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Microsoft、「Visual Studio 2019」Preview 1を公開

デザインを刷新、コラボ機能「Live Share」やAIコード補完「IntelliCode」でより強力なIDEに

「Visual Studio 2019」のスタート画面

 米Microsoftは12月4日(現地時間)、開発者向けイベント“Microsoft Connect(); 2018”で「Visual Studio 2019」Preview 1を発表した。現在、同社のWebサイトからWindows版とMac版を無償でダウンロードできる。

 「Visual Studio 2019」は、統合開発環境(IDE)「Visual Studio」の次期メジャーバージョン。初めてのプレビュー版となる“Preview 1”では、その新機能の一部が実装されており、実際に体験することができる。「Visual Studio 2017」との共存も可能なので、興味があれば気軽に試していただきたい。“Azure”の仮想マシンでテストすることも可能だ。

「Visual Studio 2019」は「Visual Studio 2017」と共存可能

 「Visual Studio 2019」でまず目につくのは、刷新されたスタート画面だろう。新しいスタート画面は“最近開いた項目”とタスクの一覧だけが表示されるシンプルなデザインとなっている。このデザインに関する詳細は、翌週の公式ブログで案内されるという。

 また、IDEにも大きな変更が加えられている。アプリアイコンやテーマがブラッシュアップされたほか、メニューバーがタイトルバーと一体化してコンパクトになった。画面の右上には“Quick Command”にかわる新しいコマンド検索機能が追加されており、スペルが多少間違っていても目的のコマンドを探し出せる“あいまい検索”が利用できる。

「Visual Studio 2019」の開発画面
「Visual Studio 2019」のアプリアイコン(左が正式版、右がプレビュー版)

 コーディング関連では、ソースコードのメンテナンス性と一貫性の向上に役立つ機能が多く追加されている。たとえば、ループをLINQのクエリに変換したり、タプルを名前付きの構造体へ変換する新しいリファクタリング機能が追加され、ワンクリックでソースコードをより良好な状態に保てるようになった。また、コードの問題点を警告したり、修正案を提案する機能も強化されている。

 さらに、コラボレーション機能も拡充された。「Visual Studio 2019」ではコーディングセッションを他のメンバーと共有できる「Visual Studio Live Share」が標準で組み込まれており、ソースコードを簡単に共同編集することが可能。IDE上で“GitHub”のプルリクエストを扱えるようにする拡張機能が提供される。また、AIを組み込んだコード補完機能“IntelliCode”も改善されており、C++とXAMLが新たにサポートされた。「Visual Studio IntelliCode」はコーディングルールの学習も行えるので、チーム内でコーディングスタイルを統一するのにも役立つ。

 そのほかにも、「.NET Core 3.0」の開発がサポートされた。クロスプラットフォームのC ++開発、iOS向けの.NETモバイル開発、「Xamarin」によるAndroid開発も引き続きサポートされる。