ニュース

高機能ペイントソフト「Krita」がv4.0に ~SVGやPythonスクリプティングをサポート

ベクターフォーマットはODGからSVGベースに。パフォーマンスや使い勝手の向上も

「Krita」v4.0.0

 オープンソースのペイントソフト「Krita」の最新版v4.0.0が、22日に正式公開された。メジャーバージョンアップとなる本バージョンではベクター機能の改善、SVGイメージのインポート・エクスポート、テキストツールの刷新、Pythonスクリプト機能の搭載など、多くの改善が盛り込まれている。

 「Krita」は、クロスプラットフォーム対応の多機能ペイントソフト。お絵かきからアニメーションまでをカバーしており、Windows/Mac/Linuxなどで利用できる。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。寄付も歓迎しており、“Microsoft ストア”からストアアプリ版を購入すれば開発を支援することが可能だ。

 「Krita」はペイントソフトだが、図形やテキストなどをベクターレイヤーで扱うこともできる。しかし、「Krita 3」まではオフィス文書向けに設計された“OpenDocument Graphics(ODG)”がフォーマットとして用いられており、効率性や「Iinkspace」など他のドローツールとの互換性の面で問題があった。

 そこで「Krita 4」では、ベクターデータをSVG形式で管理するように改められた。また、編集データをSVG形式でインポート・エクスポートできるようになったほか、「Calligra Suite(旧KOffice)」由来のテキストツールが刷新され、多言語対応・組版制御・拡張性を考慮してSVGベースで新規に開発されたものが搭載された。

 ただし、ベクターレイヤーやテキストオブジェクトを含む「Krita 3」ファイルとの互換性が失われているので注意。古いファイルを開く際は、バックアップを作成しておくことが推奨されている。

 また、スクリプト機能がサポートされたのも大きな改善点。プログラミング言語にはグラフィックスツールで広く用いられている「Python」が採用されており、画像処理や一部ユーザーインターフェイスの操作を自動化することができる。

SVGイメージのインポートをサポート
Pythonスクリプト機能の搭載

 そのほかにも、ピクセルブラシエンジンでマルチスレッドサポートが強化。すべてのブラシで描点グルーピングを用いた高速化が図られたほか、キャッシュ機構が導入されるなど、パフォーマンス改善が進められた。また、ライブストロークプレビューが可能な新しいブラシエディターの採用、フィルターの強化、ドッキングパネルの改善など、修正点は多岐にわたる。

ソフトウェア情報

「Krita」Windows版
【著作権者】
The Krita team
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
4.0.0(18/03/22)