作家などをブックマークしておくと便利だ。
ダウンロードしたテキストは別のアプリと連携して読む仕組み。連携先のお勧めは「縦書きビューワ」だ。縦組み表示のテキストビューワーで、青空文庫形式のルビ、傍点などに対応している。また、アプリ終了時や任意のタイミングでしおりを挟むことも可能なので、次回起動時はメニューからしおりを選べば続きを読み進めることができる。
任意のフォントを指定できるのも特長で、さらにフリーの明朝フォント「IPA明朝」の自動ダウンロード機能を内蔵。そのほか、フルスクリーン表示にも対応する。
また、有償アプリだが「MHE Novel Viewer」もお勧め。こちらは青空文庫のダウンロード機能とテキストビューワー機能を兼ね備えており、フォントの設定も可能。縦組み・横組みの両方に対応しており、検索機能や、見出しと思われる行を自動判別してジャンプする機能、背景画像の設定機能なども備える。アプリ終了時には読んでいたファイルと位置が自動で保存され、次回起動時に自動で復元されるのが便利。
本文はフリックでなめらかにスクロールできるほか、ルビの表示方法や行間、余白など、表示を非常に細かくカスタマイズできるのも特長だ。
「青空プロバイダ」
- 【著作権者】
- miduhima 氏
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.4
「縦書きビューワ」
- 【著作権者】
- 2SC1815J 氏
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.7.3
「MHE Novel Viewer」
- 【著作権者】
- MHE Software 氏
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 498円
- 【バージョン】
- 1.1.14
トイカメラ、左右対称、ウォーホル風などで遊べるカメラアプリ「FxCamera」
「FxCamera」は、撮影した写真に特殊なエフェクトをかけられる、ユニークなカメラアプリ。利用できるエフェクトは、トイカメラを再現した“ToyCam”、インスタントカメラ風の“Polandroid”、魚眼カメラ風の“Fisheye”、左右対称の写真が撮れる“SymmetriCam”、撮影した写真をもとにアンディ・ウォーホル風のポップアートを生成できる“Warhol”という5種類。
各エフェクトは設定を調整できるほか、エフェクトなしの撮影も可能。その際は白黒、セピア、ネガポジ反転といった色フィルターをかけることができる。
「FxCamera」
- 【著作権者】
- ymst 氏
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.5.4
今かかってる曲は何?を「Shazam」で検索。鼻歌対応の「Midomi SoundHound」も
お店のBGMでちょっと気になる歌がかかったけど、何という曲かわからない……といった経験はないだろうか。「Shazam」はこんなときに便利なアプリで、今かかっている曲を音声認識して、オンライン上のデータベースから合致する曲を探し出してくれる。認識対象は曲の途中でも問題ないので、気になる曲がかかっていたらすかさずAndroid端末を取り出して、曲が終わる前に認識させよう。
また、同様の機能を備える「Midomi SoundHound」というアプリもある。こちらは有償だが、オリジナルの音源だけでなく、自分で歌ったメロディからも検索できるのが特長だ。『メロディは覚えているけど曲名が思い出せない』ともどかしい思いをしたときに利用しよう。いくつか試した限りでは、鼻歌でも認識は可能だが歌詞つきで歌ったほうが認識率は高かった。また、ある程度歌うと検索が可能になるが、歌が短いと候補が複数リストアップされることが多い。なるべく長めに歌ったほうが確実のようだ。
「Shazam」
- 【著作権者】
- Shazam Entertainment Ltd
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.2
「Midomi SoundHound」
- 【著作権者】
- Melodis Corporation
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 4.99米ドル
- 【バージョン】
- 1.0.10
おわりに
ここまで4回にわたりAndroid用アプリを紹介してきたが、いかがだったろうか。アプリの数が少ないとも言われるAndroidだが、こうして見ると、一般的な用途なら十分使えそうだと思われた方もいるのではないだろうか。まだアプリが足りないジャンルもあるが、今後Android搭載端末が増えるに従って、アプリも拡充していくことが期待できそうだ。
もちろん、今回紹介したアプリ以外にも、便利なアプリや面白いアプリはたくさんある。問題はAndroid マーケットの使い勝手があまりよくないためアプリを探すのが難しいことだが、NTTドコモが“Xperia”の発売に合わせて“ドコモマーケット”の開設を予定しているなど、改善に向かっている印象だ。
窓の杜でも引き続き、Androidをはじめ各種スマートフォン対応のアプリを紹介していくので、ご期待いただきたい。