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オープンソースの電子書籍管理ソフト「calibre」が刷新 ~2年ぶりのメジャーバージョンアップ

コンテンツサーバーを強化。「Qt WebEngine」への移行を果たし、電子書籍ビューアーなどを一新

「calibre」v4.0.0

 オープンソースの電子書籍管理ソフト「calibre」の最新版「calibre 4.0」が、10月4日に公開された。Windows/Mac/Linuxに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在、本ソフトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

 「calibre」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応の電子書籍管理ソフト。電子書籍ファイルを閲覧するためのビューワー機能をはじめ、電子書籍の情報を編集する機能、各種ドキュメント・電子書籍ファイル形式を相互変換する機能、電子書籍リーダーとの同期機能など、電子書籍に関する機能を網羅したオールインワンツールだ。

 前回のメジャーバージョンアップからの2年間の間、「calibre」ではコンテンツサーバーの機能強化が図られた。

 コンテンツサーバーを有効化すると、「calibre」ライブラリをローカルエリアネットワーク(LAN)へ公開することが可能。他のデバイスからWebブラウザーで“http://(IPアドレス):8080”へアクセスすると、PCで管理している電子書籍をタブレットやスマートフォンで楽しめる。当初は電子書籍の閲覧が主な機能だったが、「calibre 4.0」ではメタデータの編集や書籍の追加・削除、電子書籍のフォーマット変換なども行えるようになった。ローカルの「calibre」アプリで行えることの大半が、リモートでも行えるようになったわけだ。

コンテンツサーバーではメタデータの編集や書籍の追加・削除、電子書籍のフォーマット変換なども行えるように
PCで管理している電子書籍をタブレットやスマートフォンで楽しめる

 そのほかにも、「Qt WebKit」から「Qt WebEngine」への移行が行われた。これにより、電子書籍ビューアーやPDF出力機能、書籍の詳細情報表示などが完全に書き換えられ、新しくなった。とくに電子書籍ビューワーはマウスを右クリックしない限りメニュー類を一切表示しないシンプルなデザインとなった。書籍に没入できることを最優先した、いわゆる“イマーシブ”なデザインだ。

完全に書き換えられた電子書籍ビューワー
マウスを右クリックするとメニューが現れる。キーボード操作も可能で、起動時にはチュートリアルが表示される

 一方で、一部に旧バージョンと互換性のない機能もある。たとえば書籍の詳細パネルにはWebブラウザーコンポーネントが用いれあれなくなった。レンダリング速度の向上と引き換えに、詳細パネルで利用できるHTML/CSSには制限が加えられる。

ソフトウェア情報

「calibre」Windows版
【著作権者】
Kovid Goyal 氏
【対応OS】
Windows 7/8/10
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
4.0.0(19/10/04)