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Apple、「iOS 12」を一般公開 ~パフォーマンスの大幅向上で古い端末でも快適に動作

通知の管理や拡張現実を強化。利用統計機能“スクリーンタイム”などの新機能も

「iOS 12」

 米Appleは、iPhone/iPad向けOSの最新版「iOS 12」を一般公開した。「iOS 12」は、今年6月に開催された開発者向けカンファレンス“WWDC”で発表された新OS。最大32人参加できる“FaceTime”のグループビデオチャット、“Animoji”を自由にカスタマイズできる“Memoji(ミー文字)”、どのようなアプリをどれだけ使っているかを集計できる“Screen Time(スクリーンタイム)”などが新たにサポートされている。

 既存ユーザーが「iOS 12」にもっとも期待しているのは、パフォーマンスの改善だろう。「iOS 12」はアプリの起動やカメラへのアクセス、キーボードの入力といった利用頻度の高い処理のレスポンス(反応)が向上した。同社は“iPhone 5s”や“iPad Air”といった旧モデルでも快適に利用できるとしている。

最大32人参加できる“FaceTime”のグループビデオチャット
どのようなアプリをどれだけ使っているかを集計できる“スクリーンタイム”

 また、通知の管理機能も大幅に強化。同じアプリからの通知をスタックしてひとまとめにできるようになったほか、通知の頻度を下げる“目立たない形で配信”が追加された。就寝中の通知を停止する“おやすみモード”では、“この場所から出発するまで”や“このイベントが終了するまで”といった条件を設定できるようになっている。

通知の管理機能も大幅に強化
通知の頻度を下げる“目立たない形で配信”

 そのほかにも、拡張現実ライブラリ“ARKit”が“ARKit 2”へとアップグレードされ、複数のユーザーでAR体験を共有したり、カメラ越しに物体の大きさを測定できるメジャーアプリが利用できるようになった。“Siri”ではよく利用するアクションにショートカットを設定する機能が新たにサポートされている。

 なお、本バージョンでは脆弱性の修正も行われているので注意。同社が公開したセキュリティ情報によると、今回修正された脆弱性の件数はCVE番号ベースで16件。情報漏洩、任意コードの実行、スプーフィング(なりすまし)などにつながる恐れがあり、できるだけ早いアップデートが必要だ。また、同日リリースの「watchOS 5」や「tvOS 12」でも脆弱性の修正が行われている。修正された脆弱性の件数は、「watchOS」が4件、「tvOS」が5件。

 「iOS 12」の対応デバイスは「iOS 11」から変わっていない。“iPhone 5s”や“iPad mini 2”、“iPad Air”、“iPad(第5世代)”、“iPod touch(第6世代)”とそれ以降のiOSデバイスで利用できる。現在、[設定]アプリの[一般]-[ソフトウェアアップデート]画面から無償でアップデート可能。「iOS 12」デバイスに対応した「iTunes 12.9 for Windows」はすでにリリースされている。