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レガシーアドオン対応を続けるFirefox派生ブラウザー「Waterfox」が広告会社System1に買収される

プライバシーを重視する検索エンジン“Startpage.com”も傘下に

「Waterfox」

 米System1は2月14日(現地時間)、レガシーアドオンに対応する「Firefox」派生ブラウザー「Waterfox」を取得したと発表した。「Waterfox」を立ち上げたAlex Kontos氏も同社に加わるが、「Waterfox」の開発は継続するという。

 「Waterfox」は、「Firefox Quontum」より前に採用されていた“Australis”デザインを継承する「Firefox」派生ブラウザー。本家「Firefox」で切り捨てられてしまった“レガシーアドオン”を引き続きサポートし、カスタマイズ性を重視している。また、いち早く64bit対応を果たしたこと、本家「Firefox」に採用されている“Pocket”統合や新規タブページのスポンサータイルといった余計な機能を省き、プライバシーの重視を謳っている点も特徴といえる。

 今回「Waterfox」を買収したSystem1社は、カリフォルニア州ベニスで設立された広告会社。昨年、“世界で最もプライベートな検索エンジン”を謳う検索サービス“Startpage.com”を買収したPrivacy One Groupは、同社の一部門であるという。

 「Waterfox」の買収が最終的に決まったのは、昨年12月中旬のこと。一部のユーザーがそのことに気付き、憶測が広まっていたことを受け、Alex Kontos氏とSystem1社の双方から公式リリースが発表された。発表が遅れたのは「Waterfox」プロジェクトの運営にはまったく変更がなかったこと、「Firefox」のリリースサイクル短縮に追いつくためのCI(ソースコードを継続的に自動ビルドするシステム)環境を整えるのに忙しかったためだという。

 プライバシー保護を重視する「Waterfox」と“Startpage.com”が、プライバシーをないがしろにしているとの批判が多い広告会社に買収されてしまったことを懸念する声も少なくないが、同社は製品の理念を尊重し、コミュニティの信頼を得られるよう努力するとしている。

 「Waterfox」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイト“aterfoxproject.org”から無償でダウンロード可能。Windows版はWindows 7以降をサポートしており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。最新版は2月13日付けでリリースされた“2020.02”。「Waterfox」は昨年10月から、年月ベースのバージョン番号を採用している。