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「Windows 10 20H1」Build 18980が“Fast”リングに ~謎の“vb_release”ブランチから
新しい“Cortana”が全世界に解放、ARM64デバイスで「WSL 2」がサポート
2019年9月12日 10:04
米Microsoftは9月11日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」Build 18980(20H1)を“Windows Insider Program”の“Fast”リングに参加するユーザーに対して公開した。“Windows Update”を介して配信される。
“Fast”リングに供給されている「Windows 10 20H1」は“rs_prerelease”ブランチのものだったが、Build 18980ではこれが“vb_release”に切り替えられた。“vb”が何を意味するのかは今のところ不明だが(“rs”はかつてのコードネーム“Redstone”の略だった)、次期Windows 10のコードネームと噂されている“Vibranium”に由来するのかもしれない。
ちなみに“Vibranium(ヴィブラニウム)”はマーベル作品に登場する架空の金属で、キャプテン・アメリカの盾の素材として有名。同社のクラウドサービス“Microsoft Azure”では、元素の周期表に従ってコードネームをつけるのが習わしとなっているが、“Titan(チタン)”、“Vanadium(バナジウム)”に続く“Chromium(クロム、クロミウム)”がWebブラウザーの「Chromium」(「Google Chrome」などのベース)と紛らわしいという理由で採用されたと言われている。Windows 10の開発は現在、“Azure”と同じグループで行われているため、コードネームの統一が行われたのだろう。
さて、本ビルドの目玉は一部市場で先行テストされていた新しい“Cortana”が全世界で利用できるようになったことだ。従来の“Cortana”はOSに統合されていたが、生まれ変わった“Cortana”はOSから切り離され、単体のアプリとして利用可能。ドラッグしてウィンドウを移動させたり、サイズを変更することもできる。
新しい“Cortana”がサポートする言語は現在のところ“英語(米国)”のみだが、OSの表示言語が英語でなくても利用は可能。あとから言語を追加できるように設計されているとのことで、今後のアップデートで対応言語の拡充が図られる。
そのほかにも、本ビルドでは「Windows Subsystem for Linux(WSL)」を引き続き強化。ARM64デバイスで「WSL 2」がサポートされた。“/etc/wsl.conf”ファイルを利用してディストリビューションの既定のユーザーを設定する機能が追加されたほか、Windowsシンボリックリンクの問題を解決するなどの改善も行われた。また、Build 18963でアナウンスされた[オプション機能の管理]ページの改善が、すべてのユーザーにロールアウトされている。