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「Google Chrome 78」はネイティブファイルシステムへのアクセスをサポート

ベータチャンネルでテスト中

「Google Chrome 78」のベータ版

 米Googleは9月20日(現地時間、以下同)、「Google Chrome 78」のベータ版に追加した機能を発表した。新しい“Houdini”APIやネイティブファイルシステムへのアクセスなどがサポートされる。

 最近のCSSでは変数(CSS Variables)を使えるが、現状の仕組みにはいくつか問題がある。たとえば“色”を表す変数を定義しても、その変数には型(タイプ)制約がないため、他の場所で“長さ”や“割合”、“時間”、“URL”といった有効でない値でも上書きできてしまう。

 「Google Chrome 78」では、こうした問題を緩和するために“CSS Properties and Values API Level 1”と呼ばれる仕組みが導入される。変数をカスタムプロパティとして登録し、変数のタイプを特定のものへ制限したり、誤ったタイプの値が設定された場合に代入される初期値を設定することが可能。アニメーションするプロパティを作成することもできる。

 “Houdini”は一般的なWeb標準化のプロセスを待たずに、開発者が自由に機能拡張を行うための基盤を整備しているタスクフォースで、“CSS Properties and Values API Level 1”はその成果の一部だ。命名は米国で活躍した奇術師からとっているようで、“Houdini”のAPIを利用すればCSSの“魔法”をただ観賞するだけでなく、自分で生み出せるようになる。

 「Google Chrome 78」におけるもう一つの目玉は、“Native File System API”だ。このAPIを利用すると、ローカルデバイス上のファイルを読み書きすることが可能。アップロード・ダウンロードといったプロセスを介さずにローカルファイルを扱える、強力なWebアプリを開発できる。

 そのほかにも、Webソケットの高速化(Windowsで4.1倍、Mac/Linuxで7倍以上)などが行われる予定。また、一部環境をターゲットに“DNS-over-HTTPS”の実験が実施される。

 「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Android/Chrome OSに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。