やじうまの杜

「Google Chrome 67」はデスクトップ“PWA”をサポート!……で、“PWA”って何?

「Google フォト」や「Twitter Lite」といったWebアプリをまるでデスクトップアプリのように

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PWAアプリとして動作している「Google フォト」

 先月リリースされた「Google Chrome 67」では、Windows/Macで“Progressive Web App(PWA)”がサポートされています。「Google フォト」や「Twitter Lite」といったWebアプリを、まるでデスクトップアプリのように扱うことができます。

一般的なWebアプリケーション(左)、スタンドアロンモードで起動したPWAアプリ(中央)、フルスクリーンモードで起動したPWAアプリ(右)

 “PWA”がなんであるかと一言で表現するのは難しいのですが、簡単に言うと“WebアプリをOSにインストールして、ネイティブアプリのように使えるようにする”仕組みで、以下のような特徴を持つとされています。

  • インストール可能:スマホのホーム画面などに追加して、そこから起動できる
  • ネイティブアプリのように動作:アドレスバーといったWebブラウザーのUIを持たない(エンジンはWebブラウザーを利用している)。アプリランチャーや共有、通知など、OSとの連携も一部サポート
  • Service Worker:バックグラウンド動作の仕組みを利用し、キャッシュを活用した高速化やオフライン動作、プッシュ通知を実現
  • レスポンシブル:スマートフォン、タブレット、デスクトップなど環境に応じたデザイン
  • リンク可能:WebサービスのリンクをPWAアプリで開く
  • 常に最新:Webアプリケーションを更新すれば、PWAアプリも更新される

 “PWA”の“P”は“Progressive(進行中の、段階的な、累進的な)”の“P”。PWAアプリは上記の条件をすべて満たさなければならないわけではありません。むしろ、さまざまな技術を取り込んで、Webアプリを少しずつ、もっと使いやすくしようという取り組みこそが“PWA”の本質ともいえるでしょう。

 「Google Chrome 67」の場合、PWA対応のWebアプリケーションで[…]メニューを開くと、[「***」をインストールしています]というメニューが表示されます。これを選択すると確認ダイアログが現れるので、[インストール]ボタンを押しましょう。するとデスクトップにWebアプリケーションのショートカットが追加され、Webアプリケーションがアドレスバーなしの単独ウィンドウで表示されます。まるでネイティブアプリですね!

PWA対応のWebアプリケーションで[…]メニューを開くと、[「***」をインストールしています]というメニューが表示される
確認ダイアログが現れるので、[インストール]ボタンを押す
“chrome:flags”画面で“Desktop PWAs”という項目を探し、オプション値を“Enabled”に

 もし[「***」をインストールしています]メニューが現れない場合は、“chrome:flags”画面で“Desktop PWAs”という項目を探し、オプション値を“Enabled”に切り替えて、「Google Chrome」を再起動してみてください。

MicrosoftもPWAを推進

 一方、MicrosoftもPWAに注目し、それを積極的にWindowsへ取り組もうとしています。なかでも最大の成果は、PWA版「Twitter」アプリでしょう。

 Windows 10向けに“ストア”で配信されている「Twitter」アプリの正体は、実は「Twitter Lite」というWebアプリなのですが……ネイティブアプリだと思っていたユーザーも少なくないのではないでしょうか。

Windows 10向けに“ストア”で配信されている「Twitter」アプリ(ダークモード)と「Google Chrome」ベースの「Twitter Lite」アプリ(ライトモード)

 「Twitter Lite」は「Google Chrome」からもPWAアプリとしてインストール可能で、両者は見た目もほぼ同じですが、機能面ではいくつかの違いがあります。

 一般的にPWAアプリは“アプリストアに登録されておらず、探すのが難しいところ”、“ネイティブアプリに比べるとOS統合が進んでいないこと”が弱点とされていますが、Windows 10版「Twitter」アプリはその問題をある程度クリアしていることがわかります。Microsoftは“Auto Indexing”と呼ばれるサービスをベータテストしており、PWAアプリを積極的に自社のストアへ取り込んでいます。

Windows 10版「Twitter」アプリはジャンプリストや[共有]機能にも対応
Web上のPWAアプリを検索してストアへ追加していく“Auto Indexing”

 一方、「Google Chrome」ベースの「Twitter Lite」アプリは幅広いプラットフォームで利用できるのが魅力です。機能面でのビハインドは、今後のアップデートで以下のような機能を追加して巻き返しを図るようです。

  • キーボードショートカットのサポート
  • バッジ:起動アイコンにバッジを追加して、新着情報や未読などを知らせる
  • リンクキャプチャー:WebサービスへのリンクをPWAアプリで開く