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「Google Chrome 70」が正式公開 ~指紋認証などの新機能、“勝手に同期”問題にも対策

古いSymantec証明書に対する信頼は本バージョンで完全に削除

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 米Googleは10月16日(現地時間)、「Google Chrome 70」を正式公開した。「Google Chrome 70」では指紋が利用できるようになるなど“Credential Management API”が強化されたほか、Windows版でデスクトップPWAが正式にサポートされた(Mac/Linux版でのサポートは「Google Chrome 72」になる予定)。

 さらに、“Google アカウント”へログインしただけで勝手に設定の同期機能が有効化されるように見える問題に対しても、一応の対策がとられた。初期設定の場合、“Google アカウント”へログインするとツールバー右端のユーザーアイコンが“Google アカウント”のプロフィールアイコンに変化するのは変わらないが、それを押すと現れるユーザーパネルでは“同期していません”と明記される。

勝手に設定の同期機能が有効化されると誤解を招いたユーザーアイコンの仕様を改善

 それでも、“Google アカウント”へのログイン状態とユーザーアイコンが連動するのは紛らわしいと感じるユーザーは少なくないはずだ。そこで、それを解除するためのオプションが[設定]-[プライバシーとセキュリティ]画面に設けられた。[Chrome へのログインを許可する]というオプションを解除すると、以前のバージョンの挙動に戻すことができる。

“Google アカウント”へのログイン状態とユーザーアイコンの連動を解除するオプションを追加

 また、[閲覧データを消去する]機能でCookieを削除しようとしても“Google”関連サービスのみが例外となる問題も修正された。「Google Chrome 70」でこのCookieのクリーニングを行うと、“Google アカウント”からもログアウトされる。

Cookieの削除機能は“Google”を特別扱いしないように

 そのほかにも、本バージョンではGoogle、Symantec証明書に対する信頼が完全に削除される。一方で、「Google Chrome 70」での導入が予定されていた拡張機能のアクセス管理は確認できなかった。

 なお、本バージョンでは23件の脆弱性が修正されているので注意。脆弱性の深刻度の内訳は、同社基準で4段階中上から2番目の“High”が6件、上から3番目の“Medium”が8件、最低の“Low”が4件などとなっている。

 「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。「Google Chrome」は自動更新機能を備えているが、長期間起動したままで利用している場合や、アップデートを自分で管理している場合は、最新版への更新を怠らないようにしたい。