やじうまの杜

「Windows 10 Insider Preview」に[S モードに切り替える]オプションがこっそり追加

“S Mode”の続報を耳にしないけど、切り替え機能の実装は進んでいる様子

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 Microsoftは3月に独立したエディションとしての「Windows 10 S」を廃止し、すべてのエディションに“S Mode”を導入する計画を明らかにしましたが、そのあと続報を耳にしません。いったいどうなってるのでしょうか……と気を揉んでいたのですが、いつのまにか「Windows 10 Insider Preview」に[S モードに切り替える]というオプションが追加されていたようです(“Winaero”によると、Build 17686あたりから使えたようです。現行版では検索ボックスに入力してもサジェストされません)。

[S モードに切り替える]

 “S Mode(S モード)”がなんなのか忘れてしまった読者のために、改めて簡単に説明すると、“ストアからインストールしたアプリしか実行できない”という一種の制限動作モードです。「Windows 10 S」搭載端末は2018年4月の月例更新プログラムで“S モード”への移行が行われています。

 オンラインソフトを紹介する媒体としてはあまり言いたくないことですが、“ストア”以外で配布されているソフトにはセキュリティ上問題のあるものや、インストール・アンインストールでシステムを不安定にする品質のよくないものが少なくありません。なかにはあまり出来のよくないソフトを入れてしまい、後で苦労したことがあるユーザーもいるのではないでしょうか。また、最近ではメジャーソフトのストアアプリ化も進んできているので、ストアアプリだけで十分というユーザーも少なくないでしょう。

ストアからインストールしたアプリしか実行できない

 “S モード”はそういったユーザーにお勧めの機能です。変なアプリがシステムに潜り込んでくる心配はないし、Windowsのパフォーマンスをインストールしたての状態で長く保つことができます。ただし、「コマンド プロンプト」が使えないなどの制限があるので、上級ユーザーや開発者には向きません。

「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[ライセンス認証]セクション

 さて、話を[S モードに切り替える]オプションに戻しますが、残念ながらこのオプションはまだ未完成のようで、“S モード”ではない端末でこれを実行しても、単に「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[ライセンス認証]セクションに飛ばされるだけです。将来的にはこの画面から“S モード”への切り替えが可能になるのでしょう。

 なお、端末を“S モード”にするには、今のところ応答ファイル(unattend.xml)を用意して「Windows ADK」で“S モード”のISOイメージファイルを作成し、それを使って端末にOSを新規インストールするしかないようです。ちょっと面倒くさいですね。

 また、端末がすでに“S モード”になっている場合は、「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[ライセンス認証]セクション(つまり[S モードに切り替える]コマンドで開ける画面)から「Windows 10 Pro」に戻すことが可能です。手元の「Windows 10 Pro Insider Preview in S mode」の端末で試したところ、比較的簡単に「Windows 10 Pro」へ戻すことができました。

「設定」アプリの[更新とセキュリティ]-[ライセンス認証]セクションから“S モード”を解除
“S モード”への切り替えが完了。「コマンド プロンプト」も使えるように。ただし、デスクトップ右下のウォーターマークはまだ“Windows 10 Pro Insider Preview in S mode”のまま
壁紙がリフレッシュされたタイミングでウォーターマークから“in S mode”の表記が消えました